七人の証人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061831407

感想・レビュー・書評

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  • 法廷物をクローズドサークルに持ち込むという異様な設定がなんとも楽しいです。
    突然襲われた十津川警部。目覚めると見知らぬ人々。孤島に不自然に作られた町の一角。
    ファンタジーやSFのような冒頭にわくわくします。

    強制的に過去の事件を検証しなおすことになる十津川警部ですが、七人の一致した証言、そして決定的な写真と、完璧な有罪判決をどうひっくりかえすのか。尋問だけで真相に迫っていく展開は楽しい、の一言でした。
    凝ったロジックやトリックがあるわけではないのですが、とにかくこのおもしろい設定勝ちだと思います。

  • 文句なしの傑作。
    入口こそ派手で奇抜だが、中身はむしろ一見地味にも思えるほどストイックに、本格の論理にこだわって組み立てられている。
    「殺しの双曲線」と並んで、ヒットメイカーとしての著者しか知らない人にぜひお勧めしたい。
    その一人であった私も、十津川警部(本書に登場)がちょっと好きになってしまった。

    また本書の特長の一つとして、リーダビリティの高さにも触れておきたい。
    同じプロットで、現代の「本格ミステリ作家」たちなら二千枚級の大作を書くのだろう。それだけ力のあるプロットだからだ。
    しかし、本書は薄めの文庫一冊分。使われている語句も平易で、すっと頭に入ってくる。
    書こうと思えばいくらでも重く書ける話を、あえてこのボリュームでさらりと読むのもいいものだ。
    ラストは現代的基準に照らすとややあっさりとも思えるが、かえってそこになんともいえぬ味を感じた。

    2010/10/1読了

  • 1999.8.13 4刷 533
    十津川警部は帰宅途中を襲われ、不覚にも誘拐された。彼が気づいたときには、彼は奇怪な無人島にいた。しかもそこには、ある町の一部分がそっくり再現されていたのだ。次々建物から現われる人間は、皆或る事件の目撃者、そしてやがて展開される狂気のシーン。会心サスペンス長編。

  • この時期の西村京太郎は面白い。まず設定が良い。孤島に誘拐されてきたある事件の証人たちと、十津川警部。そしてそこで行われる私設法廷ともいえる状況での事件の再確認。そこで、証言が次々に覆されていく過程もサスペンスフルだけど、それに加えて起こるクローズドサークルの中での連続殺人が、さらの物語を盛り上げる。
    事件の真相は、仰天……というわけではないが、確実に推理と傍証を繰り返しながら近づいていくので、納得の真相という印象。ケレン味たっぷりという作品ではないけど、最後まで一気に読めた。

  • 最後の最後まで犯人がわからなかった!!ミステリーの中で一番好きかも

  • 数々の西村京太郎作品を読みましたけど、これは絶品です!

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著者プロフィール

一九三〇(昭和五)年、東京生れ。鉄道ミステリ、トラベルミステリの立役者で、二〇二二年に亡くなるまで六〇〇冊以上の書籍が刊行されている。オール讀物推理小説新人賞、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞など、数多くの賞を受賞。

「2022年 『十津川警部と七枚の切符』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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