- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048913959
作品紹介・あらすじ
ディズニー「美女と野獣」「ライオン・キング」や「ベオウルフ」「レスラー」他多数の脚本開発に携わった一流クリエイターが伝授!ジョーゼフ・キャンベルの神話理論を応用した、物語創作者必読書。
感想・レビュー・書評
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【内容】
一本筋の通った物語をつくるために。
構成、人物、環境を考えましょう。
入門から実践まで手を引いてくれます。口語的で且つ章の纏まりが緩めであるにもかかわらず、400頁ほども分量がある点に注意。
【類別】
脚本/構成/作劇。人物造形/ストックキャラクター。舞台環境設定。
主に大衆性娯楽作品の制作を念頭に置いたものです。
【着目】
具体例は豊富ですが欧米の作品ばかりですからその点ご留意ください。『キューティ・ブロンド』『マディソン郡の橋』『スター・ウォーズ』『マクベス』他多数。
夥しい量の知識に裏打ちされた帰納って感じの手法というか構造というか雛形的なやつをあれこれたくさん出してくれます。キャンベル、プロップ、テオプラストスを主な参考としているようです。
物語られながらほへーってなるタイプの書籍ですので私感としてお薦めします。でも血肉にするには実践あるのみと釘が刺されます。てなわけでしましょう。
なお、文章がこなれていない印象を受けましたけれども、訳者か著者かそれ以外か、原因がどこにあるのかは判断できません。
【備考】
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2021/2/19
シーンは取引。取引が終われば次のシーンへ。これは参考になった。
アリストテレスは物語が始め、中、終わりの3要素から構成され、始めとはそれ以前に何も必要のないもの、終わりとはそれ以後には何もないものと規定したが、物語全体のみならず各シーンについても同様のことが言えるだろう。
また本書で解説されているような法則に従って物語ることで、自分の内側にあって不確かだったものが掘り起こされて整理される、という訳者さんの後書きも大変参考に。読むことも同じだと思う。脚本術(文法)や文学理論もなくても映画や文学を味わうことはできるが、それなくして損なわれる「読み」というのも存在するはず。言い換えれば、文法や理論は自分の中の不確かなものを掘り出すツールであるということ。 -
本書は映画のストーリー分析のためのツールをとおして、よい脚本、ストーリーを書くための観点を紹介する内容である。作者は、映画の脚本分析で「英雄の旅」理論を適用して有名になった、クリストファー・ボグラーと、その旧知の仲の演出家、デイビッド・マッケナ。ボグラーは、「神話の法則」という前著が、物語作家の必読書といわれているが、残念ながら絶版になっている。
その「神話の法則」の元になった英文7ページのメモ「覚え書」が掲載されているだけでも、購入の価値がある。
もちろん他の部分も、実用的だし新しい視点が多い。また、実際にプロの物書きになるための心構え、習慣化するべきことなど、大切なことを教えてくれる。 -
2つの軸から、storyの建て方とキャラクターの開き方と。
・ハリウッドはのるかそるかの業界で、めったに何かを教える時間など割いてはくれないが、私は自分のキャリアの初期、オライオン・ピクチャーズのリーディング担当者をやっていたころに、有益な教えを受けた経験がある。
あるストーリー編集者がリーディング担当者ミーティングの席上で、あなたたちは誰ひとりとしてシーンというものの意味がわかっていない、と告げたのだ。
私は驚いた。わかっていたつもりだった。
シーンとは、映画の短い断片で、ある場所で一定の時間に起きたある動き、そこに与えられた情報を描いているものだと思っていた。
しかしその編集者は言った。ちがいます。
彼女は、シーンというのは、“ビジネス取引”の場なんだと説明した。金は絡んでいないかもしれないが、キャラクターのあいだでの政治的便宜、もしくは権力のバランスの変化がつねに絡むものなのだと。二人かそれ以上の人物が、そこにある一種の取引の処理に介入し、交渉なり闘いなりを繰り広げる。新しい契約が結ばれた時点で、そのシーンは終わらなければならない。
>>/> 変化の取引が意識されていないシーンは、無意味なのか。観客的視点ではシーンの意味など見えない。強烈なプロフェッショナリズム。
・この研究の過程で、キャンベルは、世界の英雄伝説が基本的にすべて同じだということに気がついた―無限のバリエーションのなかで、同じ物語が何度も繰り返されているのだということに。
意識的か否かはともかく、すべての物語構成は神話の古くからのパターンに従っており、粗野なジョークから至高の文学作品まで、すべての物語は英雄伝説に置き換えて理解できる。
これが、キャンベルがこの本に示した、“貴種流離譚(モノミス)”の原理である。
①日常世界→②冒険への誘い→③冒険の拒否→④賢者との出会い(冒険世界の先達からの指導)→⑤戸口の通過→⑥試練、仲間、敵→⑦最も危険な場所への接近→⑧最大の試練→⑨報酬→⑩帰路(冒険世界との別れ)→⑪復活(故郷の入口での再びの試練)→⑫宝を持っての帰還
>>/> 貴種流離譚に大きな原型があると語ったのでは
“無く”て、すべての物語がそれだと言ったのか!そうか、それはすごい。「千の顔を持つ英雄」を読まないと。
・ホッジ教授は、僕に自作の台本をさんざん読み返させ、そこにある秘密を掘り出させようとした。いくつかの
“環境的事実”について、まとめ文を書かせるのだ。
“環境的事実”とは、日付、場所、社会的環境(ex一般的価値観)、政治的環境(ex権力構造)、宗教的環境(ex信念)、経済的環境のことである。ひとつにまとめた全体像ではなく、書く環境的事実について個々の短文を書く。
…ホッジは僕に確約した。もし僕が、自分の書いた“環境的事実”のまとめや、“求めるもの”“相互アクション”“両極対立”の調査から手がかりを見つけだし、正しく解釈できれば、ライターが最初にイメージしていた特別な三次元の世界に入ることができ、その世界を理解できるはずだと。
二次元の脚本をそのままの形で、魅惑的な生き生きとしたパフォーマンスに変えることができるはずだ、と。
>>/> 二次元の脚本の前に三次元のイメージがあるのですよね。ああ、本当にそうだ。 -
これはすごい、、ストーリーテリングの際の文章の組み立てを学ぶために。
ヒーローズジャーニーが強すぎる。。 -
面白いストーリーはどのように作られるのか?
を解説してくれる良書
物語を作りたい人は勿論のこと
アニメ、映画、マンガなどのストーリーを高いクオリティで味わいたい人にもオススメしたい
特に、ヒーロージャーニーというフレームワークは必見 -
ジョゼフ・キャンベルの「英雄の旅」に関心があって、その関連で読んでみた。
といっても、これは映画のシナリオを書くためのガイド本で、「英雄の旅」はいろいろあるツールの一つ。
シナリオ・ライターになるつもりは全くないのだが、物語を効果的に使うという意味では、参考になるテクニックがたくさんあった。
あと、映画をみるときに、これを知っているといろいろ楽しみが増えそう。