感情は、すぐに脳をジャックする

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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054068438

作品紹介・あらすじ

クリエイター・経営者として、つねに「感情」というテーマに向きあってきた佐渡島庸平と、石川善樹の共著《感情マネジメント本》。対人関係の悩み、ヒットコンテンツと感情の法則などを考察。心のフットワークを軽くして、人生のパフォーマンスをあげよう!

感想・レビュー・書評

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  • 自分の感情に目を向けることを趣旨とした心理学の一冊です。
    したことの記憶はある程度鮮明に残りますが、その時何を感じていたかは思い出すことが困難です。
    感情に対して人間は鈍感であることを前提に解説が始まります。
    感情について掘り下げていくと同時に、上手く付き合っていく方法も見えてきます。
    後半は本書に関わった方々の対談です。

  • 人間は理屈じゃなく感情で生きている。
    ほんとにその通りだと思う。

    つい昨日も、自分の中でうっ、辛い…という気持ちが起こったけどうまく受け止めることができなくて、つい言い訳めいたことを言ったり、自分は悪くないみたいな態度をとってしまった。
    慌てずうまく対処する大人でありたいって思っていながらもこのざま。。

    その辛い気持ちは、単純な辛さだけじゃなくて、周りからうまくできなかったねって思われるのでは…という「恥」が実は絡んでいたり、途中で自分でもうまくいってないかもという「不安」「焦り」をずっと感じていたから余計ストレスだったんだと思う。

    →本の中で人間の8つの基本的感情とそれらが結合して生まれる複合感情が体系化に視覚化された「感情の輪」という図があり、感情の種類や成り立ちをみるのに役立ちます。

    アンガーマネジメントみたいに感情をコントロールする、その場で怒り散らさないみたいなこともビジネスの場面では大事だと思うけど、その怒りをなかったことにはできないから、あの時感じたあの怒りはなんだったのか、自分のなにを守りたかったのか、あとで振り返ることができるといいのかな。

    そんなこんなで最近iPhoneのジャーナルアプリでぷち日記を書いているけど、昨日当日はもやもやしてうまく書けなかった。時間を置くということも必死なのかもしれない。

  • 感情について佐渡島さん他たちの考察を一冊の本にしたもの。
    テーマが面白いです。
    というか、感情についてそんなに深く考えたことなんて全然ありませんでした。
    (だから、EQが低いのか!?大きなお世話だわ。)

    ※EQ こころの知能指数
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4062562928#comment

    まず、感情が網羅的?に一覧になっています。
    こんなに色々な感情があるのか、という気持ちになります。
    そして、各感情ごとに3人の著者が対談しているのも中々面白い。

    例えば、何か気に入らないことが起こっって、「怒り」の感情がわいたとき。
    それは、「怒り」なのか?「イライラ」なのか?
    そんな細かいこと、考えたことがない人が
    ほとんどではないかと思います。

    自分の感情を振り返る際に、参考にしてみてはいかがでしょうか。

  • いつもそこにあるのに、見ることも聞くことも嗅ぐことも味わうことも触ることもできないもの。うまく理解できなくてどういうものか言い表せないもの。自分が自分でいるために大切で、まさしくそれがあること自体が自分を表しているもの。それなのにあまりそれについて考えたり誰かと話し合ったりしないもの。結局なんとなくなあなあに扱ってしまい、そのままにしてあるもの。

    感情。

    こんなに身近なのにこんなに遠い。

    そんな感情に迫る本です。

    怒り、不安、悲しみなど一つの感情にフォーカスしてその理解を深めたりマネジメントする方法を書いた本はたくさんありますが、本書のように感情全体について書かれた本はあまりなかったように思います。

    宗教、哲学、心理学などの難しい言葉を使った本では、なんとなく深いことがわかったようになるけど自分ごととして考えにくく、うまくバランスがとりにくくなるテーマでもありますが、本書は著者もまさに感情に悩んでいる一人の当事者の立場にいて、自分が学んでいったり考えたりしてきた足跡として難しい言葉を使用しないで語っているところが親近感がわきます。
    なにも考えないで読んでても「ヘぇ〜」、「確かにねぇ」、「そういうこともあるなぁ」とか思いながらサクサク読みすすめられます。

    が、そういう読み方はしないほうがいいでしょう。

    ここに書いてあることは、鵜呑みにするのではなく、あくまで自分の感情とよりよく向き合うための手段としての文章として読む必要があります。
    感情の分類的な図表がでてきます。非常に整理されていて、なんとなくそれをみれば自分の感情もそこに綺麗に収まりそうに思いますが、自分の感情をそんなに綺麗にコンパクトに整理して終わらせないで下さい。


    ゆっくり読んで、ときおり本を閉じて、ぼ〜としてください。
    5分前の感情や昨日の夜の感情、昔の恋を思い出してみてください。
    その時の感情に手触りや匂いや味を当てはめてみてください。
    感情を擬人化して何人かでフリートークさせてみたり、みんなを連れて遊園地に行ったり一つのプロジェクトをやらせてみたりして、みんなのやりとりを物陰からこっそりみていてください。

    きっと感情についての理解が深まると思います。

    感情にいい感じで脳をジャックさせてあげるのが大事、感情がそもそも脳の主である、とか思っちゃうかもしれないね。

  • 数年前にマッチングアプリでこの佐渡島さんとマッチしたことがあるのですが、この人既婚だし何やってんだろと思いつつ、結局会うこともなくフェードアウトされた経験があってこの人が嫌いだったのですが、まぁスマホ越しの知らない相手の人格なんてあってないようなものだし、彼にとってはさしずめ本の制作に必要な実験のサンプルみたいなものだったでしょう。別に彼自身も人格者と思われたいわけじゃなさそうだしな。

    本は良いこと書いてありました。『感情の輪』というツールを使用し冷静にシステマチックに自分の感情を分析し、自分ができる対応をとることができるというものです。
    「怒り」を感じたのなら『感情の輪』で「怒り」と両隣にある「期待」や「嫌悪」、対極の「恐れ」までも視野に入れて、下記ような問いを立ててみます。
    ・自分は相手に 何を「期待」 していたのか
    ・自分は 何に対して「嫌悪」 しているのか
    ・自分は 何を「恐れて」 いるのか
    こういう使い方をすることによって、自分の中の奥にしまってあって気づかなかった感情に気づくことができるようです。

    「感情をうまくコントロールする」方法を求めがちですが、「表層的な感情の先にある本質を理解し、正しく認知する」ほうが自由に生きていけるというのは発見でした。

    後半の対談は、3人で感情についてトークするというもの。『感情』というおおまかなくくりではなく、「怒り」「安心」など小分けにした感情を掘り下げていて、3人の個体差からいろんな特性が出てきて興味深かったです。

    ーーーーーーーーーーーーーーー
    メモ
    ・より強い刺激を求めていると多様性が失われ、わかりやすく似たような感情ばかりになる。あえて退屈な時間を過ごすことが感情の波に気づけるようになる。→退屈だかったからこそ生まれたのが哲学だったりするもんね。
    ・「感情を、簡単に他者に渡してしまわないほうがよい」。たとえば、僕が誰かに対して怒りを感じているときに「こんな気持ちになっているのは相手のせいだ!」と受け止めてしまったら、「感情を他者に渡している」ことになる。自分の感情は他者との関わりがきっかけになるにすぎず、自分に価値観や観念に紐づいて内在している。
    ・人は概念を通して世界を知覚するので、逆に言えば概念にないことは知覚できない。→感情に関する概念を豊かにするため、私だったらやはり小説を読むのが有効かな。漫画もいいよね。

  • 私たちは感情に左右されて生活していると言っても良い。しかしながら、感情の動きに対してあまりにも無頓着なのかもしれない。そんなことを本書で学んだ。
    5分前、1週間前に何をしていたか?との問いには答えられる人は多いが、5分前はどんな感情だったか?との問いに答えられる人は少ないだろう。
    自分の感情に向き合うことで、より良い人生を歩むことができるのではないか?
    そんな提案をしている一冊。とても面白く、そして今後の人生の糧になるヒントを得られた。

  • 感情にも、「良いor悪い」は無い。
    嫌な感情も見ないようにすると、手放せなくなる。
    まずは、「認知、受容」しなければ、手放せない。
    (手放して、「在った」事がわかる。の挿絵がとても分かりやすい。)

    感情的に伝える事と、感情を伝えることの違いについても、とても興味深かった。これは、日常で使える✍️

    幸せとは、「する」を、手放した状態なのでは無いか。
    well doingではなく、well being

    「する」を手放すと、因果関係を意識しなくなり、過去と未来を妄想しなくなり、今に集中できて、幸せな状態になる。

  • サディのVoicyリスナーとしては待望の一冊。「ネガティブな感情を持つことに罪悪感を抱く必要はない」という部分に救われた。対談部分もサディのフォロワーとして興味深く読んだ。サディと羽賀さんの関係性も面白い。サディがマンガや小説の編集者として感情と物語を紐づけて語っている部分は毎度勉強になる。石川善樹さんのコラムにも唸った。箸休め的に挿入される羽賀さんの漫画も楽しい。

  • 感情を「認識する」。
    たしかにこれって大事で、明確に怒ってるならまだいいんだけど、なんとなくイライラしてる状態が実は自分も周囲もストレスなんじゃないかな。

    主旨と関係ないけれど、以下の部分がちょっと感動した。
    ーーーーーーーーー
    僕の結婚式に井上雄彦さんと小山宙哉さん、ツジトモさんに来ていただい
    た際、小山さんとツジトモさんはまだデビューする前だった。だから井上
    さんと話をできるようにと、席を近くしておいたの。このとき2人は井上
    さんと一緒に写真を撮らせてもらったんだけど、その後、『宇宙兄弟』
    1話目に描かれている主人公の六太と日々人が毛利衛さんと写真を撮って
    いるシーンを読んだツジトモさんが、「これは絶対にあのときのオマー
    ュだ!」と。小山さんの位置が六太で、ツジトモさんは日々人。
    後ろに立つ井上さんは、毛利さんのように「君たち頑張れよ」と2人の背中
    に手を添えている。
    僕はそれを聞いて小山さんに確認したら、本当にそうだった。あのときの
    ことを思い浮かべて、六太たちのシーンを描いていたと教えてくれて。
    「自分たちを応援してくれてありがとうございます」という、まさに小山
    さんが井上さんへ込めた「感謝」だよね。「マンガ家ってすごいな⋯⋯!」
    と思った。

  • 自分の感情を抑えてできるだけニコニコして生きてきた私はそれが正しい生き方と思っていただけに、色々考えさせられる1冊でした。自分の感情がもっとコントロールできるのではないか?と思い手にとりましたが、むしろ自分の感情と向き合い、自分の正直な感情を知ろう、そこから始めようと考えさせられました。
    最後のあとがきの内容は正直難しいと感じましたが、僕の解釈として、幸せになるためにするということが無意識にできるようになった時(無敵状態)に結果があとからついてくるのではないかと思いました。継続は力なり!
    半分自分のためのメモ書きのような感想でした汗僕にとって気づきの1冊です!

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著者プロフィール

編集者、コルク代表取締役。1979年、兵庫県に生まれる。東京大学文学部を卒業後、講談社に入社して「モーニング」編集部に。『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)などのヒット漫画を生み出し、小説家の伊坂幸太郎、平野啓一郎も担当した。2012年に独立し、クリエーターのエージェント会社コルクを創業。漫画家や小説家などとともにインターネット時代の新しいエンターテイメントの創出を目指している。
著書に、『ぼくらの仮説が世界をつくる』(ダイヤモンド社)、『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.』(幻冬舎)、『観察力の鍛え方』(SB新書)などがある。

「2022年 『言葉のズレと共感幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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