ネジ式ザゼツキー (講談社ノベルス シC- 17)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 456
感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061823419

作品紹介・あらすじ

記憶の一部をなくした男が書いた奇妙な童話『タンジール蜜柑共和国への帰還』。蜜柑の樹の上にある村、ネジ式の関節を持つ妖精、人工筋肉で羽ばたく飛行機-。そして彼の肩甲骨には翼のなごりがあった!妄想としか思えない男の話から、御手洗潔が導きだした真相とは何か-!?驚愕の結末が待つ本格ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 前知識ゼロだったので、展開の予測が全くつきませんでした。島荘なら期待を裏切らない筈!と思って読んでいくと……いや、遥かに上を行っていました。知識の洪水と壮絶な論理の果てに浮かび上がる、哀し過ぎる男女の物語。表紙(ノベルス)もカッコいい。最高です。

  • 一見意味不明な童話が、驚くべき真実へと繋がっていく。そのストーリーが唯一無二で面白かった。

  • ハァアそういう動機……!!

    と、仕掛けそのものより、一見奇怪極まりない殺人の状況が、謎が解けてみればするすると全容が表れてくるのが快感。
    もちろんここまで理論を構築する手腕に感服。
    が、小説として面白いかどうかは甚だ疑問。別に御手洗をぶっ飛んだキャラにしろとも思わないが、特に彼でなくても、という印象。
    音楽の伏線は非常に魅力的でありました。

  • 御手洗潔シリーズ。

    記憶の失くした男が書いた奇想天外な世界観の童話。その童話の奥に隠された男の実体験を御手洗が解き明かす。

    現実ではあり得ない世界を描いた童話を如何に現実事へと帰結させるか。ハインリヒじゃないけど、まさかこんな結末で終わろうとは、童話の語りの時点では全くもって予想できなかった。ビートルズ世代でもないので、途中のBだかSだかの分類の仕方はいまいち理解が追いつかなかったけれど、それなりにスッキリとさせてくれるものだったと思う。本格ミステリとして素晴らしかったデス。
    ただ、シリーズモノとしては、御手洗感がいまいち感じられなかったかな。御手洗本人の視点だったからか、いつもの奇天烈感が薄まり、頭脳は勿論明晰だけれど普通の人っぽく思えて、私のイメージする御手洗とは全く別人だった。まぁ、本人視点で無理に奇天烈感を出すのも変だけど。というか、御手洗本人は自分のことをあれで普通人だと思っているのかも(笑)

  • 他の追随を許さない島田ワールド。エンジン全開です!。

  • 最初どこに向かうかわからなかったが、ゴールが掴めてからはすらすら読めた。作中の童話を推理に使う。推理及び捜査のほとんどが電話かインタビューである。などユニークな構成になっている。そこが面白いのだが、僕はステレオタイプな人間なので、カタルシスを感じにくかった。もちろん、トリックはすごい。トリックと呼ぶのが正しいかはわからないが。ホワイダニットということでいいのだろか。また御手洗が外へ出る描写がないというのも面白い。逆に、会話のみになるので、人物のアクションはほとんどなく、退屈に思えるかもしれない。全体的にユニークな作品で楽しいことは楽しかった。

  • タンジール蜜柑共和国のかわいい名前に騙されたらだめ。超本格ロジック。

  • 海外に出て、肩書きが派手になるのに比例して、犯罪、トリックは地味に、御手洗はただの頭の切れる人になっていく。再び無職になって日本に舞い戻れば、奇矯な言動で馬鹿トリックを解決する超人・御手洗が見られるのかもしれない。ただ、戦前の日本軍を貶めて、社会派の雰囲気を出すのはやめてほしい。これは御手洗シリーズの唯一の瑕疵だと思う。

  • なんだか色々すごかった。ある男の欠落した記憶を取り戻すために、御手洗潔の頭脳がフル回転する。欠落した部分にはめ込まれた物語、作中作の「タンジール蜜柑共和国への帰還」が面白い。単独でもファンタジー的な世界観を楽しめるし、全ての謎が解けた後にもう一度読むと、現実と記憶の絶妙なミックスに感動する。タイトルの“ネジ式ザゼツキー”は、ある意味全ての始まりであり、答えでもある。

  • 御手洗潔シリーズです。

    今回は、不思議な童話のような話から
    謎解きをしていき、
    不思議な殺人事件が出てきて、、、

    全く結びつかないようなところから
    意外な展開になるところが面白くて
    著者の知識の豊富さに関心しながら読んでいました。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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