- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061385153
感想・レビュー・書評
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「交渉」=「演技」
人は時に割り切って、またある時はそれが乗り移ったかのように演技する。両者の「ソロバン」「ロマン」の狭間を如何に上手く行き来出来るかが大切なのだろう。交渉上手は名役者。-
「両者の「ソロバン」「ロマン」の狭間を」
この一言で、ナルホドっと思ってしまいました!「両者の「ソロバン」「ロマン」の狭間を」
この一言で、ナルホドっと思ってしまいました!2013/06/14
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営業本としても非常に有用な本
瀧本哲史さんの「武器としての決断思考」の第2弾。
タイトル通り交渉についての本ですが、人でないと出来ない事はほとんど交渉という説明もあるとおり、
仕事を初め社会活動全般に有用な本です。
「ロマンとソロバン」「相手の利害にフォーカス」「選択肢を持つこと」「アンカリングと譲歩」「非合理(に見える相手)との交渉」などが大きなテーマ。
決断思考よりも個人的には読みやすかったのは、日常的に行っているのが交渉業務だからだと思う。
ただ、瀧本さんの本は諸々ダブルミーニングや下手するとトリプルミーニングも多いので、
ちょっと精読してみます。
仕事柄かもしれませんが、営業職の人が読んで便利だと思いますし、
それ以上に営業職を指導する人が自分の経験を相手に伝える時にここで書かれているような構造化出来てるといいなぁと思いました。 -
練習問題がおもしろかった。
『武器としての決断思考』よりオススメ。 -
ディベート甲子園や京大で有名な授業などを行う瀧本さんの著作。
交渉とは強引に物事を運んだり人を圧倒するものではなく、「相手の主張を冷静に分析し、お互いの利害を調整すること」であると主張。交渉は普段の生活やビジネスにおいて活きることはもちろん、それが「世の中を変えることにつながる武器となること」を訴える。
専門用語がほとんどなく平易な文で具体的なケースが多くあり、(行動)経済学などの知識がなくてもわかりやすいと思う。
唯一欠点を述べるとするなら、彼のここでいうデモがノンセクトラディカルやカルト的な極めて限定的なものに焦点がいっているのは残念だった。本来、デモは「社会秩序を破壊するかに見える運動のうちに、社会の秩序を生み出す原動力」があるものである。
しかし彼の主張は交渉が苦手とされる日本人に大きなインパクトを与えると思う。
相手のパターンや性格など情報を大量に仕入れ、分析することから交渉は始まる。合意によってパイを大きくすることができるか? 本書から答えを得るのではなく、本書を踏まえ、明日からじぶんなりにどのように実践していくか? -
この先どうなるか分からない世の中で、生き延びるための武器として必要なスキルである、「交渉力」について教えてくれています。交渉力は強力なコミュニケーションツールになるはずです。
まず、プロローグのガイダンスで、なぜ、交渉力が必要かを説明しています。著書の言う交渉とは、他人とのあらゆるやりとりを指し、日々の日常生活で至るところで交渉の機会は出てきます。これまでは、上司や目上の言うことに従って聞いていればよかったのが、常識と思われていたルールや枠組みが変わっていくなか、自分でルールを再定義し、新たなルールのもと、周囲と交渉していく必要があると著者は指摘しています。
次の1時間目では、交渉の2つの側面、「ロマン」と「ソロバン」について説明しています。何か新しいことを始めようとする時、どうしてもロマン、すなわち理念の方を重視しがちです。そうではなく、このビジネスは採算が取れるのか、冷静になってソロバンを弾く重要性を指摘しています。ロマンだけが先行すると、看板倒れになってすぐ行き詰ってしまいます。ロマンとソロバンを両立して初めて意味があると説明しています。
2時間目で、いよいよ交渉の進め方の説明が始まります。この章のタイトルは、自分の立場ではなく、相手の「利害」に焦点を当てるとなっています。著書の文章を引用します。
「僕が可哀想だからどうにかして!」ではなく、「あなたがこうすると得しますよね」という提案をすべきなのです。
交渉とは、自分の有利のように物事を進めると思いがちですが、そう考えたら単なる子どものおねだりで、何も進展しないと指摘しています。交渉の考え方そのものをここで見なおす必要があります。
3時間目での要点は、複数の選択肢を持ってから、交渉にのぞむです。複数の選択肢を持つというのは、当たり前のことかもしれません。しかし、交渉の相手も同様、複数の選択肢を持っていることを頭に入れている人は少ないと思います。自分の選択肢と相手の選択肢を客観的に眺めつつ、どの選択肢が最良かを冷静に判断する必要があります。そのためには、交渉にのぞむ前に多くの情報を仕入れておく必要があります。
次の4時間目は、少し高度な交渉の手法である、「アンカリング」と「譲歩」を教えてくれます。アンカリングとは、最終的な合意点を初めから想定して、現実的な高い目標を相手に提示することです。一方の譲歩は、自分にとって価値の低いことを譲って、相手の満足を得ることです。アンカリングや譲歩の手法を有効に使うにも、現在置かれている状況、相手の情報を事前に入手しておく必要があります。
5時間目は「非合理的な人間」とどう向き合うかです。この章だけでも一読の価値はあります。世の中には、理屈だけでは通じない人々が大勢います。そのような人々に対して、どう交渉にのぞむか、大変参考になります。
ここからが感想です。交渉とは相手とのコミュニケーションそのものであり、相手と円滑にコミュニケーションする必要不可欠な要素だと思いました。交渉とは、相手を巻き込んだ、今後を良くしていく「提案」と言えると思います。自分のためにもなるし、相手のためにもなる、そして結果的には、世の中のためになる「提案」を発信していけば、自分の存在価値も高まっていくはずです。
何か大きな事を成し遂げるには、自分一人のチカラではどうすることもできなく、相手のチカラをうまく引き出して進める必要があると感じました。そして、自分と全く違った人々と協業することで、新しい価値が生まれることを学びました。今までであれば、この人は価値観が違うなと、そこで交流は止まっていたと思います。そうではなく、価値観の違う人との交流によって生まれる新しい価値の大切さを認識して、自分の世界を広げていく必要があると感じました。そのための交渉力は、必ず必要になってくるはずです。
目次
ガイダンス なぜ、いま「交渉」について学ぶ必要があるのか?
1時間目 大切なのは「ロマン」と「ソロバン」
2時間目 自分の立場ではなく、相手の「利害」に焦点を当てる
3時間目 「バトナ」は最強の武器
4時間目 「アンカリング」と「譲歩」を使いこなせ
5時間目 「非合理的な人間」とどう向き合うか?
6時間目 自分自身の「宿題」をやろう -
交渉術入門。
と位置付けられた本書だが、大学生ならサークルなり、部活なり、大学なり、研究室なりで大なり小なり交渉について経験しているだろう。
それをまとめ上げた本。多くの人が知っている内容だと思うが、改めて文章に起こされるとその重要性を再認識する。
非合理的な人への対処方法が載っているところが、類書にはない目新しい視点。
「交渉というのは結局、情報を集めるだけの勝負である」という説には非常に納得。ただ、情報というのはノンバーバルコミュニケーションも含むため、身だしなみや話し方にも気を配る必要が大きいことについて気を付けたい。 -
正直言って、自分は交渉が苦手で、できれば避けたいと思っている。本書を読んでもその気持ちが変わるわけではないが、本書は、単なる交渉のテクニックの本ではなく、交渉を論理的に解説している。交渉というものが、声の大きさや我慢強さではなく、基本的には論理的なものだということも分かったし、バトナやゾーパという概念も分かりやすく説明されていて、使えそうな気持ちにさせられる。もっとも、著者が本書で言いたかったことは、交渉という武器を手にして、社会を少しでも動かすような行動をせよ、ということなのかもしれないが。
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星海社、瀧本本では間違いなく一番実用的で大切な一冊だとおもう。
テクニックとしてはバトナ、相手のていあんに合意する以外の中でいちばん良いもの、を見直しもしくは選択肢を増やし有利な立場を取ること。
そして自分たちで「道』を作って行くこと。
手元に置いておくべき本にひさしぶりに出会えた。 -
交渉秘密結社