PSYCHE (星海社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061389311

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  • 主人公のナオには、死んでしまった家族が見えた。それは幽霊なのかもしれないし、もしかしたら彼の妄想かも知れない。しかし、彼はそれに臆したり、怯えたりせず、ただ受け入れる。そうして家族と、従姉妹のアイと、絵を描きながら日々を過ごしていく。淡々とした語り口で、全て達観したように、物事を受け止めている。でも本当は辛かったのかもしれないと思う。死んでしまったはずなのに、家族が見える。それは彼が家族を愛していたからではないか? 死んでしまったことを受け入れることが出来ずに、自分でそれを作り出してしまったのではないだろうか。彼は小さい頃、死ぬことが怖くて、空想の友達を作り上げた。それと同じで、家族を甦らせてしまったのだと僕は考える。彼は世界の内側へ内側へどんどん沈んでいく。それが美しくて、儚い。奇麗で、脆い。それはまるで、蝶のよう。

  • ドッペルゲンガーの恋人から、2冊目。
    ドッペルで、ちょっと文体に対して苦手意識があったのですが、それを乗り越えるぐらい面白い。
    あと、混濁していく描写がとにかくうまくて、つらい、
    鬱々言われてなかったので、もしかしたらもしかしたらと思いながら読んで、ざっくりやられました、、つらぁつらぁ、、、
    意識の混濁や、自我と世界の境界線、自分のあり方、なんだか中二病っぽいラインナップですが、それについて考える事は非常に有意義であると思うので、良かったです。
    まぁ、うつ小説、ちょっと読む時期を選ぶべきかもしれません。

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