- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061826038
感想・レビュー・書評
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例によって例の如く孤島での連続殺人。前作との間にブランクがあるせいか、今回は事件前の余剰な部分が大幅に削がれて、ぎゅぎゅっと凝縮されている印象。DNA捜査等の科学捜査が発達した現代において、本格ミステリ的ガジェットを用いた殺人事件をいかにして描いていくのかに挑んだ作品であり、実際に“顔のない死体”が未だに通じるものであることを証明した小説でもあります。でも、ミリユリ(と石崎さん)の雰囲気にはガチな殺人よりも、どこか牧歌的な日常系の謎解きをゆるゆると行う方が合っているように思いました。
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■大手スーパーKONO堂は、伊豆沖の孤島にある、経営破綻したテーマパークを買収。その再建のため、本社から島に派遣されたスタッフが惨殺された!死体は棺に入れられ、そこには一通の封筒が。手紙の主は、10年前にKONO堂で起きた殺人事件の復讐者を名乗る。孤島を舞台に巻き起こる連続不可能殺人!事件の背後にある深い闇とは。
■■ものっっっすっごく久しぶりに帰ってきてくれたこのシリーズ。だけど間が開きすぎているのか、ミリア達と石崎さんの絡みにあまり精彩がない・・・気がするのはわたしだけか?今回孤島の中で起こる連続殺人事件。正直物語が単調すぎてハラハラ感も危機感もかなり薄いし、盛り上がりも少ない。けど、今後を期待。出来ればもっと速いペースで次巻を出してくれたらなぁと。物語の結末は、気に入りました。 -
一応のエンディングを見せておきながら実は・・・って展開はかなり好きです。
読み終わったのが数日前で、ほんとうは内容をあんまり覚えてないんですけどね、
3人のボケツッコミが読めればそれだけで幸せだよ。
シリーズは、一冊を残して読んでしまいました。
あとは「≠の殺人」だけなんだけど、これは区内図書館に蔵書が無いんだなあ。
でも、猟奇殺人が起こるらしいから読まなきゃね。
新作出ないかなあ。 -
連続殺人事件の種明かしはまずまず面白かった。
この作者はコメディ・ミステリだと判って読んではいるのだが、東川篤哉さんほど好きになれないのは何故だろう。
今回、作者が作品の中で女子高生の会話の区別がつかない!とか自ら指摘している辺り、メタ的で面白いのだが、そこが逆に私がこのミリア・ユリシリーズへのめり込めない理由なのかなぁ…。
あともう少しで私の好きな領域に入りそうなのに入れない。不思議。 -
ミリアとユリの女子高生コンビと冴えない
サラリーマン「石崎」( 本格ミステリマニア)との
掛け合い漫才をメインにしながら島での
連続殺人事件が起るという一つのパターン化
した良質ギャグミステリ。
今作も事件が起るまでのギャグパートも
キレキレで失笑の連続ですw。
その事件と言えば大掛かりな連続殺人事件で、
バンバン人が殺されます。ちょ、ちょっとこんな
雑な展開ってw。しかも恐らく読んでる方の
大半はその基本トリックは気が付いていながら
事件が進行するという新喜劇のような安定感。
真相も作中の「石崎」が証すように
本格の「ソレ」とは違った着地を見せ、ある意味
コチラ側をも見事に騙した珍作か!? -
爆笑コンビ、ユリ・ミリの久々の登場。
作者と同じ名前を持つ石崎さんと、ユリア・ミリの爆笑コント推理物。
200ページぐらいしかないのに、60ページぐらいまでボケてます。
しかし、ここは一応の本格物。 陸の孤島にて次々と棺の中に入れられた死体が発見される。
犯人は? 動機は? 手口は???
とりあえず、本格物と愉快な仲間達、という雰囲気。
たまにはこういうのもありかと。
ってかこのシリーズ大好き。 -
リアリティとか現実感というものがほとんど感じられなく、また「孤島物」にあるサスペンスもない。
まるで書割のような舞台と、ト書きのような展開と文章。
なんとなく、昔よりもさらに作り物風味が増してきているようであるが、主人公三人の会話のおかげで読みやすい。
しかし、そのトリックはなかなか感心させられた。
何もかもが不自然な所が、一つの謎に奉仕しているという点だけがミステリとしての「作り物としての魅力」を高めているような。
しかし……もう少し文章力が付かないものかと。 -
香織が封筒を受け取る。その横で斉藤は放心状態のようになって棺の中を見つめている。
香織が封筒から文書を取り出した。
文書には以下のように印字されていた。
第一の復讐
第一の復讐として,辻野宏に正義の鉄槌を下した。
己の行った罪と同じ苦しみの炎に焼かれ地獄に陥ちるがいい。
復讐者
(本文p82)