最後の伊賀者 (講談社文庫 し 1-19)

著者 :
  • 講談社
3.47
  • (14)
  • (21)
  • (57)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 273
感想 : 21
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061838659

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  忍者にまつわる短編集、忍者とは人間を魔物に変える修法である。物心もつかぬ3歳で忍者の里へ買われていく、修行は10歳で完了する。当然、修行は厳しく生き残るものは少ない。出来なければ捨てるが殺すか、非情な世界であった。

     アニメのタイガーマスク「虎の穴」の厳しさをイメージできればそれに限りなく近いのではないだろうか、人間技とはおもえないところが忍者の凄さなのだ。

  • 下忍、上忍の意味が全然ナルトと違うじゃないか笑

    忍者ものより絵師もの2作品が秀逸。
    呉春、蕪村、応挙、芦雪の作品を調べてしまう私がいた。

  • 「下請忍者」「伊賀者」「最後の伊賀者」「外法仏」「天明の絵師」「芦雪を殺す」「けろりの道頓」の短編7本立て。

    久々に司馬センセイ!やっぱ面白い!ガンガン読んでしまうね。
    この人の話は登場人物がどうにも魅力的で素晴らしい。本当にそういう人物だったんだろうとついつい思ってしまうリアリティがありますね。史実と創作の境目が分からないんだよね。
    そして、どうにも知識欲が刺激される。


    前3話は、下忍の悲哀がなんとも切ないお話でした。
    戦国無双(ゲーム)で下忍を雑魚とザクザク斬ってたのを反省しちゃったよ(笑)
    「伊賀者」はちょっとサスペンスっぽくて面白かった。

    外法は知らなかったなぁ…
    「天明の絵師」は松村呉春は与謝蕪村の弟子だったとか、上田秋成が与謝蕪村の友人だったとか豆知識面白い。
    芦雪!豪快な人だったんだろうと…想像。ある種、狂人だったのかもねぇ。
    道頓は可愛らしい人だったようで、いいお話だ。

  • 伊賀忍者を主とした短編集。
    組織、何より歴史の動きに突き動かされ翻弄される登場人物たちの生き様が熱い。

  • 驚異的技能と凄まじい職業意識を持つ怪人たち、伊賀忍者の話。忍者の社会構図やしきたり、どのように生きたかが分かって、すごい面白かった。

  • 短編集。表題作も含む前半3編は文字通り忍者もの。あまり知られていない、忍者の役割、しきたり、忍者という社会システムの成立過程を知ることができる。物語自体も息が詰まるような緊張感に漲っており忍者世界を満喫できる。描かれる忍術の数々は俄かに信じがたいものばかりだが(幻術とか、身のこなし)、読んでる最中は全く気にならなかった(何せ背後からいつ切りつけられてもおかしくない緊迫感で読んでるから)。後半7編は忍者ものではないが、同じく歴史に大きく名を残さなかった人物を描いた味わい深い掌編。だが、やはり前3編が何といっても面白いです。

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

司馬遼太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
司馬遼太郎
司馬 遼太郎
司馬 遼太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×