金糸雀が啼く夜 薬屋探偵妖綺談 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061821316

感想・レビュー・書評

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  • 座木さんが主役にも見えるけど、やっぱ締めるとこ締めるのは秋だなぁ(笑)
    カイさんとのやり取りが笑えますw

  • 座木さんが可愛い!!
    ココまで読んだ中で1番好きですvv
    座木さんの秋への気持ちが凄く良い☆
    座木さんの心の中に疼くものが素敵でした。

  • 薬屋探偵シリーズ4。
    怪盗と探偵サイドに別れちゃうあたり、おもしろかった。イェンリーの過去が切なくてほろりときちゃった。

  • 人名がカタカナばかりで大変だった。けど、イエンリィがよかった。

  • 2〜4を購入。

  • 【 秋V.S座木?シャンデリア落下事件に挑む 】  

    読了日:2005.11.09
    分 類:長編
    ページ:244P
    値 段:780円
    発行日:2000年5月発行
    出版社:講談社ノベルス
    評 定:★★★


    ●作品データ●
    ------------------------------
    主人公 :薬屋3人+刑事2人
    語り口 :3人称
    ジャンル:オカルト風ミステリ
    対 象 :ヤングアダルト寄り
    雰囲気 :ライトノベル
    ------------------------------

    ---【100字紹介】-------------------
    リベザルに協力要請する出入りの花屋は、
    「秋には言うな」と口止めした。
    更に座木が加わり、秋V.S.座木の様相に!
    そんな中、シャンデリア落下事件が起こり
    2人が圧死、そして天井からは道化姿の死体が宙吊りに…
    ----------------------------------

    高里椎奈の「薬屋探偵」シリーズの第4作です。
    第3作は連作短編集でしたが、本作は再び長編です。


    シリーズの簡単な説明を。
    とある街の一角、まるでそこだけ時にとり残されたかのような「深山木薬店」。澄んだ美貌の少年(深山木秋)、優しげな青年(座木)、元気な男の子(リベザル)の3人が営む薬店、実は探偵事務所!?「何でも調合する」あやしげな薬屋さん。裏家業は妖怪専門のごたごた片付け屋さん。
    何故彼らはそんなことをするのか?妖怪が人間と平和裏に共生していくのに必要だから。実際のところ、そんな彼ら自身が妖怪なのです。

    彼ら薬屋3人組とほぼ同格扱いでレギュラーになっているのが刑事の二人の刑事。頭の回転が速いが少しとっつきにくい高遠、天真爛漫で深山木秋の大ファンの御(おき)。

    彼ら5人が大体の主役といってよいでしょう。


    さて、本作は5人の中でも特に座木がメインになっています。他の人々も勿論、活躍しています。これまでの作の多くがリベザルを中心に描かれるものが多かったのですが本作ではむしろ、リベザルの影が薄い印象ですね。一回休み、という感じ。

    それに、座木ファンなら必読!であるのは間違いありません、何しろ貴重(?)な座木の幼年期のエピソードが出てきますからね。薬屋さんの過去、今明かされる!みたいな。

    しかも、秋という巨大な壁(?)に挑む、座木(&リベザル&「花花」店長のカイ)という図式。さて、どうなりますことやら?

    勿論、事件はミステリ。
    これまでの路線を踏襲しています。
    つまり、密室とかバラバラとか…本格ミステリ的、というか、王道ミステリ的といいましょうか、そんな事件。
    今回は、これ!
    シャンデリアが落ちてきて、2人圧死。
    しかもシャンデリアが落ちてきた天井、がらあきですね?そこに道化師の格好をした人物がぶら下がっているわけです。勿論、遺体となってですけどね。

    いかにも不可解そうで、派手で、ああ、またやってくれた!と思いますね、思いますでしょ?高里椎奈万歳!と思わず言いたくなりますでしょ?

    え?ならない?そうですか。そんな貴方は、これはミステリ好きの戯言なんだと思って下さいませ。まったくその通り!こりゃ面白そうだね!な貴方、一緒にミステリを愉しみましょう。というか、貴方も変人ですね!同志よ!

    そして最終的に行き着いた先にあったもの…、ちょっと切ない、昔話です。


    なかなかふっくりとしていて、本文のボリューム以上のボリュームを感じることのできる一編に仕上がっています。幾つかの層構造がうまく話をふくらませているのですね。表現上のぎこちなさはまだ感じるのですが(なかなか抜けないですね、これが滑らかになったときには、相当良い作家になれると思うのです)ライトノベル作家、という枠にはくくりきれないような、巧妙さがあると思います。


    ●菜の花の独断と偏見による評定●
    ------------------------------
    文 章 :★★★
    描 写 :★★
    展 開 :★★★
    独自性 :★★★
    読後感 :★★★
    ------------------------------


    「オレ、悩みなさそーって良く言われるんです」
    「そうですか」
    「そーなんです」
                 (御 葉山、座木)

  • 今回も秋に驚かされました。いつも私の裏の裏を行くんですよ彼は!今回は座木さんの秘密も微妙に明かされました。リベザルの登場が少なかったのは切なかったですが。

  • *登場人物*<br>
    <table>
    <table border="0">
    <tr><td><font size="-1">深山木秋</font></td><td><font size="-1">妖怪。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">座木(ザギ)</font></td><td><font size="-1">イギリス出身の妖怪。妖精の一種。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">リベザル</font></td><td><font size="-1">ポーランド出身の妖怪。精霊の一種。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">剴</font></td><td><font size="-1">中国出身の妖怪。『花花』店長。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">&#33005;季</font></td><td><font size="-1">『花花』の従業員。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">高遠三次</font></td><td><font size="-1">上流坂署の刑事。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">御葉山</font></td><td><font size="-1">上流坂署の刑事。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">衒崎弥</font></td><td><font size="-1">上流坂署の警部補。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">高遠次郎</font></td><td><font size="-1">高遠三次の父親。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">琴苳絢</font></td><td><font size="-1">派遣会社社長。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">ジョセフ=マッケンマイヤー</font></td><td><font size="-1">アメリカの実業家。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">キーツ</font></td><td><font size="-1">マッケンマイヤーの秘書。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">メアリ=フェルプス</font></td><td><font size="-1">マッケンマイヤーの客人。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">ラファエル=ミラー</font></td><td><font size="-1">マッケンマイヤーの客人。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">シリル=パーカー</font></td><td><font size="-1">ミラーの元クラスメイト。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">ロス=デオドール</font></td><td><font size="-1">イギリスの心理学者。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">イアン=デオドール</font></td><td><font size="-1">ロスの妻。カウンセラー。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">ブライアブレー</font></td><td><font size="-1">イギリスの元男爵。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">ジェシカ</font></td><td><font size="-1">ブライアブレー家の一人娘。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">ロール</font></td><td><font size="-1">元庭師。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">クリス</font></td><td><font size="-1">庭師。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">ジャン</font></td><td><font size="-1">クリスの息子。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">リオン</font></td><td><font size="-1">厨房長。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">ハンナ</font></td><td><font size="-1">洗濯係。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">マーガレット</font></td><td><font size="-1">ジェシカの友人。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">マイア</font></td><td><font size="-1">ジェシカの友人。</font></td></tr>
    <tr><td><font size="-1">フランシス</font></td><td><font size="-1">ジェシカの友人。</font></td></tr>
    </table>
    <br><br>
    <p>《story》<br>
    大音響を轟かせ、きらめきとともに落下した巨大なシャンデリアは、2人の人間を押しつぶした。<br>
    だが、事はそれだけではすまなかった。<br>
    空っぽになってしまった高い天井―そこに、奇怪なものが吊られていたのだ。<br>
    だぶだぶの服をつけ、真っ白な化粧をした道化師の死体が…。<br>
    おなじみ薬屋3人組、今回の請負仕事は大変だ。
    </p><br><br>
    怜の好きな言葉・シーン<br><br>
    座=座木 葉=葉山 高=高遠<br><br>
    <p>
     葉  「オレ、悩みなさそーって良く言われるんです」<br>
     座  「そうですか」<br>
     葉  「そーなんです」<br>
     座  「誰だって、傍目成功者でも悩みは持っています」<br>
     葉  「そーいう人のは、贅沢とか言いません?」<br>
     座  「悩みに大きいも小さいもないのではありませんか? 自身の中で大小はあるでしょう。<br>
        しかし他の誰とも比べられるものではなく、この世で一番大きな悩み事は、<br>
        各個人に最も重いプレッシャーを与えている悩み各々だと私は思います」<br>
     葉  「難しいですね」<br>
     座  「そうですね」<br>
     葉  「やっぱり何かに寄り掛かってるようじゃいけないんです」<br>
     座  「そうですか」<br>
     葉  「そーなんです、よね?」<br>
     座  「御さんはそう思われてるのでしょう?」<br>
     葉  「オレのことじゃなくて、模範解答を教えてもらおうと思ったんです」<br>
     座  「例えば宗教は、その人がそうだと感じたから神があり、そうだと信じたから信仰があるのです。<br>
        それは個人の自由で、他人がとやかく言えることではないでしょう?<br>
         貴方が堂思うのかが一番重要なのではありませんか? 悩むのも選ぶのも信じるのも、<br>
        そして幸せを掴むのも貴方自身なのですから。私に口出しは出来ません。<br>
        出来るのは独り言のお相手と、こんな人間もいるのだと例をあげるくらいです。<br>
        ―――突き放すようで厳しいかもしれませんが」<br>
     葉  「模範解答はないんですか」<br>
     座  「『体内に溶けてこそ真実』だそうですよ」<br>
     葉  「にゃ? 諺ですか?」<br>
     座  「秋の創作です。<br>
        『どんなに本物らしく思えるものでも、理解して受け入れられない限り、数多く存在する事実の一つでしかない』。<br>
         こうした方が良いと頭で理解しても、心から思わなければ偽物です。<br>
        これも考え方の一つなので、賛同は求めませんが」</p>
    <br><br>
    <p>
     高  「何もかもにしがみつくのはもう止めたんだよ。<br>
         譲れない―――手を抜いてはいけない場所が分かったから、こだわる必要のないものが見えたんだ」<br>
     葉  「?」<br>
     高  「寄り掛かる事は容易い、一人で立つのは辛いと葉山君は言ったが、それは違うと思う」<br>
     葉  「違いますか?」<br>
     高  「違うと言うか、そう、適性の問題だよ。<br>
         執着を持つ事は悪い事じゃない。ただ持たない方が自分でいられる人間もいる、それだけのことなんだよ。<br>
        執着を持つか持たないか決めるのも、執着を持つ対象を選ぶのも」</p>
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  • 内容(「BOOK」データベースより)
    大音響を轟かせ、きらめきとともに落下した巨大なシャンデリアは、2人の人間を押しつぶした。だが、事はそれだけではすまなかった。空っぽになってしまった高い天井―そこに、奇怪なものが吊られていたのだ。だぶだぶの服をつけ、真っ白な化粧をした道化師の死体が…。おなじみ薬屋3人組、今回の請負仕事は大変だ。

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著者プロフィール

茨城県出身。芝浦工業大学工学部機械工学科卒業。1999年『銀の檻を溶かして』で第11回メフィスト賞を受賞しデビュー。著作に、デビュー作を始めとする「薬屋探偵」シリーズ、「ドルチェ・ヴィスタ」シリーズ、「フェンネル大陸」シリーズ(以上、講談社)などがある。2019年5月に「うちの執事が言うことには」が映画化された。

「2023年 『雨宮兄弟の骨董事件簿 2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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