万葉集 全訳注原文付(四): 全訳注原文付 (講談社文庫 古 6-4)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061313859

作品紹介・あらすじ

万葉学の第一人者中西進博士がその蘊蓄を傾けたライフワーク。原典との照応が一目理解できる「万葉集」。原文、読み下し文、全訳、語注をそろえた話題の「文庫版万葉集」。第4巻は万葉歌人の代表大伴家持の歌を中心とした巻17以降をふくむ、巻16から巻20までを収録する最終巻。続いて刊行、別巻1巻。(講談社文庫)

感想・レビュー・書評

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  • ようやく四巻まで読了。
    巻第十六はいろいろ雑多な歌の収録された巻で、ふざけたのも多くて面白い。が、全体的な印象としては最初の方の巻に比べて、儀式で詠まれた型どおりの歌が多く、その分素朴さが薄れるように感じる。
    印象に残った歌いくつか。

    3852 鯨魚(いさな)取り海や死にする山や死にする 死ぬれこそ海は潮干て山は枯れすれ
    →さだまさし「防人の歌」の元ネタらしい。が、この歌自体は防人歌ではない。

    3875 琴酒を 押垂小野ゆ 出づる水 少熱(ぬる)くは出でず 寒水(しみづ)の 心もけやに 思ほゆる 音の少き 道に逢はぬかも 少きよ 道に逢はさば 色着(げ)せる 菅笠小笠 わが頸(うな)げる 珠の七条(ななつを) 取り替へも 申さむものを 少き 道に逢はぬかも
    →リフレインがなんとなく好き。

    4134 雪の上に照れる月夜に梅の花折りて贈らむ愛しき児もがも
    →綺麗な花があるので、それをあげる相手が欲しいという感情。

    4148 杉の野にさ躍る雉(きぎし)いちしろく音にしも哭かむ隠妻(こもりづま)かも
    4197 妹に似る草と見しよりわが標めし野辺の山吹誰か手折りし
    →自然の風物に託した恋歌は良い。

    4214 天地(あめつち)の 初の時ゆ うつそみの 八十供の男は 大君に まつろふものと 定まれる…(中略)…あしひきの 山川隔り 風雲に 言は通へど 直(ただ)に逢はず 日の重れば 思ひ恋ひ 気衝き居るに 玉鉾の 道来る人の 伝言(つてこと)に われに語らく 愛しきよし 君はこの頃 心さびて…(中略)…立つ霧の 失せゆく如く 置く露の消ぬるが如く 玉藻なす 靡き臥伏(こいふ)し 逝く水の 留みかねつと 狂言(まがこと)や 人の云ひつる 逆言(およづれ)を 人の告げつる…(以下略)
    →写してみるとやっぱり長い!が、万葉集の挽歌は不思議と心を惹かれるものがある。

    4226 この雪の消残る時にいざ行かな山橘の実の照るも見む
    →言っている内容は単純なのに、美しい。

    4284 新(あらた)しき年の初に思ふどちい群れて居れば嬉しくもあるか
    →注によればこの歌の作者は、この四年後に立太子、翌年に廃太子、後日拷問死というなかなか壮絶な人生だったらしい。歌ののどかさとの対照。

    4455 あかねさす昼は田賜(た)びてぬばたまの夜の暇に摘める芹子(せり)これ
    4456 大夫(ますらを)と思へるものを大刀佩きてかにはの田居に芹子摘みける
    →贈り物につけてやりとりした歌。こういう滑稽味のある方が好き。

  • 全4

  • 齋藤孝著『大人のための書く全技術』40冊―11

    こうやって日本語がつくり上げられてきて、その結果今の私たちはこういう言葉を使っているのだ、ということがわかるだけでも、非常に価値の高い読書になる。

  • 明日香などを舞台とした作品です。

  • 巻16から巻20まで

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著者プロフィール

中西 進(なかにし すすむ)
1929(昭和4)年東京生まれ。東京大学卒業、同大学院修了。文学博士。
筑波大学教授、国際日本文化研究センター教授、大阪女子大学学長、帝塚山学院学院長、京都市立芸術大学長などを歴任。全国大学国語国文学会会長、日本ペンクラブ副会長、奈良県立万葉文化館館長なども務める。
「万葉集」など古代文化の比較研究を主に、日本文化の全体像を視野におさめた研究・評論活動で知られる。読売文学賞、日本学士院賞、大佛次郎賞、和辻哲郎文化賞ほか受賞多数。
主な著書に、『万葉集全訳 注原文付』全五巻(講談社文庫)、『中西進 日本文化をよむ』全六巻(小沢書店)、『古代日本人・心の宇宙』(NHKライブラリー)、『中西進と歩く万葉の大和路』(ウェッジ)など。

「2022年 『万葉秀歌を旅する 令和改装版 CD全10巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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