人面屋敷の惨劇 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社 (2011年8月4日発売)
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本棚登録 : 287
感想 : 61
3

「人面屋敷の惨劇」というタイトルのわりには、やけにあっさりとした物語だった気がする。
序盤から中盤へかけての屋敷内での探索に時間をかけたため、本当に怖ろしい真相がさらりと流されてしまった感がぬぐえなかった。
「惨劇」という言葉は、現実に起こっている目の前の事件のことではなく、警察も突き止めることができずに隠されてしまった過去の事件のことを指しているのだろう。
クローズド・サークルで起きる事件を謎解いていく過程は面白い。
犯人の候補はたった6人しかいない。
しかも、それぞれ2名ずつのペアでアリバイは証明されている。
異常な心理状態の中で疑心暗鬼に陥っていく人。
その重圧に耐えられずに自滅していく人。
冷静に事態を分析し、真相へと近づいていく人。
限られた時間の中で犯人が選んだ殺害方法には疑問も感じるけれど、登場人物それぞれの性格設定がわかりやすく描かれていて、読んでいて混乱することもない。
読みやすい物語だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2017年4月10日
読了日 : 2017年4月10日
本棚登録日 : 2017年4月10日

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