魔球 (講談社文庫)

著者 : 東野圭吾
  • 講談社 (1991年6月4日発売)
3.43
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061849310

魔球 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 全く先が見えない、予想もつかない、メークドラマが私は大好き。
    どれ程に実力があって、
    敵う者など無い、と誰もが認める強豪が相手だとしても、
    『球』の行方だけは最後の最後までわからない。

    九回二死満塁。
    ピッチャーの手を離れた瞬間、その『球』にどんな奇跡が起こるのか?
    序章からぎゅっと心を鷲掴みにされてしまった。
    すでに物語の中心である、
    ピッチャーマウンドに立っている天才『須田武志』は
    眩しいほどの光を輝き放っている。

    東野さんは、
    ここからどんな魔球を魅せてくれるのだろう?
    そう期待し始めた途端、
    天才が死んでしまった。

    筋書きの無いドラマが好き、と言いながら、
    まさか、ここで主人公級のエースの存在を失うなんて予想だにしていなかった。

    序章はスカッと晴れた爽やかなゲームで上がった幕であったが、
    読み終えてみると、
    ぽつり、ぽつりと振り出した雨が、
    最後にはどしゃぶりにでもなっていた様な、
    あまりにも悲しい結末。

    することがなくて、
    でも、何か考えたくて、
    表紙をじっ…と見つめ続けていたら、
    『魔球』のなかに潜んでいた
    『鬼』を見つけてしまった。

    (こいつが、真の犯人じゃないか?)

    私はそう思う事にした。

  • 最後の武志の手紙の内容が感動的(T_T)

  • 「魔球」はちょっと仰々しくないか…?ただ揺れて落ちるボールに。そして、その魔球はどれだけ物語の中核を担っていたのか…それと、お兄ちゃんの性格の歪みっぷりが残念だ。約束を守ることは美徳だけど、固執しすぎれば病気だ。でも様々な要素が一つに集約していくときの高揚感は流石です。一度物語を分解して、並び替えて、配置して、俯瞰してって作業なんだろうな。その作業はやっぱり理数系の脳の動きなんだと思う。

  • 9回裏二死満塁、春の選抜高校野球大会、開陽高校のエース須田武志は、最後に揺れて落ちる“魔球”を投げた。すべてはこの一球に込められていた…。捕手北岡明は大会後まもなく、愛犬と共に刺殺体で発見された。野球部の部員たちは疑心暗鬼に駆られた。高校生活最後の暗転と永遠の純情を描いた青春推理。

  • とある高校球児の話。

    スポ根ではない。
    なにも殺すことなかったんじゃないかな。
    しかしやっぱり小説に図説はいらない。

  •  1988年に刊行された『魔球』は、『放課後(1985年)』で江戸川乱歩賞を受賞してデビューした東野圭吾さんが30歳の時の作品である。

     私が読んだことのある作品の中では『卒業(加賀恭一郎シリーズ/1986年刊行)』に次いで古い作品なので、近年の『祈りの幕が下りる時(加賀恭一郎シリーズ)』のように、読者を序盤から物語の中に引きずり込んでいくような力強さはなく、まるでスタンドから観戦させられているような疎外感を感じる。しかし、後半になると並行する二つの筋の中で、素性があいまいだった登場人物たちの関係が徐々に紐解かれ、紛れもない東野作品であることが判明するのだ。

     血のにじむような努力を重ね、運命を切り開こうとした兄を襲った不運とは何か、改めて書くまでもないことだが、東野圭吾さんの作品は、悲しい生い立ち、苦しい経験、辛い結末の3拍子が揃った作品が多い…読んでいる時は結末を知りたくて緊張しているので感じないが、読了後は、その場に居合わせたかのような疲れが出る。

     私は、故障した投手が魔球を編み出そうとする設定から、横山秀夫さんの『出口のない海』を思い出した。

  • 切なく、哀しいミステリー。
    テーマは家族愛。

    東野圭吾の初期の作品(1991年の作品)。やはり東野圭吾はこのような人間模様や泥臭い感じのテーマの作品のほうが好きです。
    題名のとおり、野球がらみの物語です。
    魔球を投げた高校野球の天才ピッチャー。そしてそのキャッチャーが大会後殺害されます。また、時同じくして、ある企業での爆弾騒ぎ。そして、また次の殺人事件が起こります。一連の殺人の犯人は誰なのか?企業での爆弾との絡みは?天才ピッチャーの野球へのこだわり、魔球とは?とさまざまな謎とその伏線が回収され、最後その背景には、哀しい物語が隠されていました。

    犯人やトリックがわかってスッキリというミステリーではなく、野球にかける思いや高校生らしからぬクールさと非情さを持ち合わせた主人公、そして複雑な余韻を残すミステリーはさすが東野圭吾だと思います。

    時代設定が昭和39年だったり、主人公の「約束」へのこだわりが異常だったり、そもそも右腕を切断された殺人などなど、ちょっと違和感を覚えるところはありますが、それらすべてがひとつのテーマにつながっていくところがすばらしいと思います。

    あっという間に読みきってしまいました。

  • すごく悲しいお話。壮絶です。

    野球がテーマの小説って、東野圭吾さんの作品にはあまりないので
    新鮮で興味深かったです。

  • 読み終えて気付いたのですが,この本わたしと誕生日が同じ年でした.

    バブル期のなんとなく必死に生きている感じ,悲壮感みたいなものがすごく伝わってくる秀作だと思います.

    辛く悲しい,必死に生きるということを感じつつ,伏線の張られた2つの事件が関わりあっていくストーリーを単純に楽しめました.

  • 1984年第30回江戸川乱歩賞最終候補作品「幻のデビュー作」
    発行にあたって、どの程度加筆、推敲されたかはわからないが、
    「青春ミステリー」の枠を大きく越えた「新本格ミステリー」、
    東野初期作品の中でも秀逸な作品の一つだと思う。

    東野圭吾氏の作品ランキングは十人十色どころではなく、
    100人いれば100人、読者によって違ってくるとは思うけれど、
    「秘密」や「手紙」好きな方にはもちろん、加賀恭一郎シリーズやガリレオシリーズファンの人にも読んでもらいたい作品

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