風花のひと (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061830110

作品紹介・あらすじ

わたしと結婚にしたいなら、あの女と寝てみせて──奈見子が提案した。一介の自動車セールスマンでは納まらない裕也の野望に火がつき、世界がぐるっと廻りはじめる。奈見子は地方財界の大物の1人娘、あの女は金沢そのもののような由佳。風花舞う街に若い野心がたぎり、新旧の愛が息づくハード・ロマネスク。

感想・レビュー・書評

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  • あたしが生まれる前の金沢の話
    今も昔も男と女の関係ってそんな変わらんげんなあって思った。
    昔の方が奥ゆかしい感じなんかと思ったけど・・・そうゆうわけでもなく。
    でも古い金沢の情景が見えたような気がして読んでてわくわくしました。
    あの主人公の男の子の自意識過剰さがちょっといただけんけどw
    出てくる女の子二人は、正反対の性格で、もどかしいけど人間らしいというかどちらにも共感できるというか。どっちかっていうとあまのじゃくの方のが共感できるかなw

  •   言葉では説明できないような感情が人にはあります。
    どうして、と自問自答しても理由がわからなかったり、止めることのできない感情は確かに存在します。それらがこの物語の中では浮き彫りにされていて、自分を含め、改めて人とは不思議なものだなと思いながらもそれらを身近に感じました。

      そんな感情故か、人は弱くもあり強くもあります。その2つを併せ持ってこそ人間であり、人は人のそういうところに惹かれるのではないかと思います。合理的過ぎる人間に魅力を感じないのも、きっとこのためでしょう。どんな正論だって、人の感情の前には無力な気がします。

      舞台である金沢は、新しいものと古いものが混ざり合っているような場所でした。おそらくそんな舞台のせいもあって、どこか胸が騒ぐようでいながら心に染み込む物語でした。私も、女雛が優しく微笑んでくれるような暮らしを送っていきたいと思います。

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著者プロフィール

1932年、福岡県生まれ。作家。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引き揚げる。52年に上京し、早稲田大学文学部ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞受賞。ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『百寺巡礼』『生きるヒント』『折れない言葉』などがある。2022年より日本藝術院会員。

「2023年 『新・地図のない旅 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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