日本軍とドイツ軍: どうしたら勝てたのか、どうやっても負けたのか?

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  • 学研プラス
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054060487

作品紹介・あらすじ

第二次大戦における日本軍とドイツ軍をさまざまな面で徹底比較しながら、両者に共通する敗因を探り出す。また、両者の勝敗の分水嶺となった戦いの問題点を浮き彫りにし、軍人の実像や代表的な兵器についても比較しつつ理解を深める。

感想・レビュー・書評

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  • 第二次世界大戦の敗因分析。
    国力や戦争全体のグランドデザインについての比較分析が中心で、結論は「どうやっても勝てなかった」になる。

    アメリカを降伏させることはどう考えても不可能だし(人的出血を強いて停戦=引き分けに持ち込む可能性がかすかにある程度)、イギリスは仮にブリテン島を占領されても、王室と政府をカナダに移して抗戦できる以上、こちらも敗北はない。
    ソ連と中華民国も広大な国土を有しており、奥地に後退されれば決定的勝利の機会は失われる。

    地理的条件だけをみても勝利が難しい相手に対し、情報収集を怠り、占領地の資源を活用する経済政策をとらず、国力の総動員を徹底せず、効率的な兵器・軍需物資の生産計画を立てず、不利な戦場で戦い、何よりも致命的な誤りとして連合国の本質が「敵国に無条件降伏以外を認めない好戦性」にあることを理解していなかったのだから、徹底的に打ちのめされたのは当然の結果である。

    お花畑の憲法九条を後生大事に守るような愚行は即刻やめて、戦争に勝つためのグランドデザインを研究できる体制を整えなければならないと切に思う。

  • 第二次世界大戦で同盟を結んだドイツと日本を比較して、どこが異なっていたのか、どこが似通っていて、結局両国とも敗北への道を進んだのかを分析したもの。
    新鮮な観点だったので、たいへん興味深い。
    軍人の誇りという点では大いに劣っているという印象だ。
    ところでローマ帝国以来の伝統を持つイタリアは、日独と比べてどのような違いや、似たところがあったのだろう。

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著者プロフィール

軍事史研究家。1950年、神奈川県生まれ。
中央大学法学部法律学科卒業。国士舘大学大学院政治学研究科修士課程修了(朝鮮現代史専攻)。著書に「日本軍とドイツ軍」、「レアメタルの太平洋戦争」、「日本軍の敗因」(学研パブリッシング)、「二・二六帝都兵乱」、「日本の防衛10の怪」(草思社)、「陸海軍戦史に学ぶ負ける組織と日本人」(集英社新書)。「陸軍人事」、「陸軍派閥」、「なぜ日本陸海軍は共同して戦えなかったのか」(潮書房光人社)、「帝国陸軍師団変遷史」(国書刊行会)がある。

「2020年 『知られざる兵団 帝国陸軍独立混成旅団史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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