やがて君になる 佐伯沙弥香について(2) (電撃文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049125184

作品紹介・あらすじ

もう人を好きになるなんてやめてしまおう。中学時代に経験した手痛い失恋から、そう心に決めていた沙弥香。しかし高校の入学式で初めて七海燈子の姿を見たその瞬間から、どうしようもなく燈子に惹かれていく。
 同じクラスになり、一緒に生徒会にも所属し、やがて親友と呼べる仲にもなった。隣を歩み続ける中で、燈子の強さも弱さも知った。燈子のすべてを見て、一層好きになっていく。
 でも、だからこそ。沙弥香はどうしても「好き」を伝えられない。待ちすぎて、恐れすぎて、一歩踏み出すことができなかった沙弥香の迷い、後悔、喪失――。

 人を好きになるということを知ったのは、『彼女』と出会ってからだった。

感想・レビュー・書評

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  • 購入したのを読み。
    最近読書の時間がなかなか取れないのであるが、一気に読んだ。

    燈子と沙弥香の高校生活を沙弥香の視点から描いた内容。
    ずっと一緒にいたいから、平行線の場所にいる、踏み込まない、という沙弥香の独白が何とも辛いのである。

  • 漫画の舞台である高校生時代の沙弥香についての物語。一巻よりもモノローグや地の文が多く、より沙弥香の心情に迫れました。個人的には一巻よりも筆が乗っている気がしました。

  • 本編の展開を考えると残酷的だが、それ程に燈子を想い続ける沙弥香の心情が入間先生によって深く描かれている。仲谷先生が贅沢な本だと評するように、サイドストーリーの枠を飛び越えて別の一作品として成り立つのでないかという程に沙弥香の一人称描写が際立っているが、さらに巻末には本編のその後が語られるという第三巻の予告が。入間先生、恐るべしである。

  • 本編7巻の読了後にお読みになることをお勧めします。まず序章の表題「恋と、小糸」に撃ち抜かれました。本編では描かれない高校1年生の期間の物語がメイン。沙弥香の想いが痛いほど伝わってきて胸が苦しくなる。3巻では大学生編のよう。待ち遠しいですね。

  • 漫画版のダイジェストにあわせた、佐伯沙耶香視点の心情。漫画版ではほぼ語られなかった、小糸悠が入学してくる前の佐伯沙耶香、七海燈子の一年間。そして、漫画版の少し先まで描かれる。「私だ。私なんだ。私が選んで、私が望んで、今の私がいる。」(p.179) 平行線として、どこまでも付き添う。(略)そうして側にいれば、いつか。いつか、燈子が変わった時を感じて、動ける。(p.181)

  • やがて君になる 本編の前日譚。佐伯沙弥香の高校1年生時代を中心に彼女の高校生活が描かれる。燈子に一目惚れした沙弥香が、燈子に心惹かれていく。燈子をいつも見つめているが故に彼女が隠す弱さを見抜いた沙弥香。一方で燈子との関係を崩すことを恐れた沙弥香は、一線を超えることができなかった。

    燈子の姉のことを知ってしまったと沙弥香が告白しようとした時、燈子が先んじて沙弥香の告白を妨害したシーンが印象的だった。燈子は全部わかった上で封じていると僕は思っているので、七海先輩本当に怖い女だなぁとなった。

    本編で語られなかった沙弥香を少し掘っただけなので、1巻に比べて満足度は低い。読んでいて本編のシーンがすぐに思い出されたので、描写力は素晴らしいと思った。ただ「佐伯沙弥香について」は三巻セットで語られなければならない。

  • 佐伯沙弥香......佐伯沙弥香!!!!!!!!!!!!!!!!!
    佐伯沙弥香でした.佐伯沙弥香です.3巻も出るのか......良いな......期待しかないぞ......

  • 後悔がある人は、思い出や妄想で日々をのりこえてるんじゃないかと、思う。

  • これはまだ佐伯沙弥香が七海橙子のとなりを歩いていられた高校1年生のころのお話。

    終始、穏やかに話が語られていくなかで、所々、終わり時を滲ませる選択があり、なんとも言えない悲しさがあります。「沙弥香、だめだよ」の瞬間は、ずしりと心臓にくるものがありました。

    読了後は必ず原作を読み返したくなるはず。

  • 入間人間氏の「やがて君になる 佐伯沙弥香について」の第2巻。仲谷鳰氏の「やがて君になる」のスピンオフ小説です。前巻では、佐伯沙弥香の小学生/中学生時代が描かれ、沙弥香の事を深く知れる素晴らしい内容でした。本巻はついに高校の生徒会のお話がメインです。燈子や侑の視点で話が進む原作のエピソードを、沙弥香視点で再構築し、「やが君」の世界に、もの凄い奥行きを持たせています。この小説を読む前と読んだ後では世界がまるで違います。沙弥香の大学生編の予定もあるようなので、すごく楽しみです。幸せになってほしい。

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著者プロフィール

電撃文庫『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』『電波女と青春男』シリーズなどを執筆

「2023年 『安達としまむら(5)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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