無明の華 (B-PRINCE文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 35
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048925167

作品紹介・あらすじ

刑を終え出所した狭山は、刑事の木崎と再会し、
自身が愛した男・高島の死の真相に迫ることになるが――。

ドブの中で生まれ育った狭山が転がり落ちた先は、極道の世界。
敵対組織に敬愛する組長・高島を殺され復讐に走った狭山は、殺人を犯し服役する。
十五年の刑期を終えた狭山を待っていたのは、
現若頭の飯塚に半監禁状態でセックスを強要される日々だった。
そんなある日、かつて世話になった刑事の木崎と再会する。
高島の死を裏で仕組んだのは誰だったのか。
そこには、刑事の木崎と組長の高島だけが知る、秘密が隠されていて――。

感想・レビュー・書評

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  • 刑事×ヤクザ
    親父を殺した敵対組織の人間を報復に殺して服役していた狭山が出所。親にも周囲の大人にも恵まれず子供の頃から身体を売って生きてきた狭山をヤクザの高島に預けたのは警察官の木崎だった。
    ただ堕ち続けていく狭山をなんとかしたくて高島に預けた。ようやく家族を得た狭山が落ち着いた頃、高島は殺された。
    そして35になって出所した狭山は結局行き場もなく組に戻り、飯塚と言う兄弟分に身体を貪られ続ける毎日を送っていて…

    ぶっきらぼうだけど、結局情に厚い警察官の木崎が狭山を見捨てられない話です。
    そして身体で生きてきた狭山はゴリゴリの誘い受。
    木崎も突っぱねるけど、おっさんながらも艶のある狭山に陥落って感じかな。
    今や組のお荷物でしかなくて、親父に心酔してて、全ての真相を知るために狭山は組を抜けずに踏ん張って。木崎もどうしてやることも出来なくて、コトが起こり…

    周囲に裏切られ続けた狭山には幸せになって欲しいです。ずっとラーメンにお湯を注いで…

  • 著者の言う通りのおっさん同士の恋愛もの。だが、ほぼ甘いところなし。
    こういうのもあっていいのかもねー。BLとして。

  • マル暴刑事・木崎(47)×元殺人犯のヤクザ・狭山(35)。狭山の過去、亡き組長・高島の存在、暗く淀んだ世界にいる男たち… 面白かった、面白かったんですが、これはもうちょっと、せめて上下巻位でじっくり読みたい内容。好きな世界観だからこそもっとちょうだい!と思ってしまう。特に高島組長の人生が気になるわ… 20年かけ無償の愛に気づいた狭山がこれから光の中で幸せになってほしいです。

  • 極道としてはなまぬるい部分と痛い部分とがあり、狭山に翻弄された飯塚はちょっとかわいそう。

  • マル暴刑事×元殺人犯の893。47歳と35歳の色恋話なので枯れているかと思ったら、すごいエロエロでした…
    タイトルに華とあるけどそれは見当たらず、一貫して仄暗くバイオレンスな893ものでした。

    ストーリーは裏表紙にあるあらすじそのもので、その先には井上センセらしくハードボイルドな真実が隠されています。
    狭山の生い立ちがとても痛かったです。そんな彼に同情とも愛情ともつかぬ気持ちを抱く木崎。木崎の男臭さ漂う不器用な愛情が何とも言えずいいのです。
    帯にも「誰よりも俺を愛してください」ってあるように、狭山は愛に飢えてる薄幸美人です。かわいそうなんだけど、好きな男の気を引くためにモブに抱かれたり、命を投げ出そうとしたり、ちょっと何考えてるのか心配になってしまう脆さもあわせ持つ35歳ww
    木崎も飯塚も、狭山の持つ危うさにほっとけないものを感じたんでしょうね…木崎は狭山と幸せになれそうだし、飯塚も狭山に対し愛憎表裏一体であったものの、最悪な事態には至らず安堵。

    エロ的には濃厚だったのですが特化しすぎて、ストーリー的には抗争シーンや組長暗殺に関するシーンが説明のみになっていたのが893ものとしての迫力不足で残念でした。大切な人が殺された時の狭山の喪失感や復讐心をダイレクトに感じられたら、もっと胸を打たれるものがあったんじゃないかと。高島をずっと恋慕してきた理由に、切な系の胸キュンエピソードとか欲しかったです。
    あと、飯塚との複雑な関係性も気になりました。飯塚みたいな、歪んだ愛情って実は萌えます。なので、こっちももう少し妄想ネタを補給してもらいたかったような…w
    なにしろこういうハードな893ものが好きだし、設定も好みだったので色々言っちゃいました…!

    木崎は人生経験がある分、狭山の孤独を理解して包み込んでくれそうで良かったです。安心できるラスト。

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