クレヨン王国 月のたまご 完結編 (講談社青い鳥文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061486751

作品紹介・あらすじ

地球に新しい色彩をあたえ、乱暴な人間の心をなごませようと、神が用意した月のたまご。その危機を救うために旅だったのは、クレヨン王国第三王子サードとまゆみ、オンドリのアラエッサ、子ブタのストンストンからなる「月のたまご探検隊」の4人だった。1986年に始まった愛と冒険の物語が、12作目でついに完結します。

感想・レビュー・書評

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  • 1986に始まったという月のたまごが、完結。本当の完結。
    そして、私はそういえばこの本で、福永さんの筆力の衰えを感じたのだった……今回もまざまざと。
    そうでなければ、省筆なんだろうな。もっと日本の風土にあったものを書いていきたいという思いが、執筆中にあらわれてしまったのかなあ。

    すばらしいことはすばらしいんだけれど、今までよりもどきりとするような描写が減った印象。さらりと流す書き方をされているのかな。
    何より、福永さんの特徴である詩や歌が減ったからかなあ。
    物語を記すことをとにかく急いだ感がある。
    福永先生、執筆当時、2004年夏、御年75歳。享年85歳(2012年11月19日)。
    書ききってくださっただけ、よかった……


    ネタバレオンパレードでいけば。
    ヌラリンが生きていて、よかった! これでカメレオンの苦悩と後悔に許しが得られる。
    ダガーをも、福永さんは許したかったのかな……
    「ヌラリン、わたしをゆるしてくれ。ゆるさんでもいいから、ゆるす、とひとこといってくれ。」
    あのダガーがこれだものね。

    色々と疑問が残ってスッキリしていない。
    ヌラリンが記憶を取り戻したほぼその瞬間くらいだろうに、カメレオンに「そいつはダガーですぞ」と警告を発する。んー……どういう記憶喪失なんだ。ダガーが悪ものだと知らなかったからヌラリンはカメレオンともども騙されていたんだから、この時点でヘリに爆弾を仕掛けたのはダガーだって知ってることになる。あの時点では元気太郎はダガーの演出だって知らなかったろうに、海に落ちるまでに考えたんだろうか。

    アラエッサの結婚、おめでとう!
    でも、アラエッサは自分で求婚出来る男だろう、なんだってまたケンちゃんがアラエッサの代わりに田主さんに伝えるっていう演出にしたのだかわからない。
    田主さん、パッパカちゃんに比べたらあまりに印象が薄くて、再読でもアラエッサの嫁が誰か思い出せなかったくらい。だけれど、アラエッサにはこういう芯のつよい内助の功型が似合うんだろうなあ。

    サードの言葉遣いが爺むさい。まゆみがあなた、とか、殿下、って呼ぶのは立場上仕方ないけれど、なんで三郎は、サードだったって、経てきた年齢に近い老人言葉なのかー! これが気になって、いちいち流れが切れてしまった。
    そして最後の、理想の老女まゆみ像を作ってほしいとフーロに頼むところ以外は、やっぱりまゆみに冷たいというか、まゆみからの愛より三郎からの愛の方が劣る感じがするわ(笑)
    ゴールデン国王といい、クレヨン王国では人間型の大人の男はあまり活躍しないと決まってるのかしら。
    人間よりも、生命体を愛そうと訴える福永さんの書き方なのかしら。


    四土神、一応、あれで全員帰ったことになるの…? ヘビが帰ってきて万歳だけど、お影朗とか帰れたんだろか。

    ナルマニマニ、どうしてマトリに来てないんだー! 月のたまごが上りました、探検隊の苦労も報われ、そこにいる人々が皆幸福に包まれ……っていう感動の場面から、ナルマニマニが外されているようにしか思えない。探しても名前がないよう……別荘村でアンナと仲良く語り合ってるにしたって……

    ともあれ、月のたまごはどうなっているのかと案じていたところに、やっと昇って。
    p179
     伝説のように、虹色の光が、地上の魂を浄めるために大空に誕生したのです。滅びにむかう人間のあくなき欲情を、ストップさせるために。

    地球全体のいのちがめぐりめぐって、よりよく生きられるように。

  • 終わっちゃった・・・

  • きょう読み始めて先ほど読了。月のたまごシリーズの完結編。
    月のたまごシリーズではあるけれど、まゆみさんとサード殿下はそこまで出てこない。そしてふたりの印象が、本編の頃とけっこう違うように感じた。本編を読んでからもうだいぶ経っているから、記憶違いということもあるかもしれないけれど。ほんの少しだけ出てくる、シルバー王妃がやっぱりすてきだなと思う。ゴールデン王の寛容さも。
    たぶんこれで全巻読んだことになるのだと思うけれど、はじめて読んだときから十年以上経っているから、記憶がぱらぱらとしている。もう一度、シリーズをひとつひとつ読みなおしたいな。

  • 0616

    遂に終わってしまった。少し寂しい。

  • 完結、してしまいました。
    サードって、月のたまごの時はなんて素敵なんだろうと思ったけど、他の視点で見ると普通の人なんだな。
    まゆみも同様。大人になるって色々なものをなくしているような気もして少し寂しくなりました。
    でも、良い。完結おめでとうございます。

  • あぁー、終わってしまいました、クレヨン王国。これは本当に今までの長い長い道のりの終わりを示していたように思う。お疲れさまでした、ありがとうございました。と言う感じ。でも、欲を言うともっともっとどうなったか知りたくなるのでした。

  • 月のたまごシリーズの完結編です。このシリーズは1巻が本当に秀逸だったと思います。思わず感動のあまり泣きそうになりました。三郎さんがかっこよかったです。幸せになるといいよ〜。

  • サード殿下に恋してたあの頃。いつか絶対シリーズまとめて購入したいです。

  • このシリーズ懐かしすぎる。小学校のとき集めてずっと読んでた。何十冊もある。

  • 最近になって月のたまごの続編があらたに4冊出て、これがその4冊目。何年ぶりかに「月のたまご探検隊」がそろって、私もうれしかったです。

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著者プロフィール

名古屋市生まれ。早稲田大学文学部国文科卒業後文筆活動に入る。1956年 オール読み物新人賞受賞。1963年 モービル児童文学賞受賞。1964年 『クレヨン王国の十二か月』で第5回講談社児童文学新人賞受賞。1968年から1988年まで、自然に親しむ心をもった児童を育てる目的で学習塾を開く。
2012年逝去。主な著書に『クレヨン王国』シリーズ47タイトル、『静かに冬の物語』(以上すべて講談社刊)などがある。2012年逝去。

「2016年 『クレヨン王国黒の銀行(新装版) クレヨン王国ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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