- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048729376
感想・レビュー・書評
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作品解説(帯より):メガロポリスは知っている――海が邪悪を胎んだことを。 ゴミ、汚物、夢、憎悪……打ち捨てられた生の残骸が流れこみかきまぜられる巨大な水たまり<東京湾>に満ちる破滅と希望の予感。 吉川英治文学新人賞注目の受賞第1作! 戦慄のカルトホラー。
水による恐怖をテーマにした短編集。「浮遊する水」は映画になっています(観たことはありませんが…)。『リング』ほどの恐怖感はありませんが、始終不気味な雰囲気が漂っています。夜中にトイレへ行けなくなるということはありませんが、ホラー好きにはオススメ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東京湾周辺が舞台の、水にまつわる恐怖を描いた短編集です。
水に関係する話なので、読んでいて息苦しくなってしまいそうになりました。
恐怖を味わうにはもってこいですが、7編もそれが続くと、読むのもかなり疲れてしまいました。
漂流船が、一番ホラー色が強かったのではないと思います。
ウォーター・カラーは、ちょっと異色でしたが、息抜きになりました。
海に沈む森は感動物です。
途中飽きてしまいましたが、エピローグに深い意味があって短編集全体が活きてきたなぁと感じました。 -
濡れた琺瑯に纏わりつく髪の毛への生理的嫌悪感を描写されて、あたしの心臓は鷲掴みにされたね
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(収録作品)海に沈む森/浮遊する水/孤島/穴ぐら/夢の島クルーズ/ウォーター・カラー/漂流船
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私って、ホラーは苦手なのかも、と思った一冊。
文章も読みやすいし面白いのだけど、やっぱりホラー要素が好きになれない。。
最後の「海に沈む森」が良かった。 -
水にまつわる怖い話。最初のマンションの話にリングの冒頭の風景を思い出し、排水口にからまる髪の毛にらせんを想像した。
最後だけ感動で締めくくるため無理につながった感じも。でもやっぱりこの人は文章がうまいなあと感心した。 -
映画を見て初めてこの作品を知ったのですが、内容は全て水が関連した(全部東京湾が関係している)短編が七本入った本です。
テーマは水のようですが、人の想像力がいかに凄いかというのも考えさせられます。皆、それぞれ人生があり、常に人は死と隣り合わせという印象が強かったです。
映画化した作品《浮遊する水》は、小説では母娘が家を出る所で終わってますが、映画ではその後の話も綴られていましたね。
個人的に《海に沈む森》がかなり印象的でした。次に《ウォーター・カラー》。《海に沈む森》は知らず内に文章に惹きこまれていて、話の主人公杉山文彦の目線でそこで起きた光景を一緒に見ていました。
気づいた時にハッと我に返りました。読み終わって、何てことだ、と一言呟いてしまいました。
全て読み終えて思ったことは、人間は呆気ない、の一言でした。
自分がした行動により誰かの人生が左右される事もある。
大事な人がいなくなっても、自分がいなくなっても時間は動き続けるのですよね。
水は怖いです。
これを読んで、益々何かが潜んでいるような気がしてなりません。 -
久し振りのホラー。読ませ方が上手く、臨場感は抜群。
エピローグではきちんと締められ、意外と読後感は爽やか。
ただ、好んで読みたいものではないな、と再認識。 -
偶然か必然か、その手の中に飛び込んできた拾い物。
それは幸を呼び込むのか、厄を呼び込むのか。
………
映画「仄暗い水の底から」は、この作品の中の一編、
「浮遊する水」を元に作られているようです。
そしてこの「浮遊する水」は、前に読んだ、アンソロジー「亀裂」にも収録されています。 -
同名の映画を、部分的に見て興味がわかなかったものの、水に関するホラー短編集の1話に過ぎないことに気づき読み始めました。7話あるうちの、一番面白くないのが映画になったような気がします。ホラー小説はあまり守備範囲に無いのですが、この作品7話全部よんで、なんとなく統一感が出てきました。あんまり怖くありませんが、ホラー初心者のわたしにはぴったりでした。