- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061831827
感想・レビュー・書評
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向田邦子さんの最後のエッセイですね。
明日で突然の死から四十一年になりますね。
今でも向田邦子さんは忘れること無く、懐かしい作家さんの一人です。
向田邦子さんの文章は飾らず率直で清々しい親しみ深い温かみのある語り口です。
会話をするように、語りかけてくる文章に浸りながら読み進めて、飽きることがありません。
自らの言葉で気っぷの良く小気味良く文章が綴られています。
もっとたくさんの文章を残しておいて欲しかった作家さんですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
向田邦子さんのエッセイ。
食べ物のこと、旅行先でのことが、興味深く書かれていた。意欲的に生きてこられた方なのだと思った。
特に、「手袋をさがす」が印象的です。気に入るものが見つかるまでは、決して妥協を許さない…今でこそこんな自立した大人の女性が増えてきていますが、向田さんは、そういった現代女性のパイオニアだったのではないでしょうか。 -
自分に似合う、自分を引き立てるセーターや口紅を選ぶように、ことばも選んでみたらどうだろう。ことばのお洒落は、ファッションのように遠目で人を引きつけはしない。無料で手に入る最高のアクセサリーである。流行もなく、一生使えるお得な「品」である。ただし、どこのブティックをのぞいても売ってはいないから、身につけるには努力がいる。本を読む。流行語は使わない。人真似をしないーー何でもいいから手近なところから始めたらどうだろうか。長い人生でここ一番というときにモノを言うのは、ファッションではなく、ことばではないのかな。(本文より)
向田邦子 最後のエッセイ集。
ことばが美しい人だ。 -
キャリアを重要視し、働く女性はみな「手袋をさがす」が好きだと思う。
自分が自分らしく生きることを、潔く自分で認めることの難しさよ。
結婚、出産、専業主婦で〜みたいな「女の幸せ」を手放して、
頑張っていると、ふと前も後ろも見えず佇みたくなる。
これで良かったんだっけ?と自問自答して、夜眠れなくなる。
そんな眠れない夜に読みたい1冊。 -
終盤の「手袋を探す」「時計なんか恐くない」がよかった。20代の女の子向けかもしれないけれど、40代が読んでも。向田邦子の負けん気を少しだけおすそ分けしてもらった。
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理想の女性、向田邦子。「手袋をさがす」がとっても好き。
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向田邦子の文章が好き。(他者にも自分にも)観察眼が鋭くて流石だなと思う。手袋をさがすと時計なんか怖くないが特に好きで、自分のことを少し肯定でき心が軽くなった。折に触れて何度でも読み返すだろうと思う。
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201507読了
ベルギー旅行記が含まれている。
20100210読了
向田さんのエッセイは歯切れが良い。テンポが好き。切り口も好き。小難しい説明的な文章やだらだらとした叙述的な文章はいらないけど、ただなんとな~く活字が欲しい、そういうときに最適。旅のお供。 -
20年前に一度読んだ時は、強くて弱くて素敵な女性のカッコ良くも赤裸々なエッセイで、楽しく読みました。
しかし、今読み返すと、今ならアウトな表現の数々(花嫁姿が見たい、男性鑑賞法、等)にショックを受けてしまいました。
小説は昔の作品でも「その時代の設定」として読めるから全く気にならないけれど、エッセイはナマモノなのだとつくづく思い知らされました。
この20年で私自身の考えがアップデートしたからなのだと思いますが、もし今でも向田邦子が生きていたらどんな文章を書いていたのだろうかと想像します。
それでも、熱く自分の心情を吐き出す「手袋をさがす」は名作だと思いました。 -
台湾での飛行機事故による急逝。その直前直後に世に出た文章を含む、稀代の随筆巧者による珠玉の随筆集。そういえば「父の詫び状」も凄く良かった。
そしてあらためて著者の年齢を知って驚いた。昭和5年生まれの亡父よりさらに1歳年長だった。
テレビ等でリアルタイムで拝見した記憶もある生前の姿が、不運な急逝を境に、それ以降「更新」されることなくロックされたまま印象に残り続けていたこともあるのだろう。漠然と「ご存命なら80歳くらいだろうか」と思っていたより実際には遥かに古く、まさしく「昭和ひとケタ」ド真ん中の世代の方だったのだ。
そしてそれにしては、お書きになる文章の内容やリズム、そして感性が、やはりお若い。いや、近代的、先鋭的と云おうか。要は、亡父と同じ世代の人間が同じ時代に書き残した文章だとは到底信じられない。
中でも「手袋をさがす」には甚く感服。これは再読しなくては。三十を過ぎた息子にも強く勧めたい。
久し振りに他の著作も読み直してみたい。