薔薇に祈りを: Rose de Mai

著者 :
  • 角川書店
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048737562

作品紹介・あらすじ

裕福な生活。優しい夫、誰もがうらやむ結婚生活を送っていた沢田真依。だが、人生の後半にさしかかったとき、悲劇は訪れた。妻の真意が理解できない夫に、そして、突然現れた女の卑劣な仕打ちに、真依の心は脆くも崩れていく。軽井沢の別荘でただひとり、寄る辺を失った真依が思い出すのは、学生時代を過ごした英国コッツウォルズのホームステイ先、ミス・ドルトンの薔薇が咲き乱れる庭だった。真依は自分の生き方をもう一度見つめ直すため、彼女に密かな想いを寄せる青年とその家族の助けを得て薔薇を育て始める。傷ついた彼女の心に癒しは訪れるのか…。世の夫たちを震撼させる妻たちの切実な想いを紡ぐ物語。

感想・レビュー・書評

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  • ひたすら「良き妻」だった女性が自我、自立に目覚めるというのは、一日一冊はどこかで出版されているのではと思うほどよくある題材ではあるけれど、描き方が非常に丁寧で、話を繋げる糸である薔薇も愛情込めて書かれているため、ありがち感は強くない。
    ヒロインの人物もしっかり書かれていて、使用人家族と共に彼女を応援したい気持ちになって読んだ。
    中盤以降、思ったよりシビアな展開で(いや、話全体は甘めなのだけど、あの人がそんな目に?!というショックがあって)、驚いたけれど読後感も良かった。
    終盤、もう少し書き込んで欲しかったと思ったけれど、好みの問題なのかも。
    他の作品も読んでみたい。

  • 2012年25冊目。
    205頁。




    京橋図書館で借りる。






    ≪本文引用≫
    p.149
     「結婚生活って、相手を大切にするのと同じくらい自分を大切にしないと、しあわせではないんだよ。どちらか片方だけのしあわせや、どちらか片方の忍耐で『しあわせ』が生まれるわけではないと思うもの」

  • 素敵な話でした。

    薔薇に囲まれた一株の薔薇のような人の話。
    一輪ではなく一株ですね。
    鉢に植え替えられても美しく咲き誇っていましたが、日のあたらない場所に移動させられ、さらには嫌らしいアブラムシがついて病気になってしまった。
    枯れかけた彼女を周囲が植え替え、世話をし、そして彼女自らの力をも持ってして再び咲き始める話。
    最初の薔薇とは種類が違って見えるのはきっと接ぎ木などもされたためでしょう。
    すべてがいま(話の終わり)にある彼女を形作る要因になっているのですね。

    薔薇が好きなら読んでほしい話。
    薔薇の綺麗な今この時期に読めたことを感謝したい。

  • 裕福な生活。優しい夫、誰もがうらやむ結婚生活を送っていた沢田真依。
    だが、人生の後半にさしかかったとき、悲劇は訪れた。
    妻の真意が理解できない夫に、そして、突然現れた女の卑劣な仕打ちに、真依の心は脆くも崩れていく。
    軽井沢の別荘でただひとり、寄る辺を失った真依が思い出すのは、学生時代を過ごした英国コッツウォルズのホームステイ先、ミス・ドルトンの薔薇が咲き乱れる庭だった。
    真依は自分の生き方をもう一度見つめ直すため、彼女に密かな想いを寄せる青年とその家族の助けを得て薔薇を育て始める。
    傷ついた彼女の心に癒しは訪れるのか…。
    世の夫たちを震撼させる妻たちの切実な想いを紡ぐ物語。
    (「BOOK」データベースより)

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