- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048740197
感想・レビュー・書評
-
なんだか、とてつもなく重い話だった。
最後は、切なすぎて涙。
主人公の若宮には最初から違和感。本当に悪い人なの?
すぐに頭に血が上ってしまう人ではあるけど、根は悪い人ではない。
悪になり切れてない所にむずむずイライラして、じれったい感じ。
なぜか、何とか若宮に逃げおおしてほしいという気持ちが最初からありました。
そして、衝撃のラスト。
犯罪者の更生とは何なのか。
突き詰めると、やはり罪を憎んで人を憎まず。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デビュー作「雪冤」が横溝正史賞を受賞。
受賞後第1作目。
読ませる文章が凄く安定しており、
最初からスンナリとストーリーに馴染めます。上手いです。
今作もやはり社会派と呼べるシリアスで被害者と
加害者の関係を両面から描きつつ、作者の思いを
伝える事に成功していると思います。
が、やや事件の見せ方が強引なような気もします。
不自然...?と思わす部分が多くて途中までは
ちょっとだけ座り心地の悪い感じ...かなぁと。
ですが!!最後の最後にその真相が明らかになればこそ、
その心地悪さは納得出来るつーのは...
まんまと作者にしてヤられたの...かも。
個人的には前作よりも数段いい作品かと! -
被害者の痛みを知り加害者が更生する。加害者がどんな風に更生すれば被害者の痛みは和らぐのだろうか。被害者はものすごい葛藤の中で苦しんでいる。作品は加害者の心からの更生は可能かという流れから、結末は意外な方向に展開していく。憎しみが被害者を犯罪者に変えてしまう連鎖が悲しい。
-
こんな終わり方。悲しい
-
加害者と被害者との対話ってどうなんだろう。
加害者が心から反省しているかどうかなんて分からないし、無理な方法なのでは?と思いつつ読み進め、ほらやっぱり若宮は後悔なんてしないヤツなんだとイライラしていたら、そういう展開かー。
上手いごまかしでした。やられた。 -
罪を犯したことに傷付く者たち。しかしその罪滅ぼしは人それぞれ。元校長のキャラが少々善人化し過ぎてる気もする。
-
2017/12/15
罪の火に焼かれる。
序盤、若宮の悪意が怖すぎてなかなか読み進められなかった。
更正ってなんだろうな?殺人は動機によって罪の大きさが変わるのかな?
-
加害者の贖罪と更生、被害者の怒り苦しみ、そして赦免。
加害者側の揺れる心理描写がとても良かったです。 -
叙述トリックの社会派推理サスペンス。根底に修復的司法がある。被疑者と被害者家族が向き合う事で真摯に犯罪を受け止めようとするものだが、双方の思いが掛け違い負担が大きくなるデメリットの方が多い。新たな犯罪の引き金にもなりかねない!そうした危惧を小説として世に問いかけた作品と言えるだろう。
若宮が少年時代に殺人事件を起こし、町村校長が修復司として係わる。ここから事件が連鎖していくが、何故若宮が少年犯罪に陥ってしまったのかが抜け落ちている。犯罪者心理と被害者家族の心理描写で構成されて最後のどんでん返しで未来志向の落ちに成っている。何となく甘さを禁じ得ない!