不安の世紀から

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048834469

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  • バブル経済破綻後の先行きの見えない日本を、先見的に問い直した対談集。NHK教育で放映された対談の活字化にあわせて、番組では説明しきれなかったところまで、言を足して内容を煮詰めた本。
    オウム真理教に代表される原理主義的なカルトの問題。旧ユーゴスラヴィアで起こったボスニア紛争をきっかけとする、民族紛争。それを伝える側のマスメディアの病理など。世界中の事件を通して見えてくる「日本人」のなかの漠たる不安、そしてそれを解消しようとして、極端へと走る短絡などを強く憂えている。
    淡路町駅でサリン事件に遭遇した辺見が見た、ビジネスマンの異様さと、平然と倒れる人たちを物珍しげに撮影しているメディア記者の異様。日常にあるそうした異様な光景が、世界中の漠たる不安と関連していることを、20世紀末に早くも警鐘を鳴らしていた対談集。

  •  プロテアニズム・・プロテアン的自己(変幻自在)・絶対的価値の喪失
    冷戦構造の崩壊・歴史的思想実験共産主義の敗北・集合的無意識・メディアの贖罪。

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著者プロフィール

小説家、ジャーナリスト、詩人。元共同通信記者。宮城県石巻市出身。宮城県石巻高等学校を卒業後、早稲田大学第二文学部社会専修へ進学。同学を卒業後、共同通信社に入社し、北京、ハノイなどで特派員を務めた。北京特派員として派遣されていた1979年には『近代化を進める中国に関する報道』で新聞協会賞を受賞。1991年、外信部次長を務めながら書き上げた『自動起床装置』を発表し第105回芥川賞を受賞。

「2022年 『女声合唱とピアノのための 風』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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