- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048739764
作品紹介・あらすじ
神尾良子、職業・脚本家。デビュー作は映画になり話題となるも、その後は鳴かず飛ばずで、日々もがいていた。ある日、良子のもとへ大学時代の後輩・水嶋から、文章講座の講師をしてほしいと依頼がくる。それは「エンディングノート」という死ぬ前に自分の気持ちを身内に正確に伝えたいという人々が集まる講座だった。バイト感覚で軽く引き受けてしまった良子は自らの家族との不和もあって、この講座に不快な気分を催す。だが、生前満足に会話も交わさなかった父親が急逝し、しかも彼がエンディングノートを遺していたことを知り、良子は家族や自分の過去ともう一度向きあっていこうとするが…。215頁に込められた息をもつかせぬ展開。かつてない感動の波があなたの心に押し寄せる。
感想・レビュー・書評
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2013/01/30 県立図書館。
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文庫の帯にアラサーアラフォー女性の共感度No.1とかいてあったけど、どこをとっても共感するところなんてなかった。
主人公の魅力がまるでわからない……ていうか、この
主人公嫌い! -
常に心がささくれ立っていて、ギスギスした性格の良子が、なぜかこんなにモテるのはやはり美人のせいだからなのか?
過去の出来事も気分を暗くさせる。
最初から、結構、重い気持ちで読んだ。
水嶋、中井、洋介。3人とも性格も環境も違うが魅力的であることには違いない。
大らかな心で包み込んでくれるような中井とはぜひ、うまくいってほしいと願う。
エンディングノートは切なく、そして、生前の家族から残された人への大切なメッセージなのである。 -
タイトル聞いたことあるからぐらいで読んだが、良かった。人物や事件が多すぎる気もしたが、それぞれの家族の関係の綺麗事でないところがいい。
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同名のドキュメンタリー映画(まったくの別物)を観た後、
たまたま本屋さんの棚で見つけて、読んでみました。
前半は、何となく期待感がスルーされがちでしたが、
後半のはじめ、主人公の父親のエンディングノートの行から、
ぐっと、お話に入り込んでいけました。 しかし…、
エピソードは、それ程たくさんは書かれていませんが、
全体的に、何となく淡々とした感じがしたのは、
主人公が、これからも生きていく者だったからでしょうか…?
死んでいく者が主人公であった同名の映画では、
主人公にまつわる最小限のエピソードが、サクっと描かれ、
あとは観る人のお気持ちで…、といぅところが好感触でしたが…。
ボクは、比較的主人公に近い立場でしたので、
主人公に感情移入しましたが…、
読む方の世代や立場によって、感じるものは違ぅかと…。
よい作品だったと思います。満点ではないけど…。 -
泣けた。
まだ、老後について考えてはないけど、考えている人には必要なのかなと思った。
良子・水嶋・洋介 -
そこそこ面白かったけど、劇中劇のおばすてのほうが面白くて。
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ロスト・チャイルドが良かったので読んだ本。
正直言って、読んでいてかなりツライものがありました。
楽しい、面白い話だけが『良い話』では無いというのを実感。
投げ出したくなるのを我慢して最後まで読んで欲しい本です。
オバステに泣きました。 -
じぶんの今までを思い返したくなった。
泣き場だっていう自覚のないまま泣いてしまったり、
私にとっては結構大事な出会いだったな。
最初、文法の乱れが気になったけど、後半は全然大丈夫だった。
これはまた忘れた頃に読み返したいな。 -
エンディングノートとは、自分に万が一のことがあったときにさまざまな伝達事項を整理して遺しておくノートのことだ。
本作では、自分の生涯を振り返ってあとに遺された人たちへのメッセージを記す、遺言状に沿うようなものとして扱われている。
(まったく知らなかったが、エンディングノート、というのはフィクションではなく、実際に活用されているものらしい)
脚本家、フリーライターとして東京で何かに苛立ちながら必死で生きている良子は、大学時代の後輩からエンディングノートの書き方指導の講師を依頼され、はじめてエンディングノートという存在を知る。
家族との折り合いが悪く、母とは険悪な仲であり、父とは無関心なままでいる良子が、否定的だった「エンディングノート」・・・人生を振り返り、メッセージを残そうとするひとの心を受容れていく姿を描く。
合間に織り込まれる、過疎の裏浜で祖母を連れ出そうとする青年の物語が印象的だ。最後、その挿話が強い意味を持って迫ってくる。
派手さのない物語だけれど、好きだな。