山河果てるとも

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048738484

感想・レビュー・書評

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  • 左衛門は主戦派→宣教師→世界へ。小源太は血脈と祖先からの地を守るため不戦恭順→姉妹や食糧を収奪される→反乱。忠兵衛は不戦恭順→信長軍派遣→覇道→暗殺。勘六は、主戦派の後方舞台→信長暗殺の試み→土地に根差した地侍へ。と、伊賀の豊かな山河で共に親しんだ者たちの道もそれぞれ。◆織田中将信雄のプライドだけ高く、やることなすこと軽薄で肝がすわらず、主玄こと滝川雄利の生き残るためなら不義も責任転嫁も辞さず、時に主君信雄を脅しつけてでもいうことを聞かせ。◆下山甲斐は、伊賀、織田両陣営の板挟みにあうが最後は伊賀のためであることを皆に知らしめ。◆北畠具親は、自らが貴種ゆえ、北畠再興のためなら伊賀の土豪がどうなろうと知ったことかの身勝手さ。◆それぞれの信ずるところに依って、突き進み、考えを変え、絡まり合う様が熱量持って描かれ。◆和田裕弘「天正伊賀の乱」(中公新書)読みたくなる。

  • 息子の信雄を伊勢の北畠家に入れ事実上乗っ取た.信長はいよいよ自治意識が強く手強い伊賀進行に着手する.信雄の勇み足で当初は伊賀勢有利だが信長の大軍団の前にはいかに善戦しようとも蟷螂の斧.織田型に寝返るものも多く左衛門,小源太などの幼馴染も別々の道を行く.信長の出現がなければ平和な里であったものを.

  • 伊東潤の歴史小説は評判がいいので、読んでみた。

    舞台は天正伊賀動乱、伊賀の国衆ら半士半農の地侍達が織田一族の天下統一に呑みこまれ、勝ち目なき戦いをいかに戦って行ったのか。

    主人公をおかず、伊賀側の若者たちや織田信雄ら、たくさんの視線で物語を見させていく描き方が読み手をグイッとひきつける。読みにくさを感じる硬めの文章だけど、無情の悲劇な物語にマッチしていて良い。

    伊賀や伊勢方面に訪れる時、きっとこの物語の事を思い出すに違いない。近鉄電車の車窓から見える田園風景が、きっと今までと違って見えるに違いない。

  • 映像化した画面を想像しやすい小説でした。

    伊賀国の小説はあまり読んだことなかったです。
    しかも、伊賀国の登場人物は、忍者としてではなく、土着の武士として表現されています。
    わたしのような知識が浅い人には、どこまでは史実なのかわからなかったので、あとから勉強し直しました。

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著者プロフィール

1960年神奈川県横浜市生まれ。私立浅野中学、浅野高校、早稲田大学卒業。日本IBM(株)入社後、おもに外資系日本企業の事業責任者を歴任。
著書に『戦国関東血風録 北条氏照・修羅往道』(叢文社)、『悲雲山中城 戦国関東血風録外伝』(叢文社)がある。
加入団体に『八王子城とオオタカを守る会』『八王子城の謎を探る会』『ちゃんばら集団剣遊会』『三浦一族研究会』等。
趣味 中世城郭遺構めぐり 全国合戦祭り参加 ボディビル エアーギター アマチュア・ウインドサーファーとしてソウル五輪国内予選に参加(8位) 「湘南百年祭記念選手権」優勝等各種レース入賞多数
*ご意見、ご感想等の連絡は下記のメールアドレスへ
jito54@hotmail.com

「2006年 『虚けの舞 織田信雄と北条氏規』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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