- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061592230
作品紹介・あらすじ
日本国に属しながら独自の自然と歴史をもつ沖縄。沖縄を理解するのにもっとも大切なものは何か。著者は、沖縄の「根」の底に沖縄固有の「神」の存在を見る。その神を見失った場合、沖縄は日本本土との画一化という衝撃に耐えられないのではないか。今日沸騰する各種の社会問題を解決するために、沖縄は「南島自治文化圏」を設定すべきであると主張する。沖縄問題を正しくとらえるための必読の書。
感想・レビュー・書評
-
日本国に属しながら独自の自然と歴史をもつ沖縄。沖縄を理解するのにもっとも大切なものは何か。著者は、沖縄の「根」の底に沖縄固有の「神」の存在を見る。その神を見失った場合、沖縄は日本本土との画一化という衝撃に耐えられないのではないか。今日沸騰する各種の社会問題を解決するために、沖縄は「南島自治文化圏」を設定すべきであると主張する。沖縄問題を正しくとらえるための必読の書。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【沖縄の危機と人頭税と】
「沖縄の発見は、日本民俗学にとっては最大の発見だった」と柳田は書いた。谷川健一の沖縄学は、その「発見」を受け継ぎ深化させた。
谷川が初めて沖縄を訪ねたのは、復帰運動渦中の1969年2月だった。復帰後1年を経た沖縄を再訪した谷川は、沖縄が早くも「本土資本の激流に呑み込まれ」た姿を目にする。谷川は、「沖縄の痛みを自分の痛みとすることのできない日本とは何か」と問いかけつつ、「奄美・沖縄は「南島自治文化圏」を設定する方向にむかうべきだ」と考える。
本書では、沖縄返還後の「沖縄問題」の考察のほかに、谷川沖縄学の根幹をなす「沖縄の時間と空間」論と、先島住民への「人頭税」について記述されている。
人頭税とは、薩摩藩による琉球侵攻以来、琉球王府によって宮古諸島、八重山諸島の、一定の年齢の住民すべてに課された苛酷な税である。人頭税の存在は、沖縄本島と先島との間の、「思いのほか深い違和感」の根底を現している。(本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会/門倉) -
沖縄サミット、ゴーヤーマンで急にクローズアップされた沖縄。基地があることで同情はされる沖縄。 元々、本土とは異なる文化圏にあることを説く。併せて、本土からうけてきたいわれのない差別の根源を説く。
本土の反映が沖縄を「踏み台」にしてきたとは言い古された言葉であるが、それが江戸時代からあったことを、この本を通して知った。 -
宮古島を主として歴史を当時の人々の書簡等などを用いて紹介。
人頭税に苦しめられていた時代は特によくわかる。 -
谷川健一が1960年代から90年代にかけて、新聞や雑誌で発表したエッセイやルポを集めたもの。人頭税や離島苦など、沖縄の影の部分にも光を当てた力作。