ツ、イ、ラ、ク

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  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048734936

作品紹介・あらすじ

森本隼子、14歳。地方の小さな町で、彼に出逢った。ただ、出逢っただけだった。雨の日の、小さな事件が起きるまでは。苦しかった。切なかった。ほんとうに、ほんとうに、愛していた-。姫野カオルコの新境地、渾身の思いを込めて恋の極みを描ききった長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 中学生の女の子も、真面目な教師も、一度恋する気持ちに足をとられてしまったら、倫理とかまったく関係なくなってしまうんだなと思いました。
    人間の欲は怖いよ。

  • なんと激しい純愛小説か!?
    全編肉欲にあふれている。こんな恋愛モノははじめてだった。しかもそれが純愛とは(笑)

    物語も登場人物もいきいきと、そしてなまなましく、ときに乱暴に描かれる。
    言葉があふれてほとばしるとはこうゆうことかと思いながら読み進めた。

    一章、二章の子供時代がちょっと読みにくかったけどその後の物語のスピードは凄かった。

    内容的にはこれはR指定ではないのか?
    表現だけじゃなく、この話は子供には解るめぇ~って感じ。
    今自分の過去を振り返っても中学時代が色鮮やかにきらきらと思い出すのはこうゆうことなんだよな、と納得のお答えをもらった気分。
    カオルコさん面白すぎです!!

  • 当時『ダ・カーポ』のレビューを読んで手に取った、初めての姫野カオルコの作品。激しい恋愛小説で度肝を抜かれた記憶。

  • 始めて読んだのがちょうど隼子と同い年。その時好きな先生がいて、こんなふうに二人だけの共通の、誰にも言えないいけない秘密を持てたらなと思っていました。ちょっと下心を持ちながら。それから時間が経って、私も14歳じゃなくなって普通に大学に入って、もう一度、読みました。もし河村先生がもう少し年上で、隼子が卒業してから好きだった先生のことを忘れてしまうような子だったら……こんな大きな愛を知ることは永久になかったのだろうと思います。表向き賛成出来るような関係ではない二人ですが、二人はそういう人達には理解されることのない幸せの中に生きていることが出来たのだと思います。

  • 激しくも、哀しい恋愛小説。
    お互いを嫌悪していた教師と生徒は、互いに惹かれあい、恋に落ちていく・・・深く、深く。

    恋愛小説であり、人間ドラマでもある。それぞれの想いが交差して、複雑に絡み合う人間関係。
    相手を想うことは、どうしてこんなにも切なく、苦しいんだろう。

  • 教師と中学生の女の子の恋愛のお話○●恋に"落ちる"ではなく"墜ちる"。官能的な描写も多いけど、これは確かに「最強の恋愛小説」!!

  • 中学生とその教師との禁断の愛。官能的な描写も多くてビックリしました。
    でも、中学生の女の子って。同級生の男子と比べてみると「大人」な考えしてますね。

  • 分厚いので身構えましたが、案外サクッと読み進められました。

    主人公は隼子なんだろうけど、他の登場人物にもそれぞれストーリーがあって、意外なところでキーマンになっていたり、逆にあっさり出て来なくなったり。

    どこか懐かしさを感じる雰囲気の恋愛小説でした。

  • 力強い文章に引っ張られるように、一気に最後まで。性愛描写も多いので、みんなにオススメって訳にいかないけど、本当は色んな人に読んでもらたい。でも現在子育て中の人は、これ読んだら心配性になっちゃうかもね。

  • 2008/1/11 読了
    426ページ

    一人の女性の、小学生2年生から中学生までと34歳の恋愛を書いた作品。
    田舎の、すぐに噂が広まるような閉鎖された感覚と、そこで育っていく同級生。
    ものすごく密度の濃い世界をがっちり表現している。
    展開も緻密で、時間の経過とともに登場人物たちがちゃんと成長し年をとってく。

    言うほど性的な描写はないのに、すごくいらやしくとても生々しい。
    でも、それは作品でなく、自分の中にある過去をさらけ出してしまうからだ。
    誰にもある苦い思い出を、強烈にえぐり出してしまう。

    読みながら、自分の中学時代がフラッシュバックされる。
    交換日記をしたり、好きな人の視界に入るコトを望んだり、お揃いを持って喜んだり。
    キスなんてしてないし、手すら繋いでないのに、あんなにドキドキでちょっと後ろめたい時間はあの頃だけだった。
    そこには初恋という言葉が持つ爽やかで甘酸っぱい雰囲気はかけらもなく、もっと本能的な恋愛が存在してた。
    自分の妄想の中で、束縛して心も体も繋がって。妄想は理性で押さえ込んで。それぐらい中学時代の恋愛は素直で残酷で、"生々しい"。

    そういう感情が余すところなく描かれていて、いつまでも新鮮に心に残る。

  • あの頃を思い出して、しんどくなる。自分のことは見えていないが、愛されようとして、愛されていると思い込む。妄想力は、今より強力で、それが若いということだと知るのは、いつだって後になってからだ。
    新しい世界を見たい好奇心と有り余るエネルギーを上手に出しきれないフラストレーションが動力となって、どこまでも危険な道を進んだ。
    丁度よい所で止まれず、飽きたことにすら気づけない。無謀だし、そこまでする必要は今思えばなかったのだが、あの頃を経たから、今があると思う。今だって振り返ればそうなのだろう。何歳になっても闇雲感は拭えない。若さとは違うパワーを得られた。170830

  • 面白かったです。始めの小学生時代の描写には参って、女子ってめんどくさい…と読むのを辞めようかと思いましたが、諦めないで良かったです。中学時代、隼子が恋愛に陥っていく様に圧倒されました。すごい熱量でした。墜落、というタイトルはぴったりです。恋愛って陥って、どっと流されていくものだな、と改めて思いました。残酷な展開でしたが、ラストシーンで救われました。良かったです。

  • 恋は落ちるものなのだー?

  • 小学時代は可愛らしかったのに、どんどんメンドくさくなってく。体育教師はだいたいヘンタイ。「ゴミ箱の中身を完全に消去します。よろしいですか?」「はい いいえ←」

  • タイトルと表紙につられてジャケ買いしてしまった本。この著者については全く予備知識がなかった。濃厚な本だった。小学生から30代半ばまでの,女性の心の内側が赤裸々に描写されたリアル感がスゴイ。中学生の頃,同級生はそんな風に考えて毎日を過ごしていたのだろうか。女性は怖いと思ってしまった。男なんかはとても太刀打ち出来るはずがない。ただ,ラストはちょっと少女マンガっぽくて,救われた感じがした。

  • 自意識の塊のような年代の少年少女たち。
    小学校から中学校時代までを丹念に描くが、あまりにも性的。男の子はともかく、女の子もこんなに性的なものなのだろうか。
    中学生となった少女が男性教諭と性的関係を結ぶのだが、そこにあるのは愛と言うよりは性愛だ。

    最後の1/4は少年少女たちの20年後の状況を描く。
    この最後を描くための長い序章であったのか。

  • 小学校2年生から始まったストーリーにこれからどうなるのか不安だったが、14歳中2になり最大の盛り上がりに達し、そして30代の収束に向かう。それにしても性描写が犯って犯って犯ってはないだろうとは思うのだが、これが著者独特の性描写なのかもしれない。何れにしても準子ちゃんの恋が成就できてよかった。余計な話を差し込み過ぎだとも感じたが、読むのを止められなく小説であり、癖になりそう。

  • 作者の姫野カオルコさんが直木賞をとって、懐かしいと思い出した作品。
    発売当時、浪人中に読んで衝撃を受けた、今の自分の趣味・趣向の一部分を形成しているといっても過言ではない。
    その独特のケレンミある比喩表現で語られる恋愛感情の生々しさに、当時そういうのに縁がなかった残念な自分は、人を好きになるってこんな大変なことなのか。。。と打ちひしがれたな。
    いま読み返したらどう感じるのか、文庫本買ってみるか。

  • 小、中からいきなり大人にとんだ?!って感じだったけど、その後が読めた感じでおもしろかった。ぜひ読んでみて!すごいから!!と言われて読んだけど、まあホントに途中壮絶だった。

  • 恐ろしい。女の業を何もかもわかっていて、全てさらけ出されている。

    小学校のクラスメートの男達の幼さ、馬鹿さ加減に本気で腹が立った。みんな死んでしまえと思う位。

    それを許してしまう隼子。

    小山内先生みたいな人、隼子みたいな子は周りにはいないけれど、どうにもならない破滅的な女っているのだろうし、それは男にしか感じられないんだろう。そしてその女にぴったりとはまる男というのが必ず存在するのだろうな。

    何となく、最後に、隼子には幸せになって欲しいと思った。別に性格も姿も私は好きじゃないと思うんだけど、私もからめとられたのかも。

    ちょっと、教訓的な言葉が書いてあったのが笑えて泣けた。
    「恋をしていたあのころがあるから、妻を心から愛しているのである。」

  • うわー面白かったー
    もっと若いときに読みたかったなと思いました; )
    落ちたらもうしょうがないなんですね、
    シンプルで不思議な隼子は、イアンの歌詞のように荷物は軽そう。でもそうじゃなくて、魅力的でした
    続編あるのか!ソワソワ

  • 忘れられなかった。どんなに忘れようとしても、ずっと。
    人には忘れられないことって、あるものです。
    もちろん私にも…。

  • 人口4万人の小さな田舎町、長命。その町の中学校で、14歳の隼子と教師の河村は出会った…。小さな町の限られた人間関係の中ではあまりにも難しい恋。未来のない恋。
    4年前に本書を読んで、それから「桃」を読んで、また本書を読み返した。そうか、こういうラストだったのか、とすっかり忘れていた。本当のラストシーンより、隼子が14歳だったあのラストシーンのほうが鮮明に頭に残っていた。なので、本当のラストを思い出したとき、あぁ、とすっきりした。しっくり、終わった感じがした。

  • 教師と生徒の禁断の愛を描いた長編恋愛小説で、予想できない話の展開でした。
    男と女の心情が激しくも切なく描かれていて、恋に「落ちる」感覚が心に残り、そしてそれぞれの年齢の男女が抱く意識や想いの違いが生々しく描かれていてとてもリアル。
    好きになるはずではなかった。
    忘れなければならなかった。
    しかし落ちてしまえばどうしようもなく、痛さすら愛しくて、苦しいほどに幸せで不幸せ…切ない。

  • なんかとにかく、びっくりした。個人的に、恋愛小説というものに対してあんまり興味がないところもあって、そんなに期待せずに読んでいたのだけど、ああ、びっくりした。まさか自分がこういうので泣けてくるとは思わなんだ。
    前半部分というか、隼子の小学生時代の話はちょっと冗長かなあと思ったのだけど、中学生時代からはもうどんどん読み進めてしまった。後々考えてみれば、小学生時代の話もそこで隼子やその他クラスメイトたちを書くためには必要だったのかもしれんなあなんて思った。
    心と身体は別物だとかいうと、そんなのは欺瞞だってひとはいうけれど、人間の欲望の前じゃ関係ない。こんなもうストレートな欲望の前じゃ、人間の恋愛のアレコレなんて通じないんだろうなあ。文字通り「墜落」していく河村と隼子の姿に、ある意味清々しささえも覚えた。端から見れば、確かに2人はよくない関係なんだけど、それがなんなんだ。潔かった。そして、やさしかった。暴力的なまでの欲望でつながりを持った2人なのに、想い合う心はあたたかくて、やさしかった。河村の、どうすればいいんだよ〜からの下りには泣きそうになった。
    こうやって2人のことには泣きそうになったのだけど、ひとつだけ難をいえば回りくどい説明だなあと思った。新撰組とか、使わなくてもいいんじゃないのかなあなんて。元ネタ知らないひとにはどう映るんだろう。

    (426P)

  • 今まで読んだ中でNo1の純愛小説。
    14歳の少女が許されない関係に堕ちてしまう。
    大人になってみれば何の問題もない「歳の差」は少女には大きすぎた。
    あれから20年・・
    それでも彼女の「愛」は本物だった。
    素敵な結末をプレゼントしてくれたのが嬉しかった。
    脇役も濃いです・・・。
    これを読む前に脇役が主役の「桃」をまず読んでもらいたいな。

  • 恋愛小説ですが、群衆描写もおもしろい!

  • 小学校パートはいまいち乗り切れなかったけど、途中からぐっと惹き付けられた。でも視点がころころ変わるのは、単純に慣れてなくて少し読むのに苦労した。

  • こんな教師になっちゃいけない(笑)。

  • エ エロすぎです

    終盤 バッサリいらないんじゃあないかなと思いつつ
    読みましたけど ラストが あれかぁ
    すっきりと読了しましたが あれでいいのか

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著者プロフィール

作家

「2016年 『純喫茶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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