復興期の精神 (講談社学術文庫 750)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061587502

作品紹介・あらすじ

大胆なレトリックと弁証法を駆使して、ヨーロッパの文芸復興期を生きたダンテ、レオナルドら22人の巨人の軌跡を追求した特異なルネッサンス論。衰亡した文化の復活の秘密を探る論理の展開は、執拗かつ独創的で、読む者の意表をつき、現実の変革のためには必死の抵抗以上外に道はないと説く著者の批判精神は、鋭くそして重い。ルネッサンスを語りながら、戦時下の日本の現実の姿を浮彫りにし、「転形期にいかに生きるか」を示唆した名著。

感想・レビュー・書評

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  • 「SF魂」で。


    mmsn01-

    【要約】


    【ノート】

  • 再読。
    この本を買ったのは大学2年の時。もう20年以上前のことになります。澁澤龍彦の著書で花田清輝の存在を知り、すぐに購入しました。

    その後、何度も読み返しています。
    今回も何か発見があるかもね。

  • 終戦当時に刊行し文化再生を説いた書。世界史における数々の芸術家や文化人を対象としたエッセイだが、どの項目も実に明瞭かつ内容あるもので大変わかりやすい。正直、読んでいない作品や著者に関しての項目は理解するというよりも外枠をなぞったような理解にしか至らないが、一番の注目点は直接的な内容よりも終戦時の状況において、これだけ多岐にわたり内容深い書が特権的な部分に留まるのではなく広く大衆的に読まれたという事実だろう。
    今とは違い、本一冊が高値であり衣食住も不十分だった時代、我々は戦中や終戦時について暗愚なイメージしか抱けないが、国民の教養は遥かに高く過酷な状況においても広く読書ができるほど心が豊かだったことに回帰し、豊かな日本人の文化教養と直向きな姿勢に感銘を受けた。

  • 戦後の花田清輝については賛否両論あるだろうが、戦時中に書かれたこの本は文句なしの名著です。この不敵な文体に憧れます。

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著者プロフィール

作家・文芸評論家。1909年(明治42)、福岡市に生まれる。旧制福岡中学から鹿児島の第七高等学校に進むも、出席日数不足により退学。1928年(昭和3)九州大学文学部哲学科の聴講生となる。1929年(昭和4)京都大学文学部英文科選科に入学。1931年(昭和6)第8回サンデー毎日大衆文芸賞入選作「七」を同誌に発表、同年11月同学中退。1933年(昭和8)上京、三宅雪嶺や中野正剛らの主宰した『我観』(後に『東大陸』と改名)誌等に寄稿。1939年(昭和14)『東大陸』の編集者となり、中野正剛の弟・中野秀人らと「文化再出発の会」を結成、機関誌『文化組織』を発行。1940年(昭和15)に『東大陸』編集の職を辞し、以後サラリーマン社、木材通信社、軍事工業新聞社などの記者を務める。戦後、東京都北多摩郡狛江村に移り、『復興期の精神』、『錯乱の論理』、『二つの世界』等を刊行し注目を浴びる。1947年(昭和22)岡本潤、加藤周一、中野秀人、中村眞一郎らと「綜合文化協会」を結成、機関誌『綜合文化』を発行。同年、埴谷雄高、野間宏、岡本太郎、関根弘らと「夜の会」結成。1952年(昭和27)には雑誌『新日本文学』の編集長となる(2年後更迭)。1957年(昭和32)、安部公房、佐々木基一、玉井五一、野間宏、長谷川四郎らと「記録芸術の会」結成、機関誌『現代芸術』を創刊。この頃『アヴァンギャルド芸術』『さちゅりこん』『政治的動物について』等の著書を刊行。高見順や埴谷雄高、吉本隆明らとの論争を繰り広げたほか、文学から政治、映画、芸術に至る幅広い分野における批評活動で若い世代の思潮に大きな影響を与えた。戯曲「泥棒論語」で第1回週刊読売新劇賞、『鳥獣戯話』で毎日出版文化賞を受賞。1974年(昭和49)9月23日没。その他の著書として評論集『近代の超克』、小説『小説平家』、戯曲『爆裂弾記』等がある(一部は講談社文芸文庫として復刊)ほか、『花田清輝評論集』(岩波文庫)、『花田清輝著作集』(全7巻、未来社)『花田清輝全集』(全15巻/別巻2、講談社)等の作品集が刊行されている。

「2014年 『花田清輝批評集 骨を斬らせて肉を斬る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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