吹き溜まりのノイジーボーイズ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 205
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048660020

作品紹介・あらすじ

元吹奏楽部で現帰宅部の亜希は、担任の平野から、ある生徒達に吹奏楽を教えてほしいと頼まれる。学校のいらないモノが吹き溜まる旧講堂で亜希を待ち受けていたのは、学内で札付きのヤンキー少年達。怖じ気づく亜希だったが、下手ながらも音楽を楽しむ彼らの熱意に打たれ、共に文化祭を目指すことを決意する。しかし、吹き溜まりで最も有名な不良少年・夏目に、ヤンキーの音楽なんて誰も聞かないと言われてしまい-?ヤンキー少年と女子高生が奏でる奇蹟の青春ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 元吹奏楽部の亜希は、担任の平野先生から吹き溜まりにいる生徒たちに吹奏楽を
    教えてほしいと頼まれる。
    学校の物置と化していた旧講堂には、学校の中でも有名なヤンキー集団
    最初は、拒否をする亜希だが、彼らの音楽に対する一途な思いに心打たれ、文化祭を目指して練習を一緒に始める。
    熱意があるだけに、どんどん上達するヤンキー集団

    しかし、その中でも札付きのヤンキー夏目にお前らrの音楽なんか誰も聞かないといわれ・・・
    ひょんなことから、音楽に好意的な在校生も、ヤンキーの音楽と否定的な空気が蔓延し始める

    皆、文化祭を前にやる気をなくし・・・

    亜希は、ヤンキーたちを奮い立たせ、文化祭のステージに立つために諦めかけていた
    気持ちを鼓舞し、動き始める・・・

  • うん、よかった。
    なんとも清々しい青春物語。
    読後感サイコー。
    順不同で作者の本を読んでるけど、これはデビュー2作目。
    これまでで一番好きかも。

    本作も作者得意の青春物語。
    音楽バカでとことん諦めの悪いヒロインのアキが、先生に頼まれて吹き溜まりのヤンキーたちとブラスバンド部を作る話。
    登場人物の誰もが挫折や屈託を抱えていて、いわばこれは彼らの再生の物語だ。

    アキのキャラクターが凄くいい。
    いろんな不安や迷いはありながらも好きな音楽のためなら決して逃げずに頑張れてしまう。
    でもそれは前向きと言うよりもむしろ、諦めたくない、もう後悔したくないという後ろ向きの感情が原動力。
    そのことが吹きだまりの彼らを動かしていく。
    そんな仲間が増えていく展開が、とてもいい。

    そうして上手くいっていたと思っていたら、お約束の大きな壁が待ち構えていて、その展開は分かっていても惹きつけられる。

    ハイライトはラストの文化祭での演奏会の場面。
    なにもかもがダメになりそうなその瞬間に、高らかに響き渡るトランペットの音。
    次々と戻ってくる仲間たち。
    いやあ、こういう場面に弱いんだよ。
    うん、胸が熱くなった。
    やっぱり青春物語はこうじゃなくっちゃね。

    ちなみに、この物語には作者の物語としては珍しく恋愛要素がちゃんとあって、それも良かった。
    女の子が主人公だったせいかな?
    好きな男の子に両頬を掌で挟まれて、活を入れられる場面なんか胸キュンものだよ!

    さて次は作者のどの物語を読もうかな。

  • 主人公が元気いっぱいで、不良と呼ばれていた男子達を一つに纏めていく過程も勢いがあって楽しかったです。
    青春と恋と部活という高校生らしさが詰まっていてとても可愛らしい内容。

  • さわやかな青春もののストーリーでよかった。
    不良たちが予想以上に素直だったが、終盤で音楽をやりたかった動機が判明してからの展開が熱かった。
    ノイジーボーイズのその後も各登場人物それぞれクラスに溶け込んでハッピーエンドというのも良い気持ちにさせてくれた。
    夏目の告白はこっちが恥ずかしくなった。

  • 「ヤンキーが音楽を?なんて疑問を世界から失くすため」に音楽をやる男の子たち。に、音楽を教える女の子の話。女の子の音楽バカなところがとてもかわいくて素敵。
    2014/7/15

  • 不良と吹奏楽という組み合わせが意外で手に取った。不良たちに吹奏楽を教えることになったアキとある理由でブラバンを始めた不良たち。
    段々一つにまとまっていくのに、不良という理由で妨害される彼ら。確かに一度貼られたレッテルを覆すのは大変なこと。はねのけたアキと彼らに拍手。

  • 一度部活?に挫折した女の子が、不良少年たちをまとめあげ、文化祭に参加する、というもの。
    うーん、もともと吹奏楽やっていて、あんまりいい思い出がないせいなのかもしれないけれど、
    不良少年たちがまとまったのは彼らにも音楽とは別の理由がちゃんと存在していたことと、あと主人公以外が全員男の子ばっかりだったからだよねぇ、と思ってしまった。
    主人公はいい子なんだが、現実世界にいたら友達にはなりたくない、かな。。見た目ほど中身まで明るいわけではないようだったから、そこには共感できたけれど。この主人公の場合、この性格なら、ふつうなら?挫折するだけでなく、挫折以上のものを味わった可能性のほうが高い……とかいう話をしても詮無いことなのだけれど。
    もちろんお話の中でなかなかうまくいかなかったり、認めてもらえなかったりけなされたりするんだけれど多くは外野の話で、部員同士の衝突はほぼなかったのでちょっと違うかなという気がしました。どちらかといえば後者のほうがよほど大変なので。
    あくまでもお話だから、現実の状況を重ねるのは違うかもしれませんが、気になったので、☆3つで。

  • 音楽から始まる青春ストーリー!!

  • 音楽大好き!
    ・・・でも高校には吹奏楽部なかった
    一度挫折した主人公が、色々な意味で
    挫折した不良どもと不協和音を出しな
    がら音楽発表に向けて奔走する
    楽しい!

  • ヤンキーが吹奏楽?そんなネガティブなイメージは浮かぶかもしれないけど、この物語で奏でられる音は素敵だ。
    音楽は魔法が掛かるからきっと面白いんだと常々感じます。

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著者プロフィール

「サマーランサー」にて第19回電撃小説大賞<選考委員奨励賞>を受賞し、デビュー。瑞々しい感性で描かれる青春小説に定評がある気鋭の作家。

「2020年 『17歳のラリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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