「スマート日本」宣言 経済復興のためのエネルギー政策 (アスキー新書 184)
- アスキー・メディアワークス (2011年8月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048704366
感想・レビュー・書評
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スマートグリッドも最後は本当は通信事業。
上に載るのはクラウドがあって、インターネットの世界。電気のグリッドにオーバーレイでインターネットが寄り添うわけで、そうすると総務省も黙っていられないのではないか。
電力ピークカット取り組みの2つの局面
1.1日のうちの電力需要のピークの時間帯の消費電力量を抑えること
2.1年のうちの電力需要の最大発生日の消費電力を抑えること
エネルギーの世界でも、新たに登場しているネットワークを視野に入れた政策をい議論する時期。
スマートグリッドと既存の電力ネットワークを比較するのは、インターネットとアナログ電話を比較するようなもの。これまでの電力、通信、自動車、住宅、家電といったさまざまな業界のプレーヤーが参加して、新しいサービスと新しい産業が構築される。 -
夏の電力危機も乗り越えた今日この頃、若干の出遅れ感を感じつつ読みました。スマートグリッドの目的、政策、産業そして東北大震災を踏まえたスマートシティについて、多くの人が議論に参加できるような語り口で説く。
日本が今まで潤沢な電力を享受できたのは夏の10日間の最大瞬間消費電力をまかなうに足る発電設備を目一杯準備していたからと説き、一方でスマートグリッドはスマートメータによる見える化を行い節電契約と言えるネガワットや蓄電技術でピークカットすることと論じる。
また、もともと法律は発電、変電、送電、配電の四つのビジネス形態を想定しているとして電気事業法にも言及し、イノベーションを促す制度の政策を求め、エネルギー、IT、通信に限らない広範囲な産業への波及効果語り企業のスマートグリッドへ参入を鼓舞する。
発電所を建設することで利する組織と、スマートグリッドで利する組織の大きな鬩ぎ合いがとても良く理解できた一冊です。そう言えば、村上憲郎氏が講演でスマートメータで取得するデータ量も、前者は少なく後者は多くと主張して議論している、との話があったのを思い出しました。 -
ピークデマンドで発電所に設備投資を続けるのは限界である。ピークカットとかピークシフトを計画停電のように強制するのではなく、ビジネスとして成り立たせていく必要がある。アグリゲータとかネガワット取引など、デマンドレスポンスを実現するための仕組みがいろいろ考えられている。
スマートグリッドというと、サプライサイドのインテリジェント化とか、スマートメータで見える化という議論に終始しがちだが、サプライサイドとデマンドサイドのコミュニケーションが成立してこそスマートグリッドである。
日本のパワーグリッドは世界的に優れているという話はよく聞くが、それは過剰投資の結果だとも言える。デマンドサイドの技術革新に関しては、日本はここでも「失われた10年」で世界の動向について行けてないとか。優れたインフラと3.11以降の切迫した電力事情から来るモチベーションを活かし?て技術開発を進め、新興国にも売り込むことで、逆転するチャンスが残っている。 -
・通信とエネルギーの統合→監督官庁の統合
・DRアグリゲータビジネス -
電力系統をちゃんと勉強したことがないんだろうね。
菅・孫のようなオバカな提案はないが,実現可能性が怪しい提案が多い。
とはいえ,他の本よりは,ちゃんとしている。 -
需要を賢く制御!