ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ ! (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061825253

感想・レビュー・書評

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  • 2014.3.5再読 処分

    メフィスト賞受賞作。
    「読者が犯人」という究極のトリックに挑戦した作品。
    読後数年経っても忘れられないインパクトがある。
    残念なのは、これが本という形態だったこと。
    もし新聞で毎日読んでいたなら、確かに私が犯人だ!と思わざるを得なかったかもしれない。
    文章は読みやすいが、若干冗長な感じはした。
    装丁がSFチックだなぁと長年思っていたのだけれど、口コミで真ん中の銀部分が鏡だということに気付いた。
    なるほど…。

  • なんだか…うぅーん。と、いった感じ。
    いまいち腑に落ちないというか。なるほど!とは思えない。

    なんか、公園のベンチに座ってたら目の前で人がころんで、あらら〜と思ってたら「あなたがそこにいるから私は転んだんだ!」って言われたみたいな読後感。

  • 第36回メフィスト賞受賞作品。
    あなたは超能力を信じますか。
    ある日主人公のもとに
    一通の手紙がくる。
    「ミステリー界最後の不可能トリック
    を用いた<意外な犯人>モノの小説を
    買ってくれないか」
    究極なトリックとは何か?

    驚愕必至、境界朦朧、錯覚錯綜。
    読み終えたあなたは、どう思うでしょう?
    不思議な気分になるかもね。

    比例反比例。エレガント。
    ミステリを読む人も読まない人も
    ウロンに楽しく読書できるでしょう。
    これぞ講談社ノベルquarity。

  • ミステリとして読み進めた自分としては、

    そりゃないよ!

    です。
    でも、伏線はきちんとはってあって、論理は破たんしていない。
    だけどちょっと、ぎりぎりです。。

  • 2007年。第36回。
    作家にある日手紙がくる。犯人が読者だというトリックを1億で買って、と。それから手紙がくるようになる。意味不明の覚書も。
    一方、超心理学の研究をしている教授のところで話や実験を見る。
    コロンビア人が殺される。手紙は新聞に連載されている。容疑者が手紙の差出人。逃亡先で心不全で死亡。
    トリックはあえて書かないが、ふーん。

  • 「『読者が犯人』というアイディアを一億円で買ってほしい」という手紙がある作家の元に届くところからこの話は始まります。ストーリー自体にそれほど盛り上がりがあるわけではないのですが文章は読みやすく究極のトリックを期待しながらさらさらと読めてしまいました。最後まで読んでみるとなるほど「読者が犯人」です。ちゃんと伏線もあってしっかりトリックとして成立していると思いますし、読み終わってみると余計な部分もなく綺麗なよくできたストーリーだと思います。ただ、副題通りに「犯人は私だ!」と思うのはちょっと厳しいかも。

  • 古今東西ミステリーにはたくさんの意外な犯人が登場してきた。そんな中、読者が犯人というのは、確かに群を抜いて突飛な犯人像だし、その発想は面白い。

    物語は、新聞に小説を連載している主人公のもとに、読者が犯人というミステリー小説の不可能トリックの原案を買ってくれという手紙が届くところから始まる。

    一見関係なさそうな超心理学の実験や差出人の覚書が、後半見事に繋がっていくのが読んでて心地いい。
    この作家さん、過去に数作しか読んだことないけれど、後半の畳み掛けるような展開が印象的だった。今作はデビュー作だけど、すでにその片鱗は見える。

    タイトルの「ウルチモ・トルッコ」は、イタリア語で究極のトリックという意味だそう。
    確かに読者が犯人と言えばそうなんだけど、状況が特殊すぎて、やや無理矢理感があるかな。
    でも、デビュー作だからこそか、挑戦的というか意欲的というか。サイトレビューを見ると評価は低めだけど、個人的には悪くない読後感。

  • 図書館で。
    読者が殺人犯!という斬新なアイディアだけどそこに持っていくまでが結構長く、ちょっと飽きました。特に超能力実験の辺りはふぅん、という感じで。
    というか読者が犯人というよりは、被害者の「俺、皆に注目されてる、うっわ」というような自己妄想?のような思い込みが原因のような気がしました。
    大変申し訳ないけれども今の新聞の発行部数とさらにその小説をどれだけの人間が毎日目を通しているかを考えると…ねぇ。自分で自分を殺したって感じじゃなかろうかななんて思いました。

  •  メフィスト賞受賞作らしい作品でした。
     ストーリーの展開や落ちはともかく、有馬さんのこだわりの強い性格とか、語り部の奥さんの他人に過干渉な性格が受け入れられなかった。
     あと、超能力の話題が相当出て来るんだけど、まぁ意味なくこれだけ描写されるわけがないから、何かしら関係するんだろうなぁとは思ったけど、超能力にあまりに興味がなさすぎて、殆ど飛ばし読みした。

  • 本気で「犯人は読者」を信じてたわけじゃないけどー、うーん。挿入される古瀬博士の超能力ネタ、面白かったけど、唐突で不自然でギクシャクし過ぎて、いかにも伏線。

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著者プロフィール

1963年、山形県生まれ。2007年に『ウルチモ・トルッコ』で第36回メフィスト賞を受賞してデビュー。2011年に短篇「人間の尊厳と八〇〇メートル」で、第64回日本推理作家協会賞を受賞。2014年、『最後のトリック』(『ウルチモ・トルッコ』を改題)がベストセラーとなる。2015年刊『ミステリー・アリーナ』で同年の「本格ミステリ・ベスト10」第1位、「このミステリーがすごい!」6位、「週刊文春ミステリーベスト10」4位となる。

「2021年 『虚像のアラベスク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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