邪馬台国 清張通史(1) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.30
  • (1)
  • (7)
  • (13)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 118
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061831575

作品紹介・あらすじ

女王卑弥呼は殺害された―――。北部九州は魏の《コロニー》であった―――。過去の学説研究に精細な検討をくわえ、新しい邪馬台国像をうちたてるべく、著者はユニークな史眼をもって果敢に挑む。通説という罠は見事に駆逐された。本書には邪馬台国の真実の相が、鮮明な印象と迫力を伴って浮彫りにされている。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 吉野ヶ里遺跡で卑弥呼の墓かもしれぬ発見があったとのニュースで本書を手に取る。

    本書は昭和51年の発刊なのでおよそ40年前の発刊になる。当時はまだ吉野ヶ里遺跡も発見されてなかった。本書での清張の主張が今も主流かどうか私には判断できない。
    当然私は専門家でもないし邪馬台国に特別な興味を持って文献なり資料を調べた者でもないし、この40年の間の知見の積み重ねが相当のものである事は想像に難くないのが、本書を興味深く読んだのは間違いない。

    しかし清張の邪馬台国に向き合う態度と、資料批判や分析の濃密さには頭が下がる。素人ながら説得力が高いように感じる。

    邪馬台国北九州説はともかく、当時の風俗や倭国の状況分析には思わず頷いてしまう。

    これだけの年月が経っても邪馬台国の謎は解明されず、今なお我々のロマンを駆り立てる。邪馬台国の謎が解明される日が来るかどうか分からないが、あーだこーだ楽しめるのは間違いない。にわか学者になって楽しむのもまた一興だと思う。

  • 通説に対する疑問が提示され興味深い。
    それにしても、何が発見されれば邪馬台国比定となるのであろうか?
    鏡ではなさそうだ。住居遺跡か?卑弥呼の墓か?
    文字・発音など、中国の歴史学者の助言が必要なのだろうが、日本の古代社会の研究をしても飯は食えないだろう。

  • 分量としては薄い本なのに、この濃厚さはどうだろう(笑)
    井沢元彦なんて足元にも及ばない、この精密さ!
    30年も経って、執筆当時に比べて判明した事実も多いだろうが北九州説・畿内説どちらにも決着はついていないから彼の推察もあながち捨てたものではない。
    朝鮮半島の推察が面白かった。
    倭人=日本人ではないのね、とか。

    そして表紙のデザインは、なんと清張その人によるもの。
    流石日本宣伝美術界会九州地区委員。
    cool!

  • 女王卑弥呼は殺害された−。北部九州は魏の《コロニー》であった−。過去の学説研究に精細な検討をくわえ、新しい邪馬台国像をうちたてるべく、著者はユニークな史眼をもって果敢に挑む。通説という罠は見事に駆逐された。本書には邪馬台国の真実の相が、鮮明な印象と迫力を伴って浮き彫りにされている。

    面白かった。単純に。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松本清張の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
和田 竜
ヘミングウェイ
宮部みゆき
三島由紀夫
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×