- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061828858
作品紹介・あらすじ
街の全周が塀に囲まれた「セカンドタウン」。その郊外に点在する「大きな穴」の底から、教師の中山が発見された。街の自治体に救出され、病院に収容された中山は、自らの凄惨な体験を語りはじめる――。
感想・レビュー・書評
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『キョウダイ』もそこはかとなくイヤ〜な雰囲気の重苦しい話だったが、本作もそこは健在。殺人にカニバリにスカトロと盛り盛りな作中作も面白かったが、真相には驚かされた。しかし、ラストが不満。結局どうなったのか、気になりすぎる。
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出だしがとにかく気持ち悪い!
でもそれなりに面白かった。
価値観の違いが齟齬を生み出す、という着眼点がよかった。
ミステリーというよりはホラーかな。 -
なんだか薄い話でした。
なんというか、読み終わった時の感覚が、もっと薄い本を読んだ時のような…
本の厚みと話の厚みが合っていない感じ。
こじんまりした、というのかもしれない。
面白いのかはよくわからない。とりあえず読めたので、文体は合わないわけではないけど…
ややぐろ。
ちょっと叙述かも。ラストぶん投げ。 -
嶋戸悠祐の『セカンドタウン』を読了。
本作は衝撃的だった。1章から既にインパクト大。あまり具体的に想像したくない表現が多数出てくるのだが、没頭するあまりに想像してしまった。
推理する場面も多々ある。納得のいく論理的推理がなされている。
中盤で作中作が出てくるのだが、セカンドタウンの謎を解く大きなヒントになっていた。
それにしてもこの作中作、1章以上のインパクトであった。帯に「限界を突破するR18小説」と書いてあるのだが、なるほど納得。グロさに関してはかなりのものがある。読んだ後には、グロ耐性が付いた気がしたほど。ちなみにモデルは「ソニービーン一族」だという。
現実のセカンドタウンに話は戻り、語られた真実が物語などではなく現実であることに驚愕する。しかしまだ驚くのは早く、信じられないことまでしていた。よもやここまで壮大だとは思っていなかったので、推理は完全に外れてしまった。
これ以上はネタバレになるので書けないが、セカンドタウンの常識というのは恐ろしいものだった。
それと、物語とは直接関係ないのだが、江戸川乱歩の『孤島の鬼』という作品が作中に出てくる。作者とはネットで知り合いなのだが、本作を読了後に感想を伝えたところ、どうやら乱歩の作品に多大な影響を受けているらしいとのこと。
やはり有名な作家が与える影響は大きい。 -
前作はあまりにも日本語が下手過ぎて★一つという評価だったんですけど、その点に関してはこの2年間で随分と改善されているようです。ただ、肝心のストーリーは凡庸で、「さぁ、これからやってやるぞ」的丸投げな結末にはがっかりです。
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閉ざされた街で起きたとある殺人をめぐるSFミステリ。グロとスカ、後味の悪さが目立つため、そちらの方面が苦手な人には薦めません。小説としては面白く、全体の大半を占める作中作で描かれる業を背負った少年の物語も充分魅力的であるだけに、名探偵といったワード等、探偵小説を意識した部分が妙に世界観から浮いて見えるのが勿体ない。真相自体も読み進める過程で自ずと見えてくるタイプのものなので、いっそのことミステリ要素をスポイルしてディストピアSFに徹した方が綺麗に収まったと思います。
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高い塀に囲まれた町、セカンドタウン。
その郊外にある古井戸から救出された高校教師・中山は井戸の底での恐怖体験を教え子の戸丸に語った。
―直立する壁を這い、糞尿をすする鼻のない異形の男・・・。
そしてその後、中山は病院の屋上から飛び降り命を絶つ。
戸丸はクラスメイトの祝詞に相談するが、祝詞は一遍の物語を遺して姿を消す。
その物語に秘められたセカンドタウンの真実とは・・・?
第3回福ミス優秀賞にてデビューされた、嶋戸さんの第2作目。
1作目が1作目だっただけに、恐る恐る手に取ったのですが。
これまたかなり複雑な読後感。
舞台はSF?謎はミステリ?内容はホラー?
とにかく、私が今まで読んだことないような居心地の悪さ。
それなのにものすっごい惹かれてしまったという。
何なんだろうなぁ・・・。
ものすごい悪趣味なんだけど、最後に明らかになるアレがとにかく強烈。
人物像ひっくり返っちゃって。
いやぁ、参った。 -
高い堀に囲まれた町、セカンドタウン。その郊外にある井戸から救出された教師の中山は奇妙な体験談を語り始める……。
ミステリぽいガジェットや技法も使われているが、読みどころはそのグロテスクな世界設定。アレな真相もけっこう好み。