絵本 彼岸花はきつねのかんざし

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  • 学研プラス
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  • Amazon.co.jp ・本 (55ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784052042843

作品紹介・あらすじ

広島に原爆が落ちる少し前のこと。「あたしにばかされたい?」という子ぎつねと出会った戦争は、原爆は、一瞬にして命といとおしいものをうばう。遠い戦争の痛みはわからなくなっても、その悲しさなら気持ちを重ねられるかもしれない。

感想・レビュー・書評

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  • >広島に原爆が落ちる少し前のこと。
    「あたしにばかされたい?」という子ぎつねと出会った。
    戦争は、原爆は、一瞬にして命といとおしいものをうばう。遠い戦争の痛みはわからなくなっても、その悲しさなら気持ちを重ねられるかもしれない。

    2009年に出版された物語『彼岸花はきつねのかんざし』の絵本版とのこと。
    物語版は未読なので分かりませんが、表紙だけのイメージではこちらの絵の方がかわいらしい感じになっているように感じました。

    子ぎつねと也子が少しずつ親しくなっていく過程がとても好きでした。
    だからこそ、原爆で一瞬にして日常は断ち切られてしまうのが辛かった・・・

    >戦争が引き起こすさまざまな悲劇は、決して他人ごとではないことにも思いいたってもらえるかもしれません。

    あとがきの朽木祥さんのこの文章がとても印象に残りました。

    私にできるのはこの絵本を娘達に手に取ってもらい戦争や原爆の悲劇について知り、感じてもらうこと。
    物語版も機会を見つけて読んでみたいです。

  • 小狐と少女の可愛らしいやりとり。突然の原爆。戦争は何もかも根こそぎ奪っていく。

  • 娘と一緒に読むために、可愛らしい挿絵につられて借りてきた一冊。のんびりとした穏やかな暮らしの中に見え隠れする《戦争の影》を嫌悪する娘を見て、何度も「まだ読むのは早かったか」と後悔したのだが、最後まで読めて本当に良かった。2人で泣きながら読了。
    毎晩、毎晩、「どうして戦争なんかするの?」と問う娘とじっくり向き合った一週間。来年、再来年だったら、もっと理解できていただろうし、もっと考えを深め、もっと知りたいと思ったかもしれないけれど、3年生なりに、しっかり受け止められただろうと思う。
    「どうして戦争なんかするの?」という、ストレートな質問が、自然に湧き出てくる今こそ読めて良かったのかもしれない。また、いつか一緒に読もうね。
    初めて、ピカドンという言葉に出会った一冊でもありました。

  • 狐の剃刀
    きつねばな

  • おきつねさまに化かされるのが日常。
    ほのぼのしたきつねと少女の交流を断ち切ったピカ。
    一層悲しい気持ちになりました。

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著者プロフィール

広島出身。被爆2世。
デビュー作『かはたれ』(福音館書店)で児童文芸新人賞、日本児童文学者協会新人賞、産経児童出版文化賞受賞。その後『彼岸花はきつねのかんざし』(学習研究社)で日本児童文芸家協会賞受賞。『風の靴』(講談社)で産経児童出版文化賞大賞受賞。『光のうつしえ』(講談社)で小学館児童出版文化賞、福田清人賞受賞。『あひるの手紙』(佼成出版社)で日本児童文学者協会賞受賞。ほかの著書に『引き出しの中の家』(ポプラ社)、『月白青船山』(岩波書店)、『八月の光 失われた声に耳をすませて』(小学館)などがある。
近年では、『光のうつしえ』が英訳刊行され、アメリカでベストブックス2021に選定されるなど、海外での評価も高まっている。

「2023年 『かげふみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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