三度目ならばABC

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 218
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061840829

感想・レビュー・書評

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  • 出てくるネタが自分には通じないものが多かった。
    自分よりもう少し上の世代が読めば評価も高いかもしれない。
    キャラ自体は魅力的で土佐美郷の着眼点や決めつけとも言える推理が繋がっていく展開は楽しめた。

  • 2017年6冊目。
    山本山コンビによる短編6作品。軽快なストーリー展開でサクサク読める。美郷の愛すべきキャラクターに一気にファンになってしまったw
    岡嶋二人作品の短編はどれも面白いけど、「なんでも屋…」とこの作品はかなり好き。
    初版が30年近く前なのに古くささを感じない。
    映像化するなら誰が演じたら面白いかな?
    美郷は志田未来ちゃんとかかなーw織田くんは松坂桃李、とか?w
    珍しく続編あるみたいなのでこのあと「とってもカルディア」読みます!

  • 織田貞夫と土佐美郷という上から読んでも下から読んでも同じ名前のコンビがテレビ局を舞台に活躍するユーモアミステリ。増補版も発売されているが,私が持っているのはブックオフで100円で購入した旧版である。
    主婦向けワイドショー番組の再現ドラマを制作する制作会社の社員が,事件に出くわし,再現ドラマ作成に絡ませながら謎を解いていくという設定。同じ設定で6本の短編が書かれているが,6つの作品を通じた仕掛けのようなものは存在しない。1987年の作品なのだが,あまり古臭さを感じさせないのは,さすが岡嶋二人というところ。
    短編のレベルはどれも水準以上だと思うが,白眉は十番館の殺人。再現ドラマを作っていると,各人の証言に矛盾が出てきて,その矛盾を追求していくと,真犯人が分かってしまったという設定。まさにプロットの勝利というか,読んでいて非常に楽しい作品だった。
    ただし,どれも小説としてのデキは十分面白いが,ミステリとしての面白さはそこまででもない。叙述トリックのような仕掛けもなく,驚きは少ない。そういった点も考慮すると★3かな。

  • 1982年〜1984年の短編集。
    「三度目ならばABC」「電話だけが知っている」「三人の夫を持つ亜矢子」「七人の容疑者」「十番館の殺人」「プールの底に花一輪」を収録。

    テレビ局の下請け、弱小プロダクションに勤める織田貞夫(おださだお)と土佐美郷(とさみさと)という、上から読んでも下から読んでも同じ名前の男女が事件を解決していくユーモアミステリ。

    アリバイ崩し的なものが多く、全体的にトリッキー。
    単純に面白かった。

    「三度目ならばABC」は、クリスティの「ABC殺人事件」をモチーフにしているが、他はよくわからなかった。
    なお、「三人の夫を持つ亜矢子」はクェンティンの「二人の妻を持つ男」とのこと。
    (図書館)

  • 岡嶋二人は、日本では珍しいコンビ作家さんです(徳山諄一氏と井上泉氏のお二人で執筆されていました)。 現在は解散、井上氏のみ「井上夢人」で執筆を続けていらっしゃいます。この本、先日本棚から発掘されまして…初版が1987年10月でした。…古っ!

    「この人の名前面白いでしょ?上から読んでも、おださだお、下から読んでも、おださだお。あたしも上から読んでも、とさみさと、下から読んでも、とさみさと。どうぞよろしく」
    仕事の助手・土佐美郷に毎度毎度、珍妙な自己紹介をされてしまう張本人・織田貞夫は弱小プロダクションに勤めている。このプロダクションの最大のお得意様・MTVから、「奥様お昼です」の再現ドラマの製作を依頼されているのだが、このドラマは現実の事件を取材して事実に即して(部分的に誇張も入れて)作らなくてはいけない。製作兼脚本兼演出担当の貞夫としては、なるべく警察の捜査に沿った、常識的な仕上げをしたいのだが、これがなかなか難しいのだ。
    なんといっても、事件をあちこち引っ掻き回しては突拍子もない発想をする美郷が、いつも傍にいるのだから…。
    表題作・「三度目ならばABC」、「電話だけが知っている」、「三人の夫を持つ亜矢子」、「七人の容疑者」、「十番館の殺人」、「プールの底に花一輪」…以上6作の連作短編集です。

    通称・山本山(某海苔CM/笑)コンビの短編集。この二人、性格も違いますが、貞夫は183.2センチの長身、美郷は145センチもないおチビ、とそのギャップもなかなか可愛らしいコンビなのです。主に推理役は貞夫で、美郷は事件を飛躍させる役回りなわけですが、特に根拠もなく「その方が面白いじゃない?」と犯人を決めつけちゃう辺りがスゴイ。直感的。美郷はちょっと小動物っぽいですねー(そこがカワイイのですが)。
    私が1番好きなのは「十番館の殺人」でしょうか。タイトルからして綾辻作品のパクリっぽいのも、またヨシ(笑)。仮装パーティーの席上で館の主が殺害され、犯人も逃走途中に階段から転落死という事件の再現ドラマの製作中。何度やっても犯人の行動がおかしくなってしまうのですね。変だな…と検証し始めちゃう俳優らがちょっといい感じです。オチも軽くて好きです。
    本格推理がお好きな方には少々…「そんなバカな」的部分がありますが、面白いので私としてはOKですvv
    数時間で読みきれそうな作品ですので、小旅行のお供などに、是非どうぞ。

  • 山本山コンビの推理短編集。ちょっと強引な展開も。ただ再現ドラマを撮っていて犯行が実現不可能であることが分かるストーリは面白い

  • 今度は、軽い感じが好きな岡嶋作品を連続で読もうと決意。

    期待通りの軽いタッチで、京都神戸の出張の車中を楽しむことが出来た。殺人とかグロさが無いから、気軽に読める。軽いトリックではあるが、とても軽快だ。いいな、これ。

  • MTVテレビのお昼番組「奥さまお昼です」の金曜日に放送されてる実際の事件をドラマで流してた。
    そのドラマを作る弱小プロダクションに勤める、織田貞夫と土佐美郷。
    小柄の美郷は、自分達の紹介の時「上から読んでもおださだお、下から読んでもおださだお。上から読んでもとさみさと、下から読んでもとさみさと、どう面白いでしょ?」と自己紹介をする。
    二人は、山本山コンビとして知られるようになった。

    プロデューサーから頼まれた仕事の事件を二人が解いていく6つの連作短編集です。

    「三度目ならABC」
    ライフルで窓を狙撃する事件が二件続いた。
    いずれも被害は窓ガラスだけだったが、三件目は人が殺された。
    美郷は、この事件を聞いて「ABC殺人事件」を思い出す。
    きっとその方が面白いと言う美郷の意見を貞夫が解いていく。

    「電話だけが知っている」
    「奥さまお昼です」の番組に届けられた一通の手紙には、「助けてください。」と書かれていた。
    喫茶店で働いてる彼女は、警察に逮捕された妻子持ちの恋人を助けようと手紙を出したのだ。
    二人が調べると、不振な点が見つかる。
    美郷は、論理を飛躍して真犯人の名前をあげたのだが・・・。

    「三人の夫を持つ亜矢子」
    40代の女優・亜矢子は3人の夫を持っていた。
    事件は、ファーストがサードを殺したと、新聞に書かれた。
    調べを進めるうちに不振な点が見つかる。
    美郷は、セカンドが怪しいと睨むのだが・・・。

    「七人の容疑者」
    誘拐事件を調べてた二人だったが、聞き込みをしてる最中に車から美郷のカメラが盗まれた。
    調べた事をドラマにしようと考えてる貞夫だったが、美郷はカメラを盗んだ犯人は、聞き込みをした七人の中に居ると言う。
    貞夫は、そんな美郷に呆れて仕事をしろと言う。
    二人は事件を話し合うのだが美郷は、カメラを気にする・・・。

    「十番館の殺人」
    脚本を書き終え、役者を揃えて事件の再現を撮り始めた。
    ドラキュラ・フランケンシュタイン・蛇女・・・・などの役者が演技を始めた。
    事件は、仮装パーティーで起きたのだ。
    撮り始めてすぐに不自然な所が見つかった。
    貞夫は、日にちが無いので撮りたいのだが、美郷は推理を始める・・・。

    「プールの底に花一輪」
    高級スイミングスクールのプールの底で主婦の全裸死体が発見された。
    プロデューサーは、黒い長い髪の美人を使うと絵になるのでは?
    美郷は、女性はショートヘアーのようですよ!と言った。
    捕まったのは、このスクールに勤めるコーチだった。
    泊り込んで酔いつぶれてた彼しか殺す事が出来ないと警察は判断したのだった。
    美郷は、第一発見者の同僚のコーチが怪しいと睨むのだが彼にはアリバイが・・・。

    以上6つの話が詰まってます。
    どの話もユーモアがありますがミステリーのトリックは、奇抜です。
    短くてもやはり岡嶋二人ですね
    主人公の山本山コンビが面白いですよ

  • 事件が解決するまでの、登場人物のふたりのやりとりが面白い。
    検証していくなかでのひらめきが自然で引き込まれる。

  • 2003年11月25日読了

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著者プロフィール

岡嶋 二人(おかじま・ふたり)
徳山諄一(とくやま・じゅんいち 1943年生まれ)と井上泉(いのうえ・いずみ 1950年生まれ。現在は井上夢人)の共作ペンネーム。
1982年『焦茶色のパステル』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。86年『チョコレートゲーム』で日本推理作家協会賞を受賞。89年『99%の誘拐』で吉川英治文学新人賞を受賞。同年『クラインの壺』が刊行された際、共作を解消する。井上夢人氏の著作に『魔法使いの弟子たち(上・下)』『ラバー・ソウル』などがある。

「2021年 『そして扉が閉ざされた  新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡嶋二人の作品

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