紫骸城事件 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061821842

感想・レビュー・書評

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  • 犯人発表まではすごくすごく面白かった。ファンタジーだからこそ種明かしというか理由付けが理屈っぽくなっちゃう感じ。大オチもしっかりあってとても面白かった。

  • 事件シリーズその2で、今回もファンタジーとミステリーの融合。
    ミステリー部分がファンタジー要素に依存しすぎている感もあったが、全般的に読みやすくて面白い作品であったと思う。

  • 戦地調停士シリーズ 第2弾。
    前作の殺竜事件を読んでから7年も積んでいた。
    シリーズは続けて読まないとダメですね。
    科学ではなく魔法で文明が成り立った世界。
    今回の舞台は、悪意を溜め込んで出来た脱出不可能な紫骸城。
    そこで開催される限界魔導決定会で連続殺人事件が勃発。
    EDやヒースロゥの出番は最後にチョットだけ。
    しかしEDから事件の真相を聞かされるまで
    全然わかりませんでしたぁ。やっぱり推理は苦手です。
    でも、ようやく雰囲気を掴んだので続きを読みます。

  • 事件シリーズ2作目。かつて世界を恐怖へと陥れた魔女が造ったという紫骸城。そこで行われる魔術大会で起きた不可解な殺人事件。それは魔女の呪いなのか、それとも人の手によるものなのか。審判としてやってきたフローレイドはロボットのU2Rとともに事件の謎へ挑む。

    今回は魔法がメインテーマ。前回ではそこまで深く触れられなかった魔法。その原理から応用までいろんな表情が描かれ、物語の鍵にもなっている。今回もファンタジーとしての読み味とミステリー要素を兼ね備えた作品。特に犯人が仕掛けたトリックは盲点だったので驚かされた。読み直してみると丁寧に伏線も張られていて、ファンタジーとミステリーのギリギリを狙っている感じが楽しい。舞台となっている紫骸城というロケーションも不気味なクローズドサークルになっていて、綾辻先生の館シリーズみたいで面白かった。

    前作と同様、単なる謎解きではなく戦地調停士という立場から導かれる結末が用意されているのもポイント。前作で話に出てきたミラル・キラルが異様な存在感を放っている。後半で語られた血統の話がとても印象に残った。
    「優れた血統などという発想は、生物存在の根本を考えるとき、本質的に矛盾した考え方ですよ。生物は自分とは異なる異性と交配することで、違う生物を産み出す可能性を繰り返していく存在なんです。自分とは違う存在になるからこそ、親は子供というものをつくる意味がある。親と同じとか、受け継いでいるとか、それは結局、ただ本来ならば変わっていくはずのものをただ停滞させているだけという、世界の“流れ”という視点から見ればそれはただの“落ちこぼれ”なんですよ。」
    こういう哲学的な内容が零れ落ちてくるところが上遠野作品の好きなところでもある。

    「最善というのは、所詮それだけで、その後というものがない─だが次善を良くしようという意志は、その決断以外のことにも広がっていく」
    この言葉も好き。最善を選ばなければと思いがちなんだけど、そう思うほどにプレッシャーと最善以外はミスという意識にとらわれるんだよね。次善から広げる方が余地が生まれていいのかもなと感じた。

  • 調停士の1人であるミラル・キラルが登場する。

    この作品にでてくる2人の魔女と、ブギーポップの2人の魔女とのつながりが非常に気になるところ。

    禁涙城でも海賊島でもけっこういい約のニーガスアンガー師がのっけから死んでしまうのは非常に残念。
    (死んでしまうからこそ、後の作品に登場させたのかもしれないが)

    仕掛け的には、飲み物を飲むという動作を魔法によって忘れさせられた人たちが、
    その副作用で次々と死んでいってしまうというかんじ。

  • 前作で名前の出てたミラル・キラルが登場。
    フローレイドが嫌味のない人物で、真実を知るにふさわしいと言える。

  • 「殺竜事件」と同じく、基本ファンタジーなんだけどミステリに寄ってる作品。しかしミステリに寄る意味はあるのだろうか…。状況的に「殺人事件」とするのは逆に不自然な気が。犯人探しとか解決編とかの体裁を取らなくても、普通に書いたっておもしろくなるんじゃないのかなあ。あと謎の数が多いかな…そんなに詰め込まなくてもいいのでは。

  • “事件”シリーズ第2段。伝説の魔女が作り上げた城塞を舞台に、密室状況で起こった大量虐殺事件の謎を解く。

    前作から語り部を変え、探偵役も名前とその仕事ぶりのみ登場していたエドの同僚ミラル・キラルが務める。

    事件が発生した状況もあって『殺竜』より、よりミステリらしい。とは言え相変わらず魅力的な世界観や登場人物の方が気にかかる。
    一応事件は解決するもののミラルキラルの“調停”は噂通りのえげつなさ。
    犯人を確保したのが彼らならどうなっていたことやら…。

  • 確かにしーなはミステリなら読むって言ったのですよ言ったのですよ!そこでまさかのファンタジーミステリ!!1勧めてくれたお友達に小一時間……( ´∀`)まさかの厨2設定本当にありがとうです( ´∀`)伝説の魔導師の世界を滅ぼし兼ねない戦いから300年経った、魔のお城での天下一武道会で殺人が……とゆー今まで読んだ事もないミステリだったのです( ´∀`)最後の方を読んでいて危うく電車降りそびれる所だったのですora これシリーズだったらどうしよう……(´Д`;)

    • Aに椅子さん
      てゆーかこれシリーズだったのです(´Д`;)あわわ
      しかも『紫骸城事件』は2作目……しかも5冊出てるのですか……(´Д`;)
      てゆーかこれシリーズだったのです(´Д`;)あわわ
      しかも『紫骸城事件』は2作目……しかも5冊出てるのですか……(´Д`;)
      2013/09/15
  • 300年前、魔女リ・カーズが宿敵オリセ・クォルトを迎え撃つ為に造られた紫骸城。その紫骸城は今、限界魔導決定会の会場となっていた。

    今回も次々と魔導師が集結する中、前大会優勝者の死体が突如として“現れる”。それは、これから始まる大量殺人事件の幕開けにしか過ぎなかった。

    双子の戦地調停士ミラル・キラルが登場する、事件シリーズ2作目。

    今作は、魔法がしっかりと利いていたので良かったと思います。ミラル・キラルも、このシリーズならではの独特な世界観にマッチしていて良かった。

    ただ、前作が好きだった人たちには賛否両論ありそうな予感。僕はどちらも好きですが、強いて言うなら今作がわりと好みです。きっと、あまり深く考えずにファンタジーを強く意識して読んだからかもしれません。

    とはいえ、最後の方で「やられた!」と思いました。この驚きこそ、ミステリだと僕は思っています。そういった意味では、ファンタジーとミステリの融合は成功しているのではないでしょうか?……ちょっと言い過ぎかな(苦笑)

    これからどんな展開を見せるのか、ますます事件シリーズを読むのが楽しみになりました♪

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著者プロフィール

第4回電撃ゲーム小説大賞〈大賞〉受賞。『ブギーポップは笑わない』ほかシリーズ著作多数。

「2019年 『ブギーポップ・オールマイティ ディジーがリジーを想うとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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