ばいばい、アース 上

著者 : 冲方丁

• KADOKAWA (2000年12月25日発売)

感想・レビュー・書評

[enolaさんの感想 · 2007年4月8日]

文庫化が進められている
・・・らしい

雑誌のインタビューによると、近々本作が三~四分冊で文庫化されるらしい。既読者が驚くような仕掛けがあるらしい。

と2004年の1月の情報

[青さんの感想 · 2006年9月20日]

悩み多き（！）高校生の時に読んだ分厚い本。でも独特の世界観にあっという間に引き込まれ、気が付いたら読了していたという強者です。

[由佳さんの感想 · 2006年5月27日]

5月25日読了。な…長かった。500ぺージの二段組み。読者へのサービス精神や思いやりのへったくれもなく、「読みきってみろ」と言っているかのような長大さ。「読み解いてみろ」といっているかのような、暗示と暗喩。文章に優れた作家の作品を読むとき、本を読んでいるというよりも、本の中の情報が頭の中に流れこんでくるという感覚になることがある。そうなると、その情報の流れをたやすくせき止めることができず、結局疲れ切るまで読みやめることができなくなる。この本もそういう種類の本の一つ。しかも激流といっていい。ただそういう種類の本を読んだあとに、その流れが、（ナイルの肥沃な土のようにはいかず）何も残していかないこともある。ただ流れていったという記憶は残るが、読み終わった後は虚脱感を免れ得ない。
この物語が、何かを残していくのか、それとも流れていくだけなのか。
判断はとりあえず後に。なんといっても同じボリュームの下巻があるのだから。
こっちの体力がつきてしまいそうである。

[香澄さんの感想 · 2006年1月21日]

うーん、まあまあです。でもなんでハードカバーで買ったのかわからない……

[decoctさんの感想 · 2005年11月3日]

冲方 丁をあきらめないで良かった。冲方 丁は世界から作る。それは言葉も作り、そのための文章を書き、それが物語になる作家なんだと思う。ファンタジーがコンビニエンスじゃなかった頃の構築感。／この世界は花と音楽で作られている。生き物は花で、戦いは音楽。それがその世界ではまったくの当たり前であることを感じ、その世界に没頭し、分厚い本が長時間の幸福だと思える。この世界では剣は育つ。魔法は論理的である。そういったいかにもファンタジー的なものが、設定のためではなくストーリーのために展開していく。楽しい。

[Tさんの感想 · 2005年6月13日]

19000<BR>
2005/6/11<BR>
上下セット

[バチスカーフさんの感想 · 2004年10月15日]

▼今をときめく沖方丁（うぶかたとう）の世紀をまたいだ作品です。上下巻。▼一般的には『マルドゥック・スクランブル』でブレークしたワケですが、玄人筋ではむしろ本作を推す声も数多く。ちなみに僕もその意見には賛成。▼長いし言い回しも難解だし、なによりもルビが特異なんで読みにくいと思いきや、そのグルーヴ感はそういったネガティブ要素を軽くふっとばしてくれます。というか、読み飛ばしても充分面白いし、じっくり読めば更に美味しい。最高級のマンガみたい。▼本作も縦糸は少女の成長譚。そういう意味では、『マルドゥック〜』のときに書いた「続編必至」という感想は的外れかも。オトナになっちゃったらあとは勝手にどうぞって感じ？▼文字（スペル）の変幻の妙がステキです。

著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」