ロック・ギタリスト伝説 (アスキー新書 99)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048677301

感想・レビュー・書評

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  • ギターを嗜む音楽評論家による23人のギタリスト列伝。音楽シーンにも触れていて、美しいコード進行と紹介もあって、それなりに楽しめます。Youtubeやサブスクの時代なので、曲を探して聴きながら読むとわかりやすいかも。、

  •  ベテラン音楽評論家にして自身もギタリストである著者が、1960~80年代にかけての著名ロック・ギタリスト23人を取り上げ、一人ひとりについて、奏法のどこが画期的だったのか、すごいのかを解説していく音楽エッセイ集。1人のギタリストについて7~9ページ程度が充てられている。

     ロック・ファンならあっという間に楽しく読める軽い本。
     当然、ギターを弾く人のほうがより深く楽しめる内容だが、弾けない人にはまるで理解できないほど専門的ではない。マニアを唸らせる深い解説を随所にちりばめつつも、リラックスした筆致でわかりやすく書かれているのだ。音楽評論で長年メシを食ってきた者ならではの「技」であろう。

     ただ、ギタリストの人選にかなり偏りがあるので、いまどきの若いギター小僧が読んだらとまどうこと間違いなし。読者層として、『大人のロック!』とかを買うような40歳超のオールド・ロック・ファンが想定されている感じなのだ。

     ジミヘン、ベック、クラプトン、ペイジといった大御所は登場するものの、エディ・ヴァン・ヘイレンもスラッシュもイングヴェイ・マルムスティーンも出てこない。
     また、著者は本書でも「プログレは苦手だ」と書いているとおり、プログレ系の名ギタリストは一人残らず完全に無視されている。ロバート・フリップもアラン・ホールズワースもスティーヴ・ハウもヤン・アッカーマンも出てこないのだ。

     逆に、「なんでこの人が『ロック・ギタリスト』なの?」という人もけっこう登場する。ブレッドのデヴィッド・ゲイツとか、ジェイムス・テイラーとか、ポール・マッカートニー(ベーシストではなくギタリストとして取り上げられている)とか。

     もっとも、そういう項目も中身を読んでみれば「なるほど。ギタリストとしてもすごい人なのだな」と納得するし、そうした人選それ自体の中に著者の独創があるわけだが……。

     ジョン・フォガティを取り上げた項目の最後に、著者は次のように書く。

    《ジョン・フォガティのシンプルであるがゆえにダイナミックな魅力を感じさせてくれるギター・リフにも、こうしたCCR の持ち味がそのまま活かされていたってことだ。簡単だからってバカにしちゃいけない。》

     これは、本書のスタンスを集約した一節である。
     『ロック・ギタリスト伝説』などというと、バカテクなメタル系「ギター・ヒーロー」にばかり光を当てた内容を想像する人が多いだろう。だが、著者は本書を通じて、「表面的なバカテクだけがギタリストの『すごさ』ではないぞ」と暗に主張しているのだ。

     『ギター・マガジン』編とか、伊藤政則著で同じタイトルの本を作ったなら、まるで違った内容になったであろう。これはあくまで萩原健太の『ロック・ギタリスト伝説』であり、そのこだわりと偏りの中にこそ面白さもある。

  • 文体は読みにくいが、ギターが弾きたくなる。

  •  ラジオに登場するこの人は好きだが、この本の文章は相当癖があって正直読みづらい。登場するギタリストの魅力を損ないかねない、不快感を感じるレベルですらある。

     一文一文を簡潔にしようとしているんだろうが、句点の使い方はなんとかならなかったのか。

  • [ 内容 ]
    ’60年代から’80年代にかけて、洋楽とはロックのことだった。
    ギタリストたちがロックシーンをリードしていた。
    そんな時代を代表する23人のギタリストをピックアップ。
    当時の音楽体験をもとに、あの時代を共有してきた同世代に向けて、ギターを弾いていたからこその発見や熱い想いを、音楽評論家としての視点から徹底解説。

    [ 目次 ]
    未完成な楽器が可能にした、偉大かつ無茶な試行錯誤―ジミ・ヘンドリクス「見張り塔からずっと」
    常に時代にもっとも影響を与えてきた存在―エリック・クラプトン/クリーム「サンシャイン・オヴ・ユア・ラヴ」
    サザン・ロックを代表するスライド・ギターの名手―デュアン・オールマン/オールマン・ブラザーズ・バンド「ステイツボロ・ブルース」
    ロックンロールの歴史上、もっとも重要な人物―チャック・ベリー「ジョニー・B・グッド」
    時代の気分をとらえながら、いつまでも変わらないもの―ジェームス・テイラー「寂しい夜」
    ギター・ソロのコピー経験者数最多ギタリスト?―リッチー・ブラックモア/ディープ・パープル「ハイウェイ・スター」
    魂のギタリストこそが為し得た、強引なまでの融合!―カルロス・サンタナ/サンタナ「ブラック・マジック・ウーマン」
    まさに孤高に立つギターの求道者―ジェフ・ベック「シーズ・ア・ウーマン」
    ジャズやカントリー、ブルースを取り込んで作り上げられた音―エイモス・ギャレット/マリア・マルダー「真夜中のオアシス」
    コードの響きまで計算しつくしたアコースティック・ギター・プレイヤー―ポール・マッカートニー/ビートルズ「ブラックバード」〔ほか〕

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 面白かった、けれども知らないギタリストの話はなんだかわからなかった。話し言葉というかDJ生放送のゲストのしゃべりをそのまま文章にしたもののような形式なので、本で読むのは違和感がある。雑誌の連載なら許せるけれども。

  • 忌野清志郎が逝って、もうすぐ一年。
     
     ロックって何だろう・・・。
     ロック的行き方って何だろう・・・。

     ロック的鍼って何だろう・・・

     っていうか、ロックと鍼は関係ないか・・・。
     いや、つまり、自分自身にとって鍼とは何か。
     鍼を通して何ができるのか・・・。
     つまりその、ロックというのはそれぞれの生き方そのものを問う手段であり・・・。

     
     私は一つの音楽が好きなると、それをとことん聴くほうなのでありますが、そろそろ他の曲も聴いてみたいと思いながら手にしたのがこの本です。

    人類にギターという楽器が与えられ、アコースティックのギターから、エレキギターもレスポールやテレキャスターなど様々に展開してきました。そして人類史上において、これだけ熱くかき鳴らされてきた楽器も珍しくありません。
     本書では、人類史上これまで現れた腕利きのギタリストを集結しており、ギタリストの代表作を挙げております。著者は「イカスバンド天国(略して“イカ天”・・一部の世代には妙に懐かしい毎週土曜日深夜の番組)」の審査委員長でもあった萩原健太氏。萩原氏自身もギターを弾く人ですので、解説もまた細かい演奏まで行き渡っております。また本書は語り口調のように書かれているので、簡単に読めてしまいます。

     ロックを捉えなおす。
     ロックな生き方を学ぶ。
     新しいロックを探している方。

     そんな全ロックファンからロック初心者まで網羅する一冊です。

  • 2010年5月11日読了。著者の萩原健太がギタリストであり、山崎まさよしの「HOME」などのアルバムをプロデュースしている人物とは知らなかった・・・単なる音楽に詳しい太ったおじさん、かと思っていた。失礼!3大ギタリストやジミヘン、リッチー・ブラックモアら鉄板のギタリストらも取り上げられているが、ポール・マッカートニーやジェームス・テイラーなどのセンスのある繊細な弾き手、BBキングやチャック・ベリーら革命を起こした偉大な音楽家たちのギタープレイにも注目しているところ、当方も共感しながら楽しく読めた。この本で取り上げられている曲は「ブラックバード」しか弾けないが、自分が音楽好きでギタリストでよかった!と思ってみたり。

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