庵堂三兄弟の聖職

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
3.21
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本棚登録 : 407
感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048738934

作品紹介・あらすじ

庵堂家は代々、遺体から箸や孫の手、バッグから花火まで、あらゆる製品を作り出す「遺工」を家業としてきた。長男の正太郎は父の跡を継いだが、能力の限界を感じつつある。次男の久就は都会生活で生きる実感を失いつつあり、三男の毅巳は暴走しがちな自分をやや持て余しながら長兄を手伝っている。父親の七回忌を目前に久就が帰省し、久しぶりに三兄弟が集まった。かつてなく難しい依頼も舞い込み、ますます騒がしくなった工房、それぞれの思いを抱く三兄弟の行方は?第15回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 前情報なしに読み切って、え、ホラーだったの?って思った。

    死体から身近な生活用品を作り出す職人とその兄弟の話。

    読み始めはいきなりのグロテスクな表現に戸惑ったが、そのうちに慣れ、むしろその独創性と高い表現力からグロさを超越した芸術を感じさせられた。

    著者の本を読めば読むほど、底知れなさに恐れ慄いてしまう。真藤順丈作品そのものがホラーであり、怖い物見たさでまた手に取ろうと思ってしまうのである。

  • 遺体加工を生業とする庵堂家三兄弟の話。
    なんか不思議な話だった。ホラーっていうよりダークファンタジー的?
    タケミのセリフや正太郎の独白が、慣れるまで読みづらかったかな…。

  • 代々死体加工とそれらから工芸を造る家系に生まれた三兄弟のお話 グロテスク要素はあるがホラーでもなく不快感を驚くほど感じない

  • これは脳内で映像化したらまずいやつだね。死んだ人の皮をツルンと一枚で剥ぐとか。言われても、文字で読む分には耐えれるというのが不思議というか、いやきっと脳内で勝手に想像するのを拒否してるんだろうな。最後のチェーンソーのところなんかは文字を追うのがしんどくなって端折っちゃったりしてね。
    まぁそうは言っても文学作品なのでスプラッタばかりではなくて、なんというか謎の世界観で突き進むのこの勢いがスゴイ。その先頭に立つタケちゃんに引っ張られていや良くわかんないけど何だこのキャラはなんだけどそのまま押し込まれた感じ。
    ザックリと感想を言えば、何かわからんけどスゴイ。

  • なにをもってして怖いと感じるのか。
    自分の領域を超えていたものが怖いと思うのだろう。
    三兄弟それぞれが抱える怖さ、周りの人達の異常さ。
    さらさらと、文章の表を舐めた程度ではただただグロいな、位の怖さだろう。
    本当の怖さはもっと奥、心の奥の血が出る所を掻き分けた先にある。

  • これがホラー大賞?残酷なシーンはたくさんあるけど。どうなんだろう。

  • ホラー大賞というから、怖いものかなと思ったけど違う。ホラー要素ならグロさかなー。遺体を扱う遺工師がホラーテーマなら、それ以外は兄弟の再生物語?。

  • 98:ホラー小説大賞の大賞受賞作。ホラーと言うよりはグロいのでは……と思っちゃいました。ただ、彼らの「仕事」の描写は全然グロくなくて、グロくないと感じる感性がグロいのか、とか考えたり。作風の違いと言われればそれまでですが、同じ大賞だったら「夜市」(恒川光太郎)の方が好みです。

  • 文体というか語り口が独特で、すらすらとは読めず、なかなか頭に入ってこない。
    そして(仕方ない理由があるんだけど)罵詈雑言が多く、根っこのテーマすら悪趣味とも言える。
    けれども惹き付けられ引き込まれた。最後のほうは感動的にまとめられた感がありました。

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著者プロフィール

1977年東京都生まれ。2008年『地図男』で、第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー。同年『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞、『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で第15回電撃小説大賞銀賞、『RANK』で第3回ポプラ社小説大賞特別賞をそれぞれ受賞。2018年に刊行した『宝島』で第9回山田風太郎賞、第160回直木三十五賞、第5回沖縄書店大賞を受賞。著書にはほかに『畦と銃』『墓頭』『しるしなきもの』『黄昏旅団』『夜の淵をひと廻り』『われらの世紀』などがある。


「2021年 『宝島(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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