ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061824782

感想・レビュー・書評

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  • 罪の重さについて、その個人によってどう考えるのが、違ってくることをしみじみと実感し、難しい問題だと思いました。

  • 面白くなかった。

  • ふみちゃんが心配で、ふみちゃんのために、ふみちゃんのためにと行動しているそれは結局は自分のエゴでしかなくて、それに気づかされて、苦しい思いの中でだした僕の答えに驚いた。私はこの本を初めて読んだのは中1の頃ですが、中3の今でも何度か読む、特別な本です

  • 01/23/2015 読了。

    図書館から。

    罪・罰・復讐・善・悪…等々、
    主人公の「ぼく」が自分のもつ能力ゆえに
    すごく深いことまで考えながら、葛藤している作品。
    正解がないから、酷く難しいとも思う。

    能力自体は使い方が分かれば、
    秋先生の様に割り切ってしまえば、
    たぶんすごく復讐向きのもので、だけど
    与える影響も自分の匙加減で大きく変えてしまうもの。
    だから、このタイトルなんだなぁ…と。

    作中で「ぼく」がとても大事に思っている
    ふみちゃんがキーホルダーの代わりに
    メジャースプーンをランドセルに付けていて、
    その意味でも主人公にとってはお守りみたいなもので。
    ふたつの意味合いがあるのでしょうね。

    相手のことを思っているようで、自分の為に、
    自分の罪悪感の為に、ふみちゃんへの気持ちを
    認められない主人公が健気というより、
    痛い位に責任感があるというか…。

    ふみちゃんがすごく大人びているけれど、
    子供なところもあって、魅力的な人物。
    だからこそ、「ぼく」の行動に驚くけれど納得も
    出来る、と思う。

    以前に読んだ「冷たい~」と「子ども~」は
    最後の展開が少し残念だったんですが、
    これは1作通して、すごく好きでした。

    じわっと涙腺が潤んでしまった。

    蛇足ですが、
    「子ども~」の作中人物が何人か登場していて
    そういうつながりもよかったです。

  • 小4の主人公が友達のふみちゃんを傷つけた人物に能力を使って復讐する話。一見単純で大したことのない能力だけど色々な使い方が出来る凄い能力。主人公の考えることが凄く大人びていて驚いた。ふみちゃんを本当に大切に思ってるんだなと思った。

  • ぼくは小学4年生。不思議な力を持っている。
    「⚪️⚪️をしろ。さもなければ△△になる」と言うと、言った相手はそれをせずにはいられなくなる、呪いのようなものをかけられるのだ。その力は、1人に対して1回しか効かない。本気で思い、特別な声で言わななければ発動されない。同じ力を持つ、親戚の大学教授でもある秋山先生曰く`条件ゲーム提示能力`だ。

    ぼくの小学校で飼っていたウサギが殺された。幼馴染のふみちゃんは、ウサギが大好きだった。無残に切り刻まれたウサギを発見し、犯人を目撃したふみちゃんは、その事件以来、心を閉ざした。
    ふみちゃんを心密かにに尊敬し、好きだったぼく。
    しかも、ぼくのウサギの世話当番を変わったがために、ふみちゃんに、そんな現場を目撃させてしまったのだ。

    ぼくは、ぼくの力を使って犯人に一矢報いたいと考えるようになった。ぼくの力を使うべきでないという母は、秋山先生のところにぼくを通わせた。ぼくは、ウサギ殺しの犯人の罪と罰を考えるようになる。
    犯人は本当に反省しているのか。
    犯人をどうしてやりたいのか。罰を与えるとは、どういうことか・・・。

    そして、ぼくの出した答えとは。


    面白かった!
    小学4年生?こんなに大人っぽいか???とは思う。実際、中学生でも、平均してもっとアホなのでは?だいたい、小学生が主人公でも、これは小学校の学校図書館に置く本でもない。読み手はやはり中学生〜大人であろう。
    その実際年齢との違和感を差し引いても、面白い。

  • 2014.11.3読了
    「怖かったでしょう。よく、頑張りました」。読み終わって私もそんな気持ち。この子たちはこれからも頑張っていくことになるんだろうけど、幼い子供たちが苦しむ姿は辛い。復讐って何だろう。きっと正解はない。それがまた悔しい。秋山先生の言葉に、私も考えさせられた。

  • いい話でした。
    たくさんの大人たちに見守られて成長していくなかで、実は、子どもたちだけでも勝手に成長していってる。
    人間ってすごい!

  • じっくり思考できるよい話だった。

  • 辻村深月の『ぼくのメジャースプーン』を読了。辻村作品は二作目になるが、これまたいい作品だった。

    本作のテーマは、「罪と罰」といったところだろうか。主人公である小学4年生の「ぼく」は、幼馴染みのふみちゃんをウサギ惨殺事件のショックから立ち直らせるため奮闘する。

    「ぼく」は特殊な力を持っていて、同じ力を持っている先生の元へ相談に通う。ふみちゃんをあんな風にした犯人に復讐したいと。この犯人は決して更正できそうにもない悪。反省すらもしそうにない。

    それにしても、動物を殺すと器物破損罪に問われるというのは本作を読んで初めて知った。これは驚いてしまった。扱いがあんまりというか…。例えば、何年も一緒に家族の一員として過ごしてきた犬や猫が殺されたとしても、犯人は器物破損罪で終わり。これではやり場のない怒りが生まれる。動機としては、面白くて殺したなんてところが大半だろう。家族にとっては絶対に許せないはず。

    でも、誰だって蚊のような虫は殺したことある。何の罪にも問われないから。ゴキブリだって出てくれば殺す。同じく殺しても罪は無いし、邪魔にしかならない。しかし犬猫は殺せない…罪は軽いにしろ、器物破損罪に問われることになるし、普通は殺さない。

    なら、虫や犬猫を殺すことでの罪に問われる境界線はどこなのか、あるいは何なのか。理屈では、どれも同じ命に変わりはない…。

    先生によって説明される罪と罰。これは大人にも簡単には答えが出せない深い深い問題だ。

    最終的に犯人に対して「ぼく」が取った行動は、決して正しくはなかったかもしれないけれど、読者には気持ちが伝わるはず。そう信じたい。

    それと、印象深い言葉がありました。

    「人間って、絶対に他人のために泣いたりできないんだって。誰かが死んで、それで悲しくなって泣いても、それは結局、その人がいなくなっちゃった自分のことがかわいそうで泣いてるんだって。自分のためにしか涙が出ないんだって」

    命の重さや罪と罰など、改めて色々と考えさせられる素晴らしい1冊だった。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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