モルフェウスの領域

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048741538

感想・レビュー・書評

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  • 静謐な室内で、水がたまにコポコポいっている雰囲気。その薄暗さは嫌いじゃない。

    主人公の涼子は、どこか悲壮な決意を胸に秘めている。死神さんとの感情があるようなないようなやりとりがスリリングで想像の余地がある。
    続編が7月にでるそうなので楽しみに待つ事にする。
    ステルスや死神、少年など面白そうなキャラが今回も出てきていた。

    勝手に思い詰めたとも言えるけれど、涼子と少年が逢った時に双方にもっと強く感じるものがあればよかったのにと思ってしまう。涼子の一方通行の様で、勝手に思っただけのようでせつない。

  • ナイチンゲールにでてきたアツシももう中学生(コールドスリープされてなかったら)の年になったんだと感じてしまった。
    同じくナイチンゲールに出ていた翔子も出ていて、言葉遣いは昔と変わっていないんだと感じた。相変わらず、佐藤先生は昔同様だじゃれを言っていた。
    コールドスリープという聴きなれない言葉が出てきたが、果たして実現する日が来るのかどうかなと思う。

  • 時の流れを感じさせるお話でした。
    あのアツシくんがここにも登場してくるなんてね。瑞人くんの話のサブ的な存在だった彼が今度は主役級だものね。


    ハイパーマンランドなるものまでもでてきて、笑っちゃう。架空の設定なのにここまで引っ張るとは…

    涼子の献身さに脱帽。最後にあんなからくりが用意されているとはね。
    続編、是非読んでみたいものです。


    ゴールドスリープが現実になる日がくるのだろうか。

  • チョッと難しい部分もあったが、興味深く読み進められた。
    涼子さんの聡明さは羨ましいものがある。登場人物は官僚以外は本当に良い人ばかりで読後が心地よい。

  • 特殊疾病に対して治療法が2年以内に確立されるという
    情報がある場合、疾病の進行を遅らせることを目的に
    自ら人工冬眠(通称コールドスリープ)を
    することができる法案が可決され
    世界初のコールドスリープが実施されることになった。



    佐々木アツシ君は5歳の時、網膜芽腫を発症し右目摘出手術を
    受けたが4年後左目に再発する。
    このままでは全盲になってしまう為
    網膜芽腫の特効薬承認を待つため彼は眠りについた。



    しかしこの画期的なシステムは厚生労働省が保身の為と
    維持にかかる莫大な費用を惜しむため、適用者を増やさず
    マスコミをコントロールし対象者を彼だけにしてしまった
    次の適用者がいないとなると人々の関心は一気に薄れ


    アツシ君は眠りの世界でも現実の社会でも
    ひとりぼっちとなってしまった。



    そんなアツシ君を救うべく守護神となるのが
    アツシ君が眠っているセンターに勤める日比野涼子
    彼女は彼のシステムチェック、生命維持を任されている。



    前半はスローなテンポで眠りから覚めた時の
    アツシ君が置かれるであろう状況を推測し彼を
    守る為に涼子が試行錯誤する様子が描かれていますが
    現実味が乏しいのが残念。



    アツシ君が目覚めてからの方が現実味を帯びて
    おもしろくなってきます。


    目覚めた彼を待ち受けていた現実は
    ちょっと衝撃的でした。そして
    5年もの間、住み込みで彼を見守り続けた涼子が
    とった行動も驚きでした。


    涼子のアツシ君に対しての献身さが切ないけど
    どうしてそこまで献身的になれるのかが
    あまり伝わってこず、もう少し掘り下げて欲しかった





    人工冬眠は未来の医療かと思いつつ期待して
    読みましたが、今までの海堂さんの作品と比べると
    物足りなさを感じます


    コールドスリープした人の人権問題にスポットを
    当てているのですが作中のやり取りが中途半端で
    持って回ったような文章に
    読んでいる間中ふわふわした感覚で居心地が悪かったです

  • コールドスリープ。
    続編があるかも。

  • 将来、こんなことが出来るようになるのかな・・・。

  • かつて、網膜芽腫により片目を摘出した少年佐々木アツシは再発し、世界初のコールドスリーパーとなる。凍眠後の世界でドラッグラグが解消されていることに賭けて――。
    アツシ君の「~であります」という喋り方好きだったのだけど、ちょっと残念。でも『医学のたまご』の際の違和感を解消できたかな?
    この人の本は医療が基本になっており、テーマが重たい筈なのに読後感が軽く、スッと忘れてしまう。良くも悪くもいずれのキャラクターも魅力的で、「その人のその後が知りたい」とまた読んでしまうのであるが、理性的なところはともかく、感情表現が今一つ乏しい気がする。

  • 『ナイチンゲールの沈黙』のあのアツシくんが、こんなことになってたなんて!懐かしのキャラクター達に会えて楽しかった。涼子が出会ったあの人は世良先生?オチがなんか納得いかないかもなー。2012/264

  • コールドスリープ法が成立して、レチノを患った少年が冬眠する話。

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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