人面屋敷の惨劇 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061827905

感想・レビュー・書評

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  • 子供の誘拐事件の被害者の家族会が、犯人と思われる資産家宅に突撃訪問して、事件が起こるというさく。
    この作家さんの本は久しぶりだか、館ものではなく、心理戦的な話なので、読み進めていくと、若干の違和感あるかも。文章はわりと読みやすいのですが、プロットがなんとなく支離滅裂な印象。疑わしいと報道されているヤツの家に突撃するのも、今だったら迷惑系YouTuberみたい。結末も個人的には「何それ」という感じ。カタルシスはなし。
    後、結構グロいです。子持ちにはきつい。

  • ほんのりハッピーエンド風味なのが気持ち悪い、っていう新しい後味のジャンルなのか…?

  • 連続幼児失踪事件は未解決で10年が過ぎ、容疑者の新たな噂に一縷の望みをかけた「失踪児童家族会」6人が乗り込むが、家族会の独りが容疑をかけた男を殺害し、独り身のハズの男の娘(失踪した幼児のひとり)が対決モード・・・警察への届出をする前に、幼児誘拐疑惑の払拭をかけて内部で捜査をする中で新たな犠牲が・・・人物描写が違和感あって、最後まで読んでも容疑者男の行動の意味が分からず、思わせぶりなラストを書いた意味が分からないが、推理部分のロジックは良かった

  • 館物だけど、トンデモな設定と落ち着きすぎてる謎の女子高生。この2人の懐いた「子供」はいいけど、他の子供たちは…。結局この事件の大元の犯人はちょっと狂ってるなぁと。
    行方不明の子とかがこういう状況だったら怖い。

  • 連続幼児失踪事件が未解決のまま、10年が過ぎた。当時週刊誌に誘拐の容疑をかけられた資産家の男の屋敷に、今また不穏な噂が囁かれる。独り暮らしのはずのその家に、若い男女が出入りするのが見られた、と。失踪児童家族会のメンバー6人は、我が子が生きて監禁されていることに一縷の望みをかけて、人呼んで「人面屋敷」に乗り込むが…。
    なかなかにトンデモな設定に、セックスしないと…ならぬ、「殺人事件を解決しないと出られない部屋」。いつもの石持節である。
    ミステリとしては、一応基本はちゃんと押さえられており及第点。思うに、凡庸なネタを派手なデコレーションで見せるのが、この作家の芸風なのか。すっきりとオチないのもいつもどおりだが、ネタがネタだけに、いつも以上に投げっぱなし感が強い。いくらカネがあろうと、(過去と現在と未来の)あの状況をどうにかできるとは思えないのだが。
    クールな美少女とか、「彼女の若さと美しさに嫉妬しているんだろう」とされるヒステリックな「中年女」とか(しかも、それを女性キャラに言わせているところが卑劣な日本男児しぐさ)、ワンオペシンママ(ちなみに死別である。そこんところにこだわるクソどものために付言するならば)は「ろくに働けないんだから、まともな仕事に就けなくても当然」とか、いいかげんにしろと言いたくなる十年一日な女性蔑視表現で星1つ減。

    2019/10/19読了

  • 10年前の連続幼児失踪事件の「家族会」が乗り込んだのは当時容疑者と目された男の住む通称人面屋敷という冒頭から、薄ら寒い展開の後に待ち受ける推理劇。相変わらず無理矢理クローズド・サークルに持ち込み、登場人物が推理をせざるを得ない状況に持ち込んでくる様が凄まじい(褒めている)。今作ではヒステリックに行動する人物が混ざっているのがややらしくないと言える点だが、それすらも結局は論理に乗せられて動かされる辺りは実に苦い。子どもはいるのかいないのかという謎について、終盤で開陳される狂気はやや悪趣味ではあるが、それを受けて微妙に希望のある未来を見せる結末は良心だろう。石持ミステリらしい狂気が支配するストーリィでした。

  • 館シリーズを意識しているそうである。なるほど。
    淡々と進むんだけど結構怖い。

    個人的にはもう少しすっきり終わって欲しいところだが、物理でなく状況で閉鎖空間にするというのは面白い。

  • 「人面屋敷の惨劇」というタイトルのわりには、やけにあっさりとした物語だった気がする。
    序盤から中盤へかけての屋敷内での探索に時間をかけたため、本当に怖ろしい真相がさらりと流されてしまった感がぬぐえなかった。
    「惨劇」という言葉は、現実に起こっている目の前の事件のことではなく、警察も突き止めることができずに隠されてしまった過去の事件のことを指しているのだろう。
    クローズド・サークルで起きる事件を謎解いていく過程は面白い。
    犯人の候補はたった6人しかいない。
    しかも、それぞれ2名ずつのペアでアリバイは証明されている。
    異常な心理状態の中で疑心暗鬼に陥っていく人。
    その重圧に耐えられずに自滅していく人。
    冷静に事態を分析し、真相へと近づいていく人。
    限られた時間の中で犯人が選んだ殺害方法には疑問も感じるけれど、登場人物それぞれの性格設定がわかりやすく描かれていて、読んでいて混乱することもない。
    読みやすい物語だった。

  • 2012.2

  • やっぱりこういうのは結末が大事なのであって、過程がおもしろいのはもちろんなんだけれど、結末がすっきりしたものであって欲しかったなーと思ったり。結局どうやってーん!って思ってしまう感じやったので、あれかな、続きができるように書いたのだろうか。むむむ。

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著者プロフィール

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。2002年『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。03年『月の扉』が話題となり、〝碓氷優佳シリーズ〟第1弾となった05年『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)が 「このミステリーがすごい!」第2位。同シリーズの最新作に『君が護りたい人は』(祥伝社刊ノン・ノベル)。本作は『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)の続編。

「2022年 『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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