易の話 (講談社学術文庫)

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  • 講談社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061596160

作品紹介・あらすじ

儒教の重要な経典として五経の筆頭におかれた『易経』は、神秘的「占い書」であるとともに、深遠な哲学をもつ「思想書」でもある。陰陽わずか二つの要素を複雑に重ね合わせることにより、人間存在の本質と全宇宙の摂理を読みとろうとする。二千余年来の具体的な占い方を解説しながら、易とともに歩んだ中国人の自然・人生・運命観を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 易の全体像をつかむためには、一番良い本だと思う。この本を読んで初めて陰と陽の対立の性格となぜそれが繰り返されるのかを理解できたと思う

    https://mitchsato17.wixsite.com/home/post/%E3%80%8C%E6%98%93%E3%81%AE%E8%A9%B1%E3%80%8D%EF%BC%88%EF%BC%91%EF%BC%89%E3%83%BC-%E4%BA%8C%E3%81%A4%E3%81%AE%E5%81%B4%E9%9D%A2

  • 易についての一通りのことが書かれており、大枠で理解することができる。
    易が難しいのは、様々な人によって拡張を繰り返しているからなのだろうか。大きな定まった筋が見えづらく、個人個人の解釈が出てしまうのだろうか。
    「占いは天からのメセージ。でも、人は運命を切り開くことができる。」という言葉が印象的。より良い未来を作って行きたい。

  • 【文章】
     少し読み辛い
    【気付き】
     ★★★★・
    【ハマり】
     ★★・・・
    【共感度】
     ★★★・・

    卦辞をどう読み解くかは、その時の状況次第

    変化しない事は否であり、変化する事が是

  • 無難な本

  • 「占筮と義理」「易とは変易である。」「真理がつかめれば象は捨てよ」「対待観」「天人合一の思想」

  • 前半はひたすら易の実践方法でした。
    ぜひ自分でやってみたい!という人にはもってこいだと思います。
    後半ちょっとすぎぐらいから孟子、孔子などが登場して哲学のお話。
    どうも読んでいてすんなり頭に入ってきませんが、中国的な考え方がだんだん見えてきた気がします。
    「道」とか「理」とか「天人合一」とか・・・。
    我々も含めた上での「自然」があります。
    それは変化するし、しません。
    易は変化の書らしいです。

  • 先日亡くなられた金谷先生の御著。陰陽二気によって世界の成立、流転、凝集と拡散を理解する易思想の入門書。非常に平易に、しかし詳しく「易」の成立や特徴、文化的背景が述べられている。実際の占法も紹介されているので興味のある人には一読を勧めます。

  • 2009/01/18読了。
    最近、佐藤優を読んでいる影響で、彼が拠り所としているところの、キリスト教とかマルクス主義とか、西洋哲学の一端に触れることになっている。
    で、そういう思想に対して、あ〜〜なんかちがうう〜〜〜!と、「皮膚感覚」的違和感を覚え、だめだ…、東洋思想に触れて相殺しなければ!と本棚から引っ張り出して読み始めたのがこの本。

    やっぱり、私にはこっちの世界の方が素直に受け入れられます。

    いっつも西と東の思想を比べて思うのが、西の方が人間をとにかく偉い存在、他の自然物とか動物から一歩隔たった存在としているのにたいして、東洋はあくまで、人間をそこまで偉い存在として考えていないということである。
    自然に対して偉くないから、よくわからないことがあっても当然。合理主義で徹底的に覆って、その覆いきれない部分に神を想定しなければならない理由はない。
    不可知な存在があるのは自明なことであり、それは普通に生活しているうえでは基本的には人間と関係の無い存在であり、またそれに触れることは危険を伴うものである。
    だから「鬼神は敬して之を遠ざける」

    しかし、一方そうした「不可知」なものも、人間も、自然も、絶対的には一つの、共有されうる法則のうえに運行されている、だから、「不可知」であっても破綻は来さないと考えるのが、中国思想。
    とにかく徹底的に楽天的で、現実にたいして肯定的なのである。

    思考停止を伴う思想であることは確かなのだが、人間の限界性を自覚する謙虚さというものは、逆に人間を生きやすくするし、それで大丈夫、なぜなら自然と人間はつながっているからと安心できる。

    「楽天知命、故不憂」「「天を楽しみ命を知る、故に憂えず」
    降りかかってきた運命を、楽しみ、その運命を知ったら、心配はない。
    決してあきらめではない。運命を知ったなら、それに対応して動くことが求められるのが、正しい思考方法。
    なぜなら、人間もまた、「易」わる世界、自然の主体的参加者なのであるから。

    それがまた、万物変転の動きへと変わるわけである。


  • 先日亡くなられた金谷先生の御著。陰陽二気によって世界の成立、流転、凝集と拡散を理解する易思想の入門書。非常に平易に、しかし詳しく「易」の成立や特徴、文化的背景が述べられている。実際の占法も紹介されているので興味のある人には一読を勧めます。

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著者プロフィール

1920年、三重県生まれ。東北帝国大学法文学部支那哲学科卒業。文学博士。東北大学名誉教授、追手門学院大学名誉教授、日本学士院会員。2003年、勲二等瑞宝章受章。著書に、『秦漢思想史研究』(平楽寺書店)、『管子の研究』(岩波書店)、『淮南子の思想』(講談社学術文庫)などがあるほか、訳書に、『論語』『荀子』『荘子』『韓非子』『孫子』『大学・中庸』(いずれも岩波文庫)など多数。2006年、逝去。

「2022年 『死と運命 中国古代の思索』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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