バッカーノ!1710Crack Flag (電撃文庫 な 9-34)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
4.21
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  • (1)
本棚登録 : 1001
感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048684590

感想・レビュー・書評

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  •  とある劇作家の手記。
     実はバッカーノ!シリーズは借りたりうっかり買ったり、途中いくつか読んでない巻があったりしていてそれこそ欠けたピースが多いのですが…どの順番で読んでもいいよね!(開き直った)
     本編はヒューイがひどい。鷲掴み。ああもうっ本当にこの3人組大好きだ。

  • “「俺は、お前を信用しない」
    「……ッ!」
    「モニカが俺の過去を誰かに話したんじゃないか、という疑いも消えたわけじゃない」
    抱きしめられると同時に、震えが収まっていたモニカは、その言葉を聞いて悲しくなったが――それでも、言葉が自然と口にでる。
    「……うん。いいよ、それでも」
    「俺は、お前の事を利用する。それも変わらない」
    「うん」
    ――それでもいいよ。
    頷く事まではできる。
    ――だけど、ううん。だから……。
    だが、その先の言葉を口にする事ができない。
    ――だから、もうどこにも行かないで。
    ただそれだけの一言が、どうしても喉から絞り出せない。
    モニカは自然と涙がこぼれ、悲しみに心が押しつぶされそうになる。
    仮面を失った彼女の泣き顔を守るのものは何もない。
    こんな自分の顔をヒューイに見せたくはないと思うも、彼女にはもはやどうする事もできなくなり、彼女は本当に舌でも噛みかねないほどの絶望に包まれかけた。
    しかし――

    「それでも……モニカの事を、好きになってもいいか?」

    「……え?」
    モニカは、最初、相手の言葉の意味が解らなかった。
    ヒューイはそんな彼女を更に強く抱きしめ、確認するように呟いた。
    「俺は、モニカを信じたりしない。だけど、モニカが俺を裏切っていたとしても、俺の敵だったとしても……それでも、モニカの事を好きでいいか?」
    「ヒューイ……君」
    「俺には、モニカを愛する資格があるか?」”

    1705年の念願の続編。
    モニカ可愛いよモニカ。
    最後の『仮面職人』の活躍とか。
    ああいう最後のほうにやってくる成田さん特有のどんでん返しがどうしようもなく好きなのだけど。
    だけど、やっぱりこの本の一番最後のどんでん返しは悲しすぎた。
    あとがきで、もう書かないといったことを言っておられるのが唯一の救いというか何というか。
    モニカとヒューイがあまりにも幸せそう過ぎて可哀想過ぎて。
    少し泣ける。
    すでに知っていたことではあるけれど、やっぱりモニカの死は切なかった。

    “「……」
    沈黙するエルマーに、ヒューイは目に狂気にも似た光を滾らせながら語り続けた。
    「ああ、俺は、奴らと闘う為に、モニカを救う為に、この街を犠牲にする事も厭わない。ジャンピエール・アッカルドが描いたのはまさに真実だ。俺は、モニカの為ならこの街を火の海にする事も厭わない!」
    そして、少しだけ悲しげな色の表情を浮かべ、エルマーの顔を見る。
    「だが……俺一人では絶望的だ。だから俺は、今、お前の事も巻き込もうとしている。俺の、俺がモニカを救いたいというエゴの為に、何もかも利用しようとしている!だが、恥を捨てて頼む。どうか――」
    その瞬間、エルマーが手を前に出し、ヒューイの言葉を遮った。
    「……?」
    「んー」
    エルマーは、ヒューイの言葉を真剣に聞いていた。
    だからこそ、彼は優しく笑った。
    真剣に微笑みながら、ヒューイに対して問いかける。
    「君は、モニカを助けると嬉しいか?」
    「……当たり前だ」
    「モニカとまた会えたら、笑うかい?」
    「人生最高の笑顔を見せてやる」
    即答だった。
    エルマーはその答えに満足したようで、ケラケラと笑いながら口を開く。

    「最初から、それだけ言えばいいんだよ。俺が協力するには、それで十分だ」”

  • いつもの群像劇としての話ではないのが新鮮。
    あの人にも青春があったのかぁ。

  • バッドエンディングと決まっていてもヒューイとモニカの関係にニヤニヤが止まりません、しかし最後は『どうして見つけてしまったのだ』という言葉が頭から離れなくなりました
    切ないうえに脱力感が襲ってきます

  • 成田さんといえばここのところ「drrr!」一色なので久しぶりの馬鹿騒ぎを満喫させて頂きました。
    印象としてはちょっと・・・お疲れ?;
    ラノベというジャンル上、キャラ読みは邪道でないと思うのですが、今回は本当にキャラ把握しきってないと辛いなー、という感じがします。
    なんというか、群像劇が成田作品の醍醐味なのに、大慌てで駆け抜けた薄さのような。
    普段は1日のエピソードを二冊に渡って追っているのだから、数年を一冊で済ませたことを考えると仕方ないのかもしれません。
    後書きで成田さんも言ってますが、バッカーノ!にしては珍しいオチ開示型の巻だったのも遠因かと。驚愕が無いからいつも充満してるラノベっぽさが薄く、でも文体はいつものまま、ですので。
    あと、年代と場所上、出演しないとおかしいんだけど、でも物語の展開上不必要なキャラが多かったです。
    キャラ読みで期待を突き通すと出オチィィィィィィィ!!??と泣く羽目になるし、展開を期待するといくらか拍子抜けかも・・・といので星二つ。
    ただ、次回への橋渡し具合のよっては見直しに来ると思います。
    ああ・・・貴方の活躍を期待してたのです!本当にっ!!

  • 100417

  • ヒューイとモニカが中心。

    なんだか、だんだん切なくなってきます。
    1930年代の事件も裏でやつが手をひいてると思うと憎たらしい!

  • ネタバレはしない。しかしこれだけは言おう。 フェルメート、死ねば良いのに。

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著者プロフィール

東京都生まれ埼玉出身の小説家。『デュラララ!!』『バッカーノ!』『Fate/strange Fake』(すべて電撃文庫)などを執筆。小説以外にも『デッドマウント・デスプレイ』(スクウェア・エニックス)などの漫画原作のほか、ゲームシナリオやドラマ原作など多種多様な作品を手掛ける。

「2023年 『シャークロアシリーズ 炬島のパンドラシャーク〈下〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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