朝鮮半島「核」外交―北朝鮮の戦術と経済力 (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498693

感想・レビュー・書評

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  • 分かりやすく北朝鮮の話を説明している。北朝鮮を痛烈に批判していて面白い。

  •  なぜ北朝鮮は核兵器を保持し続けるのか。その真相を解き明かしたのがこの本。

     核保持の理由は、対外的には外交手段、対内的には指導層の保身と体制維持(反体制、民主化運動の抑制)というもの。。そして日本を含め各国が取るべき戦略は経済制裁を維持しつつ、北朝鮮の声を「無視」することに尽きる。

     ちなみに経済制裁の効果は意外と顕著で、北朝鮮は石油が不足している上に、島根県並の経済力しかないので戦争などとても不可能な状況にある。島根県の人口が約72万人なのに対し、北朝鮮の人口は約2400万人だから、同国の経済がいかに貧弱なのかがわかる。

     この国の社会主義体制を支えているのは配給制度や医療・教育などの社会保障制度、そして金正日が幹部に与える贅沢品の恩賞などですが、これも禁輸などの経済制裁により綻びつつある。まるで一昔前の専制国家のような統治法。

     この本が出版されたのは2006年なので少し古い内容だが、研究やデータに基づいているという点で、必要以上に北朝鮮の脅威を煽ったり、軽視したりする言説より信頼に値する内容。

  • [ 内容 ]
    朝鮮半島クライシス勃発。
    冬を越せない食糧危機、年間100万トンの石油輸入量、中国との不仲説の真実、偽ドルで米国の金融制裁、死んでも「核」は手放さない、儒教と社会主義の「官僚主義」、先軍政治は崩壊するのか、日本と国際社会の選択肢は…。

    [ 目次 ]
    序章 核実験は瀬戸際外交の放棄
    第1章 崩壊か核放棄かを迫られる北朝鮮
    第2章 死んでも核は放棄しない
    第3章 経済制裁が効果をあげた
    第4章 暴発できない経済力
    第5章 経済改革の期待と現実
    第6章 先軍政治と文明の衝突

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    [ 参考となる書評 ]

  • ここにしか詰まっていない朝鮮の真実が満載。

  • 著者は韓半島情勢に詳しい学者です
    少し古いので最新の情報では無いですが、北朝鮮や韓国の基本情報を知ることができ、勉強になります。

  • 0706

  • 結論はいただけないが、北朝鮮経済、文化への冷静かつ見事な分析が見られるでしょう。

  • ‘終わりに’までしっかり読みました。

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著者プロフィール

1945年、中国遼寧省丹東生まれ。鹿児島県沖永良部島出身。韓国、北朝鮮問題の第一人者。北朝鮮に迎合的だった朝鮮半島報道の流れを変える。北朝鮮報道のパイオニア。「金正日後継者決定」「金芝河釈放」「ソ連高官初訪韓」「大韓航空機撃墜」「ソウル五輪、ベンジョンソンのドーピング」「金大中死刑はない」「北朝鮮は戦争できない」など、数々の国際的スクープを報じる。1994‐2010年までテレビ解説者として活躍。早稲田大学卒業。シェル石油(現出光昭和シェル)勤務を経て、1971年毎日新聞に入社。79‐85年ソウル特派員。89‐94年ワシントン特派員。この間に高麗大学大学院、スタンフォード大学留学。毎日新聞論説委員、拓殖大学教授、早稲田大学国際教養学部教授を歴任。現在、東京通信大学教授、早稲田大学名誉教授、韓国同徳女子大客員教授、日本財団特別顧問、里見奨学会理事、日本パーカライジング顧問、毎日新聞客員編集委員、ニュース時事能力検定協会理事。著書は『外交敗北』(講談社)など20冊を超える。

「2022年 『半島動乱 北朝鮮が仕掛ける12の有事シナリオ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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