- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784054060487
作品紹介・あらすじ
第二次大戦における日本軍とドイツ軍をさまざまな面で徹底比較しながら、両者に共通する敗因を探り出す。また、両者の勝敗の分水嶺となった戦いの問題点を浮き彫りにし、軍人の実像や代表的な兵器についても比較しつつ理解を深める。
感想・レビュー・書評
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第二次世界大戦の敗因分析。
国力や戦争全体のグランドデザインについての比較分析が中心で、結論は「どうやっても勝てなかった」になる。
アメリカを降伏させることはどう考えても不可能だし(人的出血を強いて停戦=引き分けに持ち込む可能性がかすかにある程度)、イギリスは仮にブリテン島を占領されても、王室と政府をカナダに移して抗戦できる以上、こちらも敗北はない。
ソ連と中華民国も広大な国土を有しており、奥地に後退されれば決定的勝利の機会は失われる。
地理的条件だけをみても勝利が難しい相手に対し、情報収集を怠り、占領地の資源を活用する経済政策をとらず、国力の総動員を徹底せず、効率的な兵器・軍需物資の生産計画を立てず、不利な戦場で戦い、何よりも致命的な誤りとして連合国の本質が「敵国に無条件降伏以外を認めない好戦性」にあることを理解していなかったのだから、徹底的に打ちのめされたのは当然の結果である。
お花畑の憲法九条を後生大事に守るような愚行は即刻やめて、戦争に勝つためのグランドデザインを研究できる体制を整えなければならないと切に思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第二次世界大戦で同盟を結んだドイツと日本を比較して、どこが異なっていたのか、どこが似通っていて、結局両国とも敗北への道を進んだのかを分析したもの。
新鮮な観点だったので、たいへん興味深い。
軍人の誇りという点では大いに劣っているという印象だ。
ところでローマ帝国以来の伝統を持つイタリアは、日独と比べてどのような違いや、似たところがあったのだろう。