- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048970815
作品紹介・あらすじ
2006年7月~2007年3月、WEBメディア「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載された人気連載・細野晴臣の「夢、それはドリーム 細野夢日記」がついに書籍化決定。
まるで「細野晴臣の脳内」を旅しているような気分にさせられる当時掲載された「ジャイロスコープ」「スノーボール」「バスタブの怪」「ピラミッド」「ユーモレスク」「聖者の行進」「超次元セグウェイ」「半島の兄弟」「無理解」……などの37篇の夢。
この中から10篇の夢を元に、芥川賞作家・朝吹真理子、作家・俳優等でマルチな才能を持つリリー・フランキー、そしてYMOマニアであるナイツの塙宣之の3著者が短編小説化。
細野晴臣×3つの才能がコラボした異色の短編小説集。
また、当時「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載されていた「細野晴臣 夢日記」全37話も収録。「細野晴臣の夢」を元に各才能がどんな「新しい夢」を紡いでいくのか楽しみにしてほしい。
感想・レビュー・書評
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単なる夢日記ではつまらない、ということで一ひねりした企画もの。
細野晴臣が見た夢37編と、その中から10編を基に朝吹真理子、リリー・フランキー、塙宜之の3名が短編を創作している。
遊び心を楽しむ本なのでしょうが、土台が夢なので支離滅裂でエログロも混ざって気色悪い面もある。
物理学者のファインマンさんも、確か見た夢を記録していた時期があったはず。
皆同じことを考え、実行しているのですね。
私も目が覚めた時に見ていた夢をどこまで思い出せるか挑戦することがある。
同じような設定の夢をよく見ていると感じる。
以前の夢と同じ場所で同じように困った状況に追い込まれたりする。
たいてい予期せぬことが起こり、何とかせねばともがいていることが多い。
楽しい夢はほぼ無いが、いい夢もたまにある。
私は夢でよく走るのだが、先日ついに市民マラソンで優勝した。
記録は2時間23分と微妙だが、現実では絶対にあり得ないまさに夢のようなタイムだ。
確かに一番でゴールしたのだが、気が付くと誰もいないし他のランナーも帰ってこない。
ここで目覚めたのだが、長年夢で走り続けた成果が出たのだから良しとしよう。
細野晴臣さんの見る夢はバラエティーに富んでいる。
自分の見る夢はほぼパターンが決まっていて、マンネリ化している。
実際の生活も変化に乏しいから経験値が低く、さらに想像力の貧弱さが夢にも現れているのだろう。
皆どんな夢を見ているのでしょう。
イヌやネコも夢を見るらしいが、魚や昆虫も夢を見ているのでしょうか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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本日(3月18日)発売!「細野晴臣 夢十夜」帯コメントは、細野晴臣の才能を絶賛するオダギリジョーが担当!|株式会社KADOKAWAのプレスリ...本日(3月18日)発売!「細野晴臣 夢十夜」帯コメントは、細野晴臣の才能を絶賛するオダギリジョーが担当!|株式会社KADOKAWAのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000010256.000007006.html2022/03/18
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人の夢の話っておもしろい。で、この本を読んでその夜自分もかなりおもしろい夢を観たのだけれど、案の定忘れてしまった。亡くなった父が出てきたことだけ記憶。よくある。夢の中だけに出てくる。当たり前だ、実際に出てきたらこわいというより驚きだ。
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『男は、家族のギリシャ赴任中にうまれたとかで、アテネと読むことができる雅典という、うるわしげな名前があったけれど、ともみの女友達からは、セグウェイと呼ばれていた。 ともみも過去を振り返るたび、セグウェイとつきあっていたころは云々、と男をあだ名で呼んでいたために、雅典に会っても、セグウェイと心で思っていた』-『「セグウェイはかわいい男」朝吹真理子』
細野晴臣の夢日記は、夏目漱石の「夢十夜」の「こんな夢を見た」に倣って、どれも「夢を見た……」と始まるナンセンスな夢のお話。夢なのでとりとめもなく、起承転結もない(本人曰く脚色は一切なし)。漱石の夢十夜はもちろん斬新な小説ではあるけれど、極端に言えばどれも真面目腐った線香臭い話ばかりであるのとは対称的に、不真面目で何だか得体の知れないアートのような味わいがある。まあ、それを読むだけでいいのなら「ほぼ日」のアーカイブを見ればいいのだし、それならイラストはカラーで見応えもあるし(一部フラッシュのアニメーションに関しては、書籍では二次元コードで動画に飛ぶという親切なアフターケアがある)。なので、これは単純に朝吹真理子がどんな話を書いているのかに興味があって手にした本ということになる。
細野晴臣の元の夢日記に啓発されて、朝吹真理子、リリー・フランキー、ナイツ塙亘之が三話ずつ(ただし朝吹真理子の三話目は二つの夢物語を下敷きにしているので二夜分と勘定)書き下ろし、合計九話(十夜)を加えたもの。「夢十夜」とはあるけれど、元の夢日記は三十七夜の物語(ほぼ日上では幻の第三十八話「ハーレム・ミュージシャン」のイラストもあり)。本の構成では夢日記が後になっているけれど、先ずはこちらを読んでから、各々どの話を選択しどう発展させたのかを愉しむ方がよいような気がする。
三人とも元の話を題材に膨らませているけれど、リリー・フランキーが星新一風のショートショートを三つ揃えているのに対して、ナイツ塙は自伝的な二つの話とナイツの漫才を模したネタ、そして朝吹真理子は少しずつ趣の異なる三つの短篇を書き下ろしている。その内、三夜・四夜に相当する話が最も作家の素の個性が出ているようで面白い。どこか「抽斗のなかの海」の一文を読んでいるような気になる。一方で、細野晴臣の夢との親和性が一番高いのはリリー・フランキーのショートショートかも知れない。少しエロティックで少しグロテスク。一応、オチも付いていて完結した感じが高い。それに何となく漱石の第五夜(捕らわれの身の侍が懸想する女の話)、第六夜(木彫の話)、第七夜(西国へ向かう船の話)とも響き合う話に仕立てられている様な……。ナイツ塙の自伝的エッセイ風の二作は「それで思い出したんだけどさあ」というような展開の二作品で、真面目なのかふざけている判然としない味わい。最後のネタは、もうナイツの声で読んでしまうね。
ほぼ日のサイトには「夢を見るにも、才能というものがあるみたいです」と紹介されているけれど、夢をほとんど見ない、あるいは覚えていない自分には正に羨ましい限りの才能。細野晴臣という天才の内側をほんの少し垣間見たような気分になれる本。 -
ナイツ塙さん目当てで読んだが、リリーさんも良かった。細野さんの夢を題材にしてるらしい。
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ナイツ塙さんの話がすごくいい。細野さんの夢からあんな素敵な漫才に仕立てるなんて。免許皆伝の逸話も泣かせる。