カソウケン(家庭科学総合研究所)へようこそ (KS一般書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 165
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061542792

作品紹介・あらすじ

生活を科学する家庭科学総合研究所日誌。「散らかる部屋」から「子どもの脳まで」科学するこれぞ、カソウケンの主婦。

感想・レビュー・書評

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  • ▼福島大学附属図書館の貸出状況
    https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB00056993

    出産、子育て、食事作り、洗濯、掃除など、家庭内の家事全般を、科捜研ならぬカソウケンの研究テーマとし、東大で応用化学を専攻した著者が、大胆に分析し、軽快な語り口で解説していきます。物理や化学の法則、自然現象がこれほどおもしろく身近に感じられるとは!と、目から鱗が落ちます。イラストも多く、非常に読みやすい本です。科学に興味のある人や先生になりたい人に是非おすすめの本です。

    (推薦者:人間発達文化学類 中村 恵子先生)

  • 家事を科学でより手際良く、を目指す?
    油のシミは油で落とす、とか煮物はなぜ味が染み込むのか、とか。
    視線が理系な事柄を読み飛ばしてしまうクセがついているので、やや時間がかかるし、飛ばし気味で読んでしまったけど、ところどころに漫画でニヤリとする場面があって、それも楽しかった。

  • NDC(9版) 592 : 家庭理工学

  • 科学・テクノロジー

  •  これまでにも「台所で理科実験」というテーマの本はたくさんあったが、いずれも「台所にある道具をつかって、理科の実験をしてみよう!」というような台所を学校の理科室に見立てるものが多かった。
     
     それにくらべ、本書は台所で起こっていることを科学の言葉に言い換えることができ、まさに科学を身近に感じるおもしろさを発見することができる。
     
     こんなのが、欲しかったんだ!

  • 購入して読み。
    「ほぼ日刊イトイ新聞」で昔、連載されていたような気がする。のが手に取ったきっかけ。

    家庭の科学(化学)という感じで、主婦でもとっつきやすい内容。前半は家庭の化学各論、後半は育児にまつわる言説を科学的な視点から見てみるよ、といったところ。

    前半の「カソウケンの1週間」のあたりは化学が苦手な高校生くらいが読んでもいいんじゃないかと思う。化学式がのってるわけじゃないけど、教科書よりもだいぶかみ砕かれた内容が載ってるから。エントロピーとか、極性とか、飽和・不飽和脂肪酸とか。

    ---
    以下、印象に残ったところ。
    ・メイラード反応…アミノ化合物と糖(カルボニル化合物)が存在するところで、加熱されると起こる反応(料理の焼けるにおい。ケーキとか魚とか)(p80)。メイラード反応が起きやすいのはショ糖ではなく、転化糖の方。あまり焼き色をつけたくない場合は、グラニュー糖を使うとよい。(p32)

    ・とろみがつく現象をデンプンのα化(糊化)という。α化した液を加熱し続けると、デンプンの粒が壊れて粘度が下がってしまう(ブレークダウン)。事前に水溶き片栗粉を作っておけば、この現象も起こりにくくなる(p37)

    ・ヘモグロビンは血液の中、ミオグロビンは筋肉の中(p62)

    ・パスタの茹で汁には「サポニン」という天然の界面活性剤が入っている。油汚れを落とすのによし(p68)

    ・不飽和脂肪酸のように二重結合があると、酸素と結合しやすくなる=酸化しやすい。魚の油(不飽和脂肪酸が多い)が肉の油(飽和脂肪酸が多い)に比べて臭くなりやすいのはそのせい(p103)

    ・ドライアイスの白いモクモクは「二酸化炭素の気体の中に氷の粒が散らばったコロイド」(p107)。白いモクモクがないから二酸化炭素がないというわけではなく、床の方に二酸化炭素が充満していることもあるので注意

    ・熱伝導度があらわしているのは、伝わる「スピード」であり、熱容量の方は、抱える熱の「量」(p112)。(比熱)×(重さ)=熱容量。重いものほど熱容量大(p114)



    ・母乳は飲む時間によって変化する。赤ちゃんの成長度に合わせても変化する。早産で生まれた赤ちゃんに対しては標準よりも多いたんぱく質とカロリーが含まれた、未熟児の赤ちゃん対応のミルクになっている(p173)


    ・4-5歳までの記憶はほとんどない、あったとしても断片的(幼児期記憶喪失)。海馬とそれにつながる前頭葉が4-5歳になるまで十分に育っていないために起こるらしい。(p214)長期記憶を司る海馬が十分発達するのはだいたい5-6歳。それ以前に正確な知識を定着させようとしてもかなり無理があるらしい(p215)

  • 非常にわかりやすく、ド文系の僕にも理解できないところは一つもない。
    中学生くらいに、本書を用いて授業したら結構食いつきいいんじゃないかと思う。

    惜しむらくは、時折入れられるユーモアのごときものが、僕のセンスには合わなかった、ということ。

  • 4-06-154279-6 242p 2005・2・1 1刷
    ○理科系の教科書の内容を深めるためにはいい内容
    取り上げている題材が家庭内という身近なもの

  • ほぼ日での連載を読んでいたので購入。
    これだけわかりやすく科学を紹介してくれる先生が学校にいれば、もっと勉強に身が入っただろうな、と思います。

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著者プロフィール

サイエンスライター、東京大学大学院総合文化研究科特任准教授

「2023年 『科学コミュニケーション論の展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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