爛れた闇の帝国

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.32
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本棚登録 : 181
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048741385

作品紹介・あらすじ

高校2年生の正矢は生きる気力を失っていた。先輩でもあり不良の崎山が、23歳も年の離れた正矢の母親と付き合い出し、入り浸るようになったのだ。学校も退学し、昼間からぶらぶらと過ごす正矢に、小学生の頃から親友同士の晃一と絵美子は心配して励ましてくる。一方、独房に監禁された男が目を覚ました。一切の記憶を失い、自分が何者であるかもわからない。どうやら自分は大東亜戦争まっただ中の東南アジアで「大罪」を犯してしまったらしい。少しずつ記憶を取り戻す男だが、定期的に現れる謎の男によって拷問が始まった…。やがて、絶望の淵にいる正矢と男は、互いの夢の中に現れるようになった。しかし、二人の過去には恐るべき謎が隠されていた!日本推理作家協会賞受賞『粘膜蜥蜴』から1年半…満を持して放つ、驚愕のエンタテインメント。

感想・レビュー・書評

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  • 陰惨な雰囲気たっぷりのホラー。まったくかけ離れたように思える二つのパートが徐々に繋がって一つの物語になるさまは、かなりミステリ的でもあります。ホラーミステリ、と言っちゃっていいかな。
    巡る因果と縁ともいえる関係には絶句。まさかそんなことが! 「拷問」の正体もなんともいえず恐ろしい発想です。タイトルの意味にもぞくりとさせられました。後味悪いラストも、なかなかのもの。

  • エッセイが気に入ったので作品の一つでも読んでみることに…。

    んー、個人的にあんまりホラー小説ってのを読んだことがないのでアレですけれども…まあ、凄いお話を思いつくものですね! ってなことですなぁ…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    それと氏の人柄というか、エッセイでの氏の印象というか…そういうのが如実に表れている作品だな、と思いました! とにかく救いがありませんし、何かこう…人間と言うものを畏怖すべきもの、信用してはいけないもの、みたいに思っているんじゃないか? と僕などは勘ぐってしまいますねぇ…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、現実にはありえんお話でして、そこがホラーなのかもしれませんけれども、個人的にはライトノベル読んでいる感覚でしたねぇ… ←え?? 社畜死ね!!

    さようなら…。

  • 高校2年生の正矢は生きる気力を失っていた。
    先輩でもあり不良の崎山が、23歳も年の離れた正矢の母親と付き合い出し、入り浸るようになったのだ。
    学校も退学し、昼間からぶらぶらと過ごす正矢に、小学生の頃から親友同士の晃一と絵美子は心配して励ましてくる。
    一方、独房に監禁された男が目を覚ました。
    一切の記憶を失い、自分が何者であるかもわからない。
    どうやら自分は大東亜戦争まっただ中の東南アジアで「大罪」を犯してしまったらしい。
    少しずつ記憶を取り戻す男だが、定期的に現れる謎の男によって拷問が始まった…。
    やがて、絶望の淵にいる正矢と男は、互いの夢の中に現れるようになった。
    しかし、二人の過去には恐るべき謎が隠されていた!
    (アマゾンより引用)

    面白くて読み進めてたのに、何、その終わり方!!
    こういうお話書く作家さんなのかな…?

  • ミステリとホラーを超越した作品。そういうオチなのかー。尚人はどうなるのだろうか…。この人の作品はいろいろ読むことでつながりが分かってくる構図。

  • 戦時中に拷問を受ける男、1980年代に不良に母親を弄ばれる少年。
    こう絡ませるか!とびっくりして面白かった。
    尚人がただただ不憫

  • ホラーの要素もあるミステリー『爛れた闇の帝国』を読了。
    『粘膜蝙蝠』で様々な賞を取った飴村行さんの2010年の作品だが、ミステリーとホラーの融合という手法のユニークさだけではなく、過去と現在のお話の交錯から始まる花h氏かと思いきやいやいや実はすべて現代の話であったといった様々な仕掛けが物語の中に仕掛けてあって、ホラーの部分が好みが分かれるだろうが楽しめる作品だった。

  • うっっ...救えないし、結構ダメージ食らうヤツでした。
    他の方のレビューだと飴村作品という事で、今作だと
    グロさが足りない...的なレビュー多いですが、どんだけ
    飴村作品に慣れてしまってんだwと。
    この作品も結構クルと思うんですけど...ね。

    太平洋戦争時代と1989年頃を舞台に交互に
    展開されるストーリー。片方は軍に対しての
    失態を行ったとの事で、拷問を受ける兵士。
    一方、不遇な環境で半分生き地獄のような
    毎日を送る、ごく一般的な高校生。
    終盤に一気にこの2つが交差していくと
    思いがけない結末へと疾走するのは、流石というか
    素晴らしい...と思います。ただし、どうしようもない
    バッドエンドにただただ向かっていく。
    もう、誰かやめてあげてっ!って思う程悲惨です。

    一番まともな登場人物の「カミソリの水さん」の
    扱いがまた...最高に切ないw。悪意あるよねw。

  •  ホラー小説です。
     読みやすく、展開もそこそこテンポよく、仕掛もよく考えられ、オチもちゃんとしてる。
     面白いか面白くないかと問われれば、間違いなく面白い。
     ても、この著者の『粘膜蜥蜴』(角川ホラー文庫)という作品がインパクトありすぎて、どうしても物足りなく感じてしまう。
     というわけで、『粘膜蜥蜴』、オススメです。

  • 倫理観(のような物)や道徳観(のような物)なんかの裏をかかれる展開がなぜか気持ちよくなってくる。

    人を選ぶが飴村行の独自の世界観を今回も堪能。

  • 目覚めると記憶を喪失しており、狭い部屋で将校に虐待される。一方でもやもやを抱える思春期の少年。心も体もただれている。異様な世界を目を背けさせずに読ませる力がすごい。

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著者プロフィール

飴村行 1969年、福島県生まれ。東京歯科大学中退。2008年『粘膜人間』で第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞。デビュー第2作『粘膜蜥蜴』で第63回日本推理作家協会賞を受賞。特異な作品世界で注目を集める。著書に『粘膜兄弟』『粘膜戦士』『路地裏のヒミコ』『粘膜黙示録』『ジムグリ』など。

「2018年 『粘膜探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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