想像力: 創造の泉をさぐる (講談社現代新書 1219)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061492196

作品紹介・あらすじ

「ないもの」を思い浮かべる不思議な能力、想像力。日常生活から芸術まで、つねに「新しさ」を生みつづけるメカニズムは何か。ことばとの複雑な関係を解明しつつ、誰にも備わるこの能力を、存分に発揮させる方法を考える。

感想・レビュー・書評

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  • 発達心理学の立場から、人間の想像力の発達と意義を考察している本です。

    著者は、子どもたちの語る物語や絵などの例を通じて、子どもたちが物語を生み出す想像力をどのように育てていくのかという問いに迫っています。さらに、われわれの日常生活のなかで情報を一定の物語へとかたちづくる想像力が、どのような仕方で働いているのかということを、やはり実験などの例を引きながら説明します。

    著者は、こうした想像力が、現実のなかでの経験を構造化・体制化し、理解するために重要な働きを演じていると主張します。ただし、そうした想像力の働きは、同時に恐ろしい結果を招くことがあります。著者は、人びとの想像力が増幅することでデマを生み出した例をあげています。しかし、そうした問題を乗り越えるのも、やはり想像力の働きであると述べられ、想像力によって構造化された物語を客観的に検証する「メタ想像力」の役割への期待を語っています。

    大塚英志の著書のなかで本書への言及があり、興味をもったので読んでみました。われわれが想像力によって構造化された物語を生きているという発想や、その物語をもう一度検証しなおすことのたいせつさなど、大塚の評論で語られている問題に対するヒントがあるように思いました。

  • 想像力は才能とか芸術とかに限らず,生活のあらゆるシーン(メディアリテラシーやコミュニケーション等)で重要だと気付いた上で,自分には想像力が欠けていると感じている人にはうってつけの内容だと思う

  • [ 内容 ]
    「ないもの」を思い浮かべる不思議な能力、想像力。
    日常生活から芸術まで、つねに「新しさ」を生みつづけるメカニズムは何か。
    ことばとの複雑な関係を解明しつつ、誰にも備わるこの能力を、存分に発揮させる方法を考える。

    [ 目次 ]
    想像力とは何か
    想像力のメカニズム
    ことばと想像力
    日常の中の想像力
    想像力の歪み
    創造的想像力を育む

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    [ 参考となる書評 ]

  • 子供の頃、大人の関わり方って大切なんだなと。

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著者プロフィール

IPU・環太平洋大学教授、お茶の水女子大学名誉教授、十文字学園女子大学名誉教授。学術博士。文化功労者。
専門は、発達心理学、認知科学、保育学。
著書に『発達心理学――ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『発達の心理――ことばの獲得と学び』(サイエンス社)、『子どもの見ている世界――誕生から6歳までの「子育て・親育ち」』(春秋社)、『AIに負けない子育て――ことばは子どもの未来を拓く』(ジアース教育新社など、他多数。
社会的活動に、ベネッセ「こどもちゃれんじ」の監修に立案時から31年以上携わるほか、NHK Eテレ(旧NHK教育テレビ)『おかあさんといっしょ』の番組開発、知育玩具の開発、絵本の監修など。

「2023年 『想像力 生きる力の源をさぐる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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