風の歌を聴け

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1966
感想 : 140
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061163676

感想・レビュー・書評

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  • 夏に読みたい本。

  • 今から20年以上前、学生時代に羽田から那覇に移動する際、羽田空港の書店で買って飛行機の中で一気に読み終えたのが思い出です。
    初めて読んだ村上春樹作品でしたが、この世界観は何だろうと何とも言えない気持ちになったのを覚えています。
    それから、村上春樹作品にハマり、1973年のピンボール、羊をめぐる冒険と一気に読んだのが良い思い出です。

  • 今日も風が冷たいですね。名前は知っていても、読んだことない作家の作品に挑戦してみませんか?

  • 大学の夏休みで故郷の街に帰省している「僕」は、ジェイズ・バーの洗面所の床に転がっていた女性を彼女の自宅まで運ぶ。彼女は僕を警戒していたようだったけど、だんだんと距離が縮まる。彼女はレコード屋の店員で左手が4本指だった。小さいころの事故で小指がない。

    飲み友達の鼠は何かに苛立ち、迷い、焦っているようだ。
    「僕」は過去にとらわれている。少年時代のことや初めて女の子と初めてデートした時のこと。今までに寝た三人の女性。三人目の女性が自殺したこと。
    4本指の女性は旅行に行くと嘘をついて妊娠した子どもを堕ろしていた。

    大学の授業が始まるから「僕」は東京に戻る。
    鼠は街で小説を書く。4本指の女性とはそれきり会うことはなかった。
    レコードが「僕」と鼠、4本指の女性を繋いでいたのかもしれない。

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    この本を初めて読んだのは高校三年の冬。
    大学に進学できると思っていなかった自分はろくでもない態度で授業を受け続け、ろくでもない成績を残していた。高校三年の秋ごろに自分の意思とは関係のないところで進学できることに決まったが、本当にろくでもない成績だったので、部活の実績を利用して推薦で進学することになった。
    推薦とはいってもセンター試験は受けなければいけない、とかよくわからない事情でとりあえずセンター試験を受けることになったが、ろくでもない結果になることは目に見えていた。
    だから試験の始まる前、試験と試験のあいだの時間なんかにずっと『風の歌を聴け』を読んでいた。そういうのがかっこいいと思い込む時期が誰にでもある。
    だが、その時期を過ぎてしまえば当時の感情はもう捉えられない。なんでセンター試験会場にわざわざ村上春樹の文庫本を持っていたのか、自分でも理解できない。

    あれから10年以上経って、いわゆる鼠三部作と呼ばれる、三作品を読み直してみた。
    当たり前のようにビールをたくさん飲んで、時には飲酒運転すらする「僕」や鼠。そして何人かのガールフレンドたち。
    いつでも「僕」は現在ではなく過去を見ているようだったし、鼠は自分の親が金持ちであることに後ろめたさのような感情と形にできない自立心みたいな思いで苦しんでいた。

    十代後半から三十歳までの期間のことを「僕」は何度も思い出す。鼠やジェイ、女の子たちのこと。
    ずっと失われた過去にこだわって生きていく「僕」は何のために生きているんだろう。よくわからないけど、死んでしまった友人、ガールフレンドのために生きているような気がする。

    自分も三十代に入り、知り合いが亡くなるということを何度か経験してきた。死んでしまったり、もう二度と会えなくなってしまったりして、誰かを失うということにいつまでも敏感でいたい。そういった痛みをいつまでも忘れないでいたい。
    生きることは失ったものや時間、大切な人を思い出し続けるということだと思う。

  • 何が言いたいのか、さっぱりわからなかった。モヤモヤが残っただけで何も感じなかった。村上春樹難しい。

  • 再読。レシートが挟んであった。初めて読んだのは1999年。どんな気持ちで読んだか全然覚えてない。

  • 『職業としての小説家』の中に、このデビュー作ができあがるまでの格闘が描かれていてたので、興味深く再読した。

    一から書き直したというこの文体を「開発」したところから、村上春樹という作家は始まっているんだなぁ。

  • 2015/08/06 読了

  • 初めて村上春樹の作品読んだ。読まず嫌い良くない。わかるようでわからなかったけど、ふわっと掴めるものはあった。言葉が自然と入ってくる感じ。時間かけずにすぐ読めたし、なかなか面白かった。

  • ダンスダンスダンスから遡ってここまで来る。

    当時を斜に構えたスカした洋書のように描いてるけど
    逆にこの時代だからこそのアナログ感が良かった。

    僕と鼠のはじまり。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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