- Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
- / ISBN・EAN: 9784054062498
作品紹介・あらすじ
資本と格差の問題に正面から切り込み、全世界に影響を与えた大著『21世紀の資本』。その著者ピケティの理論と重厚な著作の概要を「超図解」でわかりやすくスピード解説するのが本書である。これからの格差社会を生き抜く指針が短時間でラクにつかめる本。
感想・レビュー・書評
-
2015年の本なので、今更かもしれないけど、厚さにめげて読まなかった本の超入門。
いきなり「21世紀の資本」を読むより、これである程度の概略を掴んでからの方が読めるのだろうと思う。厚さに負けずに読める気になります。
4ページで1つのテーマを図を入れて説明しているので、読みやすかった。
「21世紀の資本」では、労働から得る所得より過去に蓄積した富から得る所得の方が優位性が高いと経済格差が広がり、不平等な社会になってしまう、ということを、とても長い期間のデータから割り出して書いてあるのです。
世界中で格差が広がっている理由もわかります。
解決策はもはや政治の話となるが、ピケティの理想論をバカにせず出来ることから少しずつやるべき、との結論は、その通りと思いました。
ピケティの予測は2100年までなので、今から読んでもいいかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
r>g というのは見たことがあった。説明はできない。
そういう私みたいな素人にちょうどいい本。
一番やさしいを謳っているだけあって、専門知識無しでも読めました。
■20世紀は、経済成長率(g)が資本収益率(r)を上回る前代未聞の世紀だった。戦争により資本が破壊され、戦後復興で経済成長したことが主要因か。
■大戦前の20世紀初頭のヨーロッパはひどい資産社会だった。現在のアメリカ等もこれに近づきつつある。
■原書で引き合いに出されているらしい「ゴリオ爺さん」に興味。セコセコ働くよりも、資産家の娘と結婚して遺産奪収するのがいいんじゃない?とそそのかされる話らしい。 -
読みやすかった。少し、やさしすぎると思えるくらい。
80年代以降、米英日において税率が下げられたのはなぜなのか、という疑問が残った。その答えは、この本の中にはなかったと思う。
官主導の成長が非効率であるとして、民主導の成長へと方向転換を図ったものなのか?
他国の税率が下げられたことに追随するものなのか?
他国と比較して税率が高いと、個人や企業が国外に脱出してしまうからか?
「21世紀の資本」にその答えがあるのか、分からないが読んでみたいと思う。
-
日本の場合に、より引き付けてかいてあって最後まで興味深く読みました。ピケテイの原書は、もちろん翻訳されたものの方だけれど、情熱が傾けられていて、ときどき、日本人の目から見ると、跳び跳ねている。それはそれなりの魅力ではあるのだけれど、とどのつまりどうしよう、どう考えようというときになって、思考が固まる?かんじがします。この本を一冊クッションにおくと、ピケテイがいっそう身近に感じられ、また、思考が取り出しやすくなって考える材料に、よりしやすくなります。たとえば、格差はいかほど、といったときに、ベルエポック時代ぐらいのかんじでこれが何年後、具体的にいうと、1パーセントの、富裕層の月給なり、年収は?という感じです。こう書かれると、たまたま、電車にのりあわせた隣の人とでも話せそう。良い本だと思います。
-
1つのトピックに対してグラフ付で2〜4ページで噛み砕いてまとめてあり、大変読みやすかった。データ自体の解釈が難しく解説がもっとあればより理解しやすかったかも。
ただし簡潔にまとめることが目的であり、原著への足掛かりとして良著だと思う。原著を読むかどうかは別として。
・資本家の資本は拡大し、労働資本との格差は広がる一方
・数百年間のデータに基づいた分析
・r>gが成り立たない例外の時代が近代であった
などなど勉強になった。 -
最近、よく出て来るキーワード「ピケティ」。
ちょっと気になったので、読んでみた。
さすがに「一番やさしい」と謳ってるだけあって、専門知識とかは必要ない内容。勿論、これでピケティの言ってることが全部分かるわけではないんだろうけど、少なくとも本書に書いてることは、だいたい分かった。
本書で頻出する「r>g」。
rは資本収益率、gは経済成長率。
資本収益率が経済成長率を上回った状態が続くと、もともと持てる者はさらに富み、格差がどんどん広がっていくという主張。
で、その対抗策は累進課税と資本への課税。
たぶん、それをやると別の問題が起きる。
世の中に全部を解決できる万能の策なんてのは、たぶんない。
ちょっと興味を持ったので、そのうち『21世紀の資本』にもチャレンジしてみようかな。 -
借りたもの。
トマ・ピケティ『21世紀の資本』( https://booklog.jp/item/1/4622078767 )には何が書かれているのか、要点のみを書いたもの。後半は日本向けの内容になっている。とにかく分かりやすい。
ピケティの言う「r>g」とは、資本収益率(r、元々持っている資産)が経済成長率(g、労働によって得られる所得)が大きくなると、民主主義の基盤が揺らぐ(富の不平等)が起こるという。
そしてこれは“自然であること”を超長期的な歴史的データに基づいてピケティが証明したことが、彼が評価される所以だった。
道徳よりも、法制度による富の再配分――資産に対して累進課税をかけること、資本税――を提唱する。
日本でも1回限りであったが、累進的資本税が実行されたとか。
その最も大きな効果は「r>g」による経済格差の抑制にあるという。
私はかつて、富の再配分を減価する貨幣(自由貨幣)で成立できないかと考えていたが、その実行の難しさ(世界が完全に電子マネー化したら可能だろうが)を感じていた。
資本税にも勿論障害はあるだろう。政治家とお金の問題は絡むし、それ故の抵抗があることについて。しかし、今最も実現可能だと思う。説得力がある。
‘オール・オア・ナッシングではなく、可能な策から前進せよ(p.166)’の希望に満ちた言葉よ……
【自由貨幣について読んだもの】
「ヴェルグルの軌跡」
江上治『あなたがもし残酷な100人の村の村人だと知ったら』( https://booklog.jp/item/1/4766785983 )
夏目祭子『知られざる最強の創造エネルギー なぜ性の真実『セクシャルパワー』は封印され続けるのか(超☆きらきら)』( https://booklog.jp/item/1/490502742X ) -
ラジオで「それほど難しくないので誰でも読める」みたいなことを佐藤優が言ってたのを真に受けて、
翌日書店で見て見たら分厚いのなんのって。
いまさらながらやっと読む気が起きてきたので、
まずは解説書からスタートしてみました。
読後「これで十分じゃね?」という感じもしないでもない。 -
読みやすいし分かりやすい。ただ式の展開がちょっとついていけない。さすがに21世紀の資本が専門書なのでまったく経済学の教養なしで読むのはつらい。
-
本家の分厚いのを読む自信が無かったのでこちらを。
分かり易かった。
けど、もうちょっと深く知りたい、かな。
(やっぱり本家を読まなきゃだめかね。)